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「伸ばしたときには
 すぐ先の庭で
 私のしたいが
 転がることでしょう

 時に、唇は
 鼓膜を
 突き動かすために
 震えるのだといいます

 背後に広がるうみ ....
 
 
 
 
 
 
 ・三日前の話
 
 
私が
指先のみの力で
空を切ったとき
その軌跡は
柔らかなひかりになって
木漏れ日の影の部分を
踏んで行きました
 
 ....
 
 
木製のパレットに
弾かれていく、水泡
そこから零れ落ちる/滲む
たくさんの、はじまり
 
かたどった筆先を
やわらかく
浸した水面には、
ほのかな色を持った
円卓が
広 ....
湿る度の、音

響いたあとの名残は、
何かしらのかたちで
沈んでいく

 (奥底で
 (深々と眠りつつ、

震える指先は
鼓膜をなぞりながら
(呼吸を、
ひらめいて ....
 
、広がる、の。
 
 
(メランコリックガール)
 
不確かなのだ、と
爪先はなぞる
拡散するテレビだとか
縮小を重ねるパルスに
耳を澄ましたままで
 
 
一語。
  ....
 
 
 
 
 
 
それは、浅はかながら
艶めきを晒している
 
狂い踊る群衆の隅で
一心に
咲き誇ったまま
 
 
燃える
 
 
******
 
 
 ....
 
石畳
わたくしの爪先は
ようようと白く
染まり、
その足音は
薄暗い灰色の中
に、溶けて
いくのです
 
短くなった、指が
弾き出す旋律は
やはり
赤や黄をまといながら
 ....
溢れる私を
指先で小さな歌にして
空に、伝えようとしたら
途端に青く
それは多分
あの人形の瞳くらいに
青く、なってしまったから
私は未だ
その時溢れていた歌を
伝えられないままだ
 ....
机を叩く音が
緩やかに
固さを帯びていくための、
 
そのプロセスの一環として
私の右手の中には
シャープペンシルが
握られている
 
 
ランドセルの隅で
眠りについた幼さの欠 ....
足音の沈む
その、一瞬のあとに
居眠り運転の波は
名残を
綺麗に拐ってしまった
 
笑い声が響く
潮風の中に
私が産み落とした何かは
もう、息を潜めている
 
 
渇き始めた城 ....
スカアトを持ち上げたわたくしの
内股を流れおちる、それは
ルビイのやうに光り輝いておりまして
わたくしの声を
ただの吐息としてしまいます
 
生まれでる前に
終はりを迎えたいのちが
恍 ....
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