私の祖父はうまく焼けなかったので
2度焼かれるというレアな体験をして
ウェルダンされた

生乾く人

小林宏史という写真家の本に『死と葬』というものがあ
る。インド、カルカッタ。寺院の前 ....
「 いってきます 」 

顔を覆う白い布を手に取り 
もう瞳を開くことのない 
祖母のきれいな顔に 
一言を告げてから 
玄関のドアを開き
七里ヶ浜へと続く 
散歩日和の道を歩く 
 ....
一反木綿


ブランドって何でしょう
トレンドって何でしょう
ステータスって何でしょう
セレブリティって何でしょう
誰かの視線につながれた風船になるよりも
飾り羽が多すぎて飛べ ....
こころ秘かにそう呼んでいた

――温泉宿ではなく海辺の一軒家を

灰褐色をした雑木林と
露出した山肌が囲み、
いつからか戻らなくなった主の代わりに
月に一度か二度、ぶらり現れては泊まって ....
僕が女になっても好きでいてくれますか
女に生まれていても 好きになってくれましたか
姉に生まれていても 好きになってくれましたか

僕の肌が黒くなっても好きでいてくれますか
日本人じゃなくて ....
   冬

新緑の匂いなど知らない
今は深く眠るだけだという

獣たちの叫び声を閉じ込め
風の白い息だけが聞こえてくる

妖精のように踊っていた水
山々に見つめられても
厚い衣の下 ....
そして漆黒が
空に満ち始めると
遠く街が瞬きだす

まるで天空が降りて来たように

8:00時の夜は
昼の活動のざわめきが覚めやらぬ
フラスコで取ると浮遊物で濁った液体
蛍光灯の下で ....
月の出が遅くなって

月光が細く熟れはじめると
満月の熱狂が恋しく思われる

冷たい光に微熱して 謳った
銀光は金属の肌ざわりで 熔けた
この魂のざわめきが

満月の色彩は朧なグラデ ....
ねぇ

君はもう寝てしまったのかい
今日は一度もメールくれなかったね

ねぇ

君はなにかむくれているのかい
昨日まで毎日メールよこしていたのに



百合よりも薔薇が好き
 ....
木魅 (こだま)


「好きだ」
溢れ出した想いを返せないまま
あなたは土に還り
わたしは朽ちることもできずに
「好きよ」
抱えすぎた言の葉をざわめかせながら
夜毎 すすり泣 ....
言葉が 膝を抱え丸くなったまま 産まれない まだ

非結晶の 硝子が こっそりと流動する

それは秘密 だよ

いつか 懐かしむだろう 君を 君の淹れてくれたココアを 君の唇の湿度を いつ ....
愛子は着物を脱ぎ捨てて、潔く乳を出しました
円い
まあるい
柔らかさよりも芯のある
硬さを主張した
愛子の精神がそこには在ったのでした

愛子の眉は太く
角があり
男眉は仕合わせ ....
ろくろ首


それにしてもあなたを待ちすぎました
わたしの断ち切れぬ想いはあの日の
あなたのうしろ姿に縋りついたままで
身体だけが狂おしく軋みながら
いくつもの夜を越えて来たので ....
冬枯れの木立のつづく泥濘の道、
小さな水溜りに爽やかな青空を映して
名も知れぬ誰かの、
虚しく残した懸命な足跡を
突然、山の麓から軋む音ともに登ってきた
四角張った黄色い一匹の獣が、
鋼鉄 ....
私がまだサンタクロースを信じていた頃
父方の祖母と同居していて
私たち兄弟の面倒をみてくれていた
今にして思えば幼さ故とは言え
彼女には随分と理不尽ことしでかしたものだと悔いる

それなり ....
夜空を見上げていたんだ

真っ黒な夜だよ

幾千の明かりが灯った
クリスマスツリーの上
巨大なビルとビルの間の
ちっぽけで 真っ黒な夜空だ

星が一つだけ瞬いていた
明るい星だ
 ....
夜は
重なり合って
ひそめく


息でくもる
ガラスを隠して
なだらかに波うつ
カーテンの裾で
夜は広がる


冷たい
アルコールが注がれた
二つのグラスが
擦れあった
 ....
小学校に行ったよ
山奥の
廃校になった

なにもかも小さくて
洗面台なんかほんと低くて
でも何でも揃ってて
まだ、ひとの気配がした

あんまり陽あたりがよくて
運動場も広いから
 ....
グラマラスバタフライ
僕を狂わす炎

美しい人よ
その魅惑的な瞳で
僕を誘惑しておくれ

今宵僕らは二匹の蝶となって
真夜中へと堕ちて行く
二人の体は絡み合ったまま
二度と離れられ ....
神さまからひとつだけ願いを叶えてあげる
と言われたので

幸せになりたいとお願いしてみた

神さまはふむふむと頷いて
では、早速明日から叶えてあげよう
と言ってくれた

期待に胸膨ら ....
乾いた空を見あげて泣いていると
(おとうさん
(あんまりやさしい気持ちになると
(涙がでたくなるんだよ
という

疲れたときは
ふうせんかずらの種をあげる
それから
ビールを買ってあ ....
闇の随にGet It On  髪をかきあげ さぁ行こう
先頭に立つ超百鬼夜行 妖気溢れて しゃなりしゃなり

 異類異形の大魔神 束ね 艶やかに列島縦断Delight Night
 脳内の映像 ....
今年も背中を見せる
あなたの上着の裾を つまんでみる
皆 走っているからね
この子とふたり 取り残されているみたいでね
寂しくってね

私の指の小さなダイヤモンドが
電飾と歌を歌っている ....
 
金曜の夜
僕は誰かを探しに行く
誰もいないその街へ
つめたいビールが飲みたくて

土曜の朝
知らない誰かと眠ってる
眠りから覚めれば
またひとりぼっちになるから
夢を見つづける ....
秒針の一周で
思い出すこと

君の瞳
君の笑顔
君のくちびる
君の言葉
君の仕草
君の指先
君の髪の色
君の肌の色
困ったとき見せる君のさみしい目
ふくれっつらしてほんとにふく ....
とうの昔に
ほろびていたのかも知れない

ほろびという言葉は



まっすぐに立ち上がること

それを叶えた
わずかなものたちのいどころを
陸とよぶ

だから
陸 ....
あっと気づいたときには
避けようがなくて
エンドルフィン働いてくれたのか
やっと死ねるのかなだなんて
奇妙な喜びに背筋ぞくぞくしたのだけど
むりやり右折してきたクルマに衝突した瞬間
 ....
「急に泣きたくなる」
という設問を読んで
泣きそうになる

つきつめると
あふれてしまうので
空みみのふりをして
「いいえ」に丸をつける

+

淡い花のきもちになって
窓の外 ....
チャイナドレスからのびた白い足
細くて綺麗で素敵

ジュリアナ扇子 どこで売ってたの?
時代関係なくモテ期

君のこと シンデレラぐらいに思っているよ
嘘じゃないさ 大袈裟だけれどね ....
 
かくしごとなんて
はじめからなかったはずなのに
生きてると
知られたくないことの
ひとつやふたつあるものでした

できることなら
椅子に生まれて
何も思わずにただ生きて
人を支 ....
渡 ひろこさんのおすすめリスト(2910)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
生乾き- mizu K自由詩9*09-1-25
海に還った祖母に捧ぐ_- 服部 剛自由詩3509-1-24
百鬼夜行詩_<9>- nonya自由詩15*09-1-24
人妻温泉旅館- atsuchan69自由詩13*09-1-23
?- 北大路京 ...自由詩32*09-1-23
遠い呼び声/冬____月夜見・乱太郎- 乱太郎自由詩10*09-1-19
夜_8:00時と10:00時の暗さについて- アハウ自由詩109-1-15
月の音- アハウ自由詩5*09-1-13
ねぇ- 乱太郎自由詩15*09-1-12
百鬼夜行詩_<4>- nonya自由詩17*09-1-12
海面上昇7- rabbitfighte ...自由詩8*09-1-11
愛子は着物を脱ぎ捨てて、潔く乳を出しました- aidanico自由詩509-1-9
百鬼夜行詩_<1>- nonya自由詩15+*09-1-5
偉大なる詩人の歌- atsuchan69自由詩13*08-12-25
つくろうひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*08-12-25
メリークリスマス- rabbitfighte ...自由詩13*08-12-22
ひそか- かんな自由詩13*08-12-21
いつか、約束の- 夏野雨自由詩47*08-12-16
夜に堕ちる- 未有花自由詩14*08-12-16
きづくひと- 恋月 ぴ ...自由詩29*08-12-12
おとうさんの空- 佐野権太自由詩17*08-12-11
超百鬼夜行- 北大路京 ...自由詩18*08-12-10
12月- たちばな ...自由詩21*08-12-9
つめたいビールが飲みたくて- 小川 葉自由詩4*08-12-5
秒針の一周で- umineko自由詩17*08-12-4
きれいなうろこ- 千波 一 ...自由詩5*08-12-3
閉ざされたひと- 恋月 ぴ ...携帯写真+ ...18*08-12-3
選択肢- 佐野権太自由詩30*08-12-2
キャラメルダンスパーティー- 北大路京 ...自由詩14*08-11-30
椅子- 小川 葉自由詩21*08-11-30

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