いずもふるねの かなしさは
まことは きびのえいゆうに
まけたじじつを かくされて
かなしきいりねの だましうち
そのうち いずものへいていと
おうと をうと たまのやまわけ
きびと やま ....
山すそに嫁いで間もない頃は
会社から帰って玄関を開ける前に
そっと結婚指輪をみつめた
関所を越える前の通行手形
新姓と共に 自分で選んだ道
でも まったくなじみのない夫の家族達
ただいま  ....
  わたしの喜びが
  きりきりと痙攣する
  ただ一滴で
  あなたの
  搾りだしたさよならのせいで



  落下するさよなら、
  道をゆく眼差し、
  世界じゅう ....
ジグソーパズルの
欠けた1ピースが
見つからない

左目をなくした
モナリザが恨めしそうに
見上げている

完全であることに
恋焦がれる病が
再発したらしい

散らかった机 ....
望んでない炎
炎に{ルビ塗=まみ}れた稲わらが強引に{ルビ傾=かし}げる 
カーテン越しから囁く者たちは
そこから離れなさいと
ただ 唇を動かす

ありえない色
塗り替えられた あの土地 ....
 三時五十分の角を抜けて、横浜の白塗りを思い出しながら、三歩進む、唾は頤から天に上る、喧騒は耳鳴りのかたちで映されまた描かれ、きみが網膜を着ていようといまいと、忌々しい素振りで、彼女は手首を切り取って .... 跛(びっこ)をひいた男が独り
本屋の軒先を横切る
そこが本屋の軒先であることなど
全く意にも介さず

杖をついた老人が本屋の中から出てくる。
一冊の本を購入するでもなく
じっくりと日課の ....
き、き、

夏空にもくもくと湧き出した巨大な雲たちの間に間を、眩しい白の半袖シャツを着た大勢の子供たちがまるで天使のように飛び交い、

き、き、

炎を混ぜた白い煙をさかんに吹き出す二階建 ....
{画像=110726012953.jpg}

はるか大昔に天子が山頂にのぼり
おお我が美味し国よと祝詞を上げた山は
小さいころの遊び場だった

山の中腹には幾つか洞穴のようなものもあって
 ....
黄昏がすぎて
流れ星をみてから
一日が無事におわったと
ふとほくそ笑みして
わからないことや
知ってもどうしようもないことを
抱きしめながら輪廻したがら思案してうずくまりながら
ぐるりと ....
犬猫とは違うことぐらい
判っているよ




でもね
薄汚れた服でサンダル引き摺ってた女の子

大切にしてもらっているのかな
パートのお母さんと
いつも家でタバコ吸っている男の ....
君の透き通る眼差しで
僕を照らしている間
淋しい夢にうなされて
一人ぼっちで泣いている事がある

僕が起きるのは
決まって暗い部屋
今日も
君はどこにいるの

見回し続ける

君がいるはずの部屋か ....
金魚鉢に金魚
上から覗き込むと金魚
胸鰭を動かし
尾鰭を動かし
背鰭を動かし
何となく静止する金魚よ。

夏だけ生きている金魚
ほんの数リットルの水に漂う金魚
横から観ると大きく見え ....
「私」という少年の、なめらかに刻まれた、とめどない夏の血流の跡に蒼がゆっくりと続いてゆく。

鳥たちが空にへばり付いているころには、いつかの母の乳房が錯乱して海ぼうけ。

景色から突出している ....
ただ無性に好き勝手に綴ってみたくなった

ただペンが握りたかったんだ
金属質特有の冷たさが欲望を更に煽って

宿題のワークを放り捨てて
原稿用紙をばらまいた
宙に舞ったレポート用紙


いるのは紙
な ....
{画像=080713215510.jpg}



*


街角に子供が一人


地に染みる影を従え


かくれんぼする



*



吾をまね


地 ....
風は丘を越えて吹いている
丘を覆い尽くす向日葵は
風に吹かれていくらか首を傾げ
黄色い丸顔を撫ぜる風

道の下は荒れ地
昔昔その昔
そこは大きな畑 だった
広大な綿花畑 だった
コッ ....
頼りなげな黒い煙は
空に還ることもなく
密閉された風景の中へ
呆気なく取り込まれていった

昨日の端から一刀両断に
切り離された時空に
冬物の黒い服を着せ
ひたすら透明な汗をかいて ....
今日に限って 折傘忘れてスコール
タバコ屋の小さな軒先で身を寄せながら
雨粒を指で拾い 掌で{ルビ弄=もてあそ}んだ

店奥のシャイな婆さんは
アガリっぱなしの{ルビ緞帳=どんちょう}が下り ....
{画像=110721225828.jpg}


鯨にある指先(地上)の記憶のように
人間にも忘れてしまった記憶がある
それはsora(翼)の記憶
身体の奥にある翼(骨)の記憶を頼りに
背 ....
あーあ
夏が来た
やばい
俺が性犯罪者に最も近づく季節

ってかさ
なによ
おねーちゃんたちの
あの格好
ミニスカート
ホットパンツ
キャミソール
下手すると下着見せてる
君 ....
夏の日差し
夏の青
真っ白な街真っ白なふるさと
だれもいない街


あれから悲しみは痛みに変わりましたか?
痛みを知りましたか?
雪の記憶の声
いえ
ひとりぼっちでただひたすら歩く ....
ひょいと見ると出窓の内側で
そいつはいつものように
出窓に置いてある
真空管式の古いラジオに
じっと耳を傾ける
ビクターの犬のようだが
そいつは黒猫だ

出窓からは朝の港町の風景が広が ....
いたずらな風にでも煽られたのか
薄桃色の世界が一瞬目の前にひろがった
 



男のひとは女性の下着に恋するものらしい

くしゃっとした
小さな布切れなのにね

でもそれは男の ....
<種類別> アイスクリーム(自称)
<体脂肪> 22.0 %以上
<内臓脂肪> そこそこ
<原材料名>
  怠惰、臆病、猫背、妄想、未練
  安定剤(貧乏ゆすり)、乳化剤(溜息)
   ....
ピリピリとした緊張感
ジリジリとした外気圧
タラタラと落ちる
粘度の高い汗
ズブズブ沈み込む
液状化したアスファルト
ユラユラと揺らめく
水蒸気の先の遠景は
妖怪の吐く息 蜃気楼
 ....
{画像=110715000430.jpg}


陽炎のゆれる炎の一日
草は夏の息をかみしめ
熱く重たい目蓋を降ろす
紅い夕日よ

それは陽炎のゆれる炎の一日の終わりの
時の流れの流 ....
息を押し殺して
手のひらでそっと囲んだら
金色の鱗粉を残して
忽然と消えた

紫色の残像は
一瞬だけ切なく薫った後
押し寄せる後悔の波に
さらわれていった

視界の端をくすぐる ....
出棺を待つ君は安らかな表情で
首筋にあるべき索状痕は目立たぬよう化粧を施され
凄惨な最期を遂げたようには見えなかった

呼びかければ目を覚ますのではとか
冗談が過ぎたかな
頭を掻きながら棺 ....
たばこ好きの女が
たばこ嫌いの人達に
よく言われる台詞

「生まれてくる子供に悪いよ」

そうか
そうだったのか
わたしの身体は未来の誰かの物でもあって
今こうしてだらだら生きている ....
渡 ひろこさんのおすすめリスト(2910)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ふるね- ……とあ ...自由詩8*11-8-1
縁族- 砂木自由詩23*11-7-31
一滴のさよなら- 草野春心自由詩3*11-7-30
死に至らない病- nonya自由詩23*11-7-30
稲わらの火- subaru★自由詩17*11-7-28
リストカットマミー- 自由詩411-7-27
頑固堂書店購買部- ……とあ ...自由詩13+*11-7-27
き、き、☆- atsuchan69自由詩12*11-7-27
橿原断片_/_耳成山- beebee散文(批評 ...21+11-7-26
日暮散歩- たそがれ ...自由詩211-7-25
リア充のひと- 恋月 ぴ ...自由詩2911-7-25
青空と灯台- 乱太郎携帯写真+ ...16*11-7-25
金魚_パートⅠ- ……とあ ...自由詩14*11-7-25
- ゆうさく自由詩411-7-25
衝動- 詩月自由詩2+11-7-25
かくれんぼ_/_子供と影- beebee短歌8*11-7-24
上を向いて歩く- ……とあ ...自由詩8*11-7-23
モラトリアムの夏- nonya自由詩15*11-7-23
スコール- subaru★自由詩16*11-7-22
翼の骨の記憶_/_いつかきっとsoraを飛ぶ- beebee自由詩23*11-7-21
夏って- 真山義一 ...自由詩2211-7-21
ふたつの夜想曲- 凛々椿自由詩911-7-21
野良猫その2- ……とあ ...自由詩1211-7-19
確信のひと- 恋月 ぴ ...自由詩26*11-7-18
僕はアイスクリームから生まれた- nonya自由詩24*11-7-16
外気圧- ……とあ ...自由詩1111-7-16
時の流れ- beebee自由詩18*11-7-15
迷いの森- nonya自由詩17*11-7-13
饗宴のひと- 恋月 ぴ ...自由詩2311-7-11
煙に巻く- 三原千尋自由詩10*11-7-11

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97