宇宙に拡散された水滴の表面張力に支持された塵芥
大きなものは大陸その千切れた微小な島嶼程もあり
十分に人類の生存するスペースたりうるが
ごく僅かな身震いに過剰に反応する塵芥達

化学反応を起 ....
夏の盛りの
透明な記憶の破片

縁側のよしずの陰の
幼すぎた沈黙

君のちっちゃい手が
大人びた仕草で
泡立つコップを
気まずさの真ん中に
ふたつ置いた

言葉の結び目が
 ....
客車の窓から外を見て
景色が後ろへ飛んで行く

しゅっしゅらしゅっしゅ
しゅらしゅっしゅっしゅ


山は青から朱に変わり、
不気味な道が這い回る。

しゅっしゅらしゅっしゅ
しゅ ....
雲をながめたり
雨をながめたり
次第におおいかぶさる
暗闇の手をながめたり

そのたびに
母に
「またぼんやりして」
と言われた

私は
実にぼんやりした子どもだったのだろう
 ....
 
わたしを救いたいなら

あの月を涙でくるんで

そして、ピアスにしてください



 
もの悲しい口笛のイントロ
ブレイクのアルトサックス
異邦人の生まれ故郷のニューヨーク
そこから彼の歌が始まる

彼の歌は哀しい
生まれ故郷の大都会で
鳴かず飛ばず
鬱病になって病院へ
 ....
{画像=120624184853.jpg}


突然の雨に読みかけの新聞を掲げ
歩き出すと
ポタポタ
新聞紙に残る雨痕は
不思議に一定方向に跳ねが伸びて
跳んで
僕は誘われて歩いて行 ....
電車の
先頭車両の
運転席の
後ろに陣取って
景色の中に
割り込むように
のびていくレールを
眺めるのが好きだった

クハ モハ クモハ サハ

駅に
着くたびに
一息入 ....
おまんま喰わせてあげると
嘘吐いて 漸く手に入れた
幸せの砂

砂の重みは一人分
風に吹かれてさらさらさらさら

綺麗なべべ着せてあげると
嘘吐いて 漸く手に入れた
幸せの砂

 ....
ネオン輝く夜の街
路地裏の狭い石畳に
今宵も漂い辿り着く
淡いランプに浮かび上がる
[遠い昔のバー]の扉(ドア)

ここは[遠い昔のバー]の中
スツールに掛け、手をふいて
まずは一 ....
水飛沫だけは一人前の
まるで推進力がないバタ足で
取り付く島を探し回る毎日

学校の水泳授業を
見学してばかりいたツケが
今頃回ってくるとは思わなかった

後輩の回遊魚達には
軽 ....
{画像=120616222037.jpg}



季節はなんて早く
通り過ぎて行くのだろう
もう春だと思ったら
陽の光は力いっぱいの強さで
もう初夏のようだ


季節の風は
確 ....
雨の降る隙間に
がんじ搦めの自分の昨日を見ながら
傘を差して歩いてゆく

良いことなど無く稼ぎは
全て税金か家賃
それと借金の返済
食事代など手元には残らず
それでも生きてゆける

 ....
地面に
言い聞かせるように
雨が降り続く

無色の
絶え間ない呪文が
街を塗り潰す

紫陽花は
すべてを受け止めようとして
雨雲を黙読し

雨傘は
すべてを受け流そうとし ....
{画像=120608223742.jpg}



何もないが降った日に


季節はもう初夏だと言うのに
空から何もないが降ってきた
何もないは初夏の街並みを埋めてしまって
僕は降り ....
明けない夜はないが
晴れない朝はある
止まない雨はないが
笑えない昼はある
暮れない一日はないが
つれない人はいる

そして夜
幾つもの夜を耐えて
人は強くなると言うが
ちびち ....
暗い森の木の根元の茂みの中
闇に光る二つの目
光の反転した森の風景の中
鹿が逃げようとするが
矢庭に飛びかかる黒い大きな影

まず獲物の内蔵を喰らう
黄緑色の内蔵を喰らう
赤い筋肉を食 ....
あまぐも

垂れ下がる昼下がり

うっかり爪を引っかけたら
鈍痛を引き寄せてしまいそうな



あまがさ

濡れた匂いは嫌い

美味しくない想い出と憂鬱が
しつこ ....
曲がりくねった道同士の交差点
それぞれの道の先を眺める

一本は崖から崖へ通じて
一本は丘から丘へ通じて

その先には
不釣り合いな青空が広がる
ここは底
谷間の底の交差点

騙 ....
{画像=120530012115.jpg}



この世の中には
幕間に控えて居る役者は
いっぱいいて
人が羨む役を貰えるかは
まことに運次第なのだと思う


人は与えられた役の ....
春の小川の流れ、
雑木林の枝にとまって
口を開けている唖の小鳥たちよ
黒雲から発し 丘をひっぱたいては消える
無音の稲妻

丘が放電している

晩年のルートヴィヒのスコアの凄みか
 ....
何を
描いてきたのか
いつまで
描き続けるのか


分からない


生き様を
刻もうとしているのか
ただの
石ころ遊びなのか


分からない


突き動かされた ....
フェンス越しに飛行場が見える道
直線一〇〇〇メートル疾走する車窓から飛行場を望む
さらにはるかかなた男体山と女体山の筑波山
ほかに前を遮る山も無く
秋には飛行場の薄の原
フェンス越しの軍隊が ....
愛するものに あらんかぎりの表現をあたえるために
図書館はある

道の途中で
トンビがピープルって 巻き舌ぎみに 私を呼ぶ


鳥に言われるまでもなく 私は人間さ
書物のよさ ....
春風の中を
舞うように飛んでいた幼い僕は
風と仲良しだった。

風は僕に
あらゆることを教えてくれた。
空の青さ、高さと、
風に舞う小さなたくさんの花びらと、
心の中の風船を
生温いラブソング
みたいな雨が
無骨な傘を叩く

手頃なセンチメンタル
みたいな歌が
鳥肌にまといつく

南風に押されるままに
よろよろ歩き出す
曖昧な記憶

傷つけたこと ....
{画像=120523013143.jpg}


いつも何かが足りない気がする
いつも何か一言いい足りない
いつも何かを忘れている
いつも何か遅れている気がする


忘れてしまったもの ....
寒気のする空気を切り裂く
垂直のシルクスクリーンの像

空間と平面の狭間に
ポツンと取り残された縁

アブダビの呪文に囚われた
寒冷砂漠の隊商を
砂の丘から望む

深い藍色の地溝に ....
アチッ

二日酔いの朝
朝靄に包まれた意識の森で
突然発火するのは
昨夜の記憶の欠片

アチッ

酔いにまかせて
自分のてのひらとあしうらに
醜く刻まれた皺を
語ってしまっ ....
村の外れの道祖神
何時からそこにおわすのか
村の平和を守るため、
悪霊妖怪退散の
結界 男女二柱
 天津麻羅の矛を持ち
猿田彦と天宇受売命(あめのうずめ)か

村の外れの道祖神
苔生 ....
渡 ひろこさんのおすすめリスト(2910)
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