翡翠のみずうみに、溺れてしまいたい。

声が涸れるほど乱暴に、優しい歌だけを歌った。
書簡を往復しながら、
何故暁光は目にしみるのかと問う。
つぶやきには誰にも答えてほしくなかった。

 ....
指のはざまの双つの水
そら抄い空すくい
小さな渦に満ちる水


音がほつれ ほどけゆく
こぼれ たどり
道になる


毛羽だつ古い衣の袖を
水や鏡にそよがせて ....
中々に追いつけない澄まし顔
両手に掴み損ねたすみれ色
最後の言葉は言葉にならず
明日に代わる
またねとかバイバイ
とか
そんな言葉を残して

呼吸を止められるのは3分
そこから先は弛 ....
遠くそびえ立つビル群
人間が高さを競うように
草木は深さを競い合い
私の横たわるこの下で
取っ組み合いの陣取り合戦を繰り広げている

負けるのも勝つのも好きではないと
酒のない酔いに飲ま ....
星が降る
星が降る
夜空を彩って
涙の数だけ
祭りはめぐる

草の海の彼方は
満天の星空
今宵は星祭り
一年に一度
願いが叶うという特別な夜

もしも願いが叶うというなら
も ....
大気が湿った二酸化炭素を十分に含んで
重く 重く 圧し掛かるから

心を軽やかに
まるで鳥らの真っ白の羽の羽ばたきに比して

天使らの飛翔の音楽 モーツワルト
ボッサノバの和音で宙に浮い ....
何かにつけても
茫洋として寄る辺のない
暗い淵が見えるにもかかわらず
湿りを含まない
重さのない空気を吸い
吸うばかりでそのために
くらり
反転した写真のような明るさと笑顔の中
街を歩 ....
手探りで歩くことの恐怖が
大いなる躍動に変わるとき
広々とした都会の中でも
絡めとられてしまいそうな木々の中でも
辿り着きたい場所というものが
現実には存在しないくせに
まぶたに浮かぶ ....
世界は少し傾いている
だから僕は少し方向違いな
君の斜め45度右に言葉を投げる
ほら、上手く届いた
だけど君は45度左を向いて
誰の言葉か探している
僕だよ、と言っても信じない
だからも ....
あまりよく、覚えていない

ふらふらと適当に帰りついた夜
白く重たいドアの先で
お父さんが
ガチガチに冷凍されていて
あれ、しっかり保存されていたんだ
そうドアの前の過去に
気が付つい ....
熱い帯にタイダイの笑い声が響く
電気工事のおじさん
駐輪場のおじさん
建設現場のおじさん
交通整備のおじさん
ペンキ塗りのおじさん
たくさんのおじさん
設備工事の父さんも
あんな風にタ ....
だらしない服が
花のように香る
からだの線が
浮かんでは消える
あなたは
無言にたなびく


降る曇
くちびる
とじたまなこ
うしろあたま
ひとつかがやく
 ....
携帯電話のカメラモードを
セピアにセットして
梅雨の晴れ間の街を歩く

写り込む世界は

春まだ浅い砂浜で風に吹かれ
総てをなくしてしまったことを悟った
あの時のまま止まったように
 ....
詩人のなかでは詩才が最も少ない
私の偽らざる感想・・・

輝くような比喩を織り込む人
文体が詩人の生きざまを語る人
自らの主張を説得力豊かに書き綴る人

このサイトの詩人の方々の作品は
 ....
マダムヤーンは綺麗な人で
いつも小さな
花柄のブラウスを着ていた
ほんのり香る花の香水をして
静かに笑う人だった

ある日マダムヤーンのもとに
小さな蝶々がやってきた
蝶々は羽根を休め ....
同級生はドラッグストアで働いていた
名前はみらいちゃん と云った

休みの日には呼び出されて
公園を匍匐前進させられたり
炎天下の坂道を延々往復させられたり
首を革紐で縛られたり
草を食 ....
轟々とひらめく光に立ち
剥がれ落ちる痛みを聴く
壁の上で
ひとつはひとつに終わりなくつながる


こころみではなく
そのままを受け入れ
羽は生まれつづけている
火は  ....
みんな大好き!
と叫んだアイドルがいた

その場の誰もが
「みんな」には自分も含まれている
と信じようとして
アイドルの名前を大声で叫んでみたりする

「みんな」
そして「わたしたち ....
たとえばそれは力
真夏の様な
太陽の力

たとえばそれは優しさ
潮騒の様な
海の力

たとえばそれは喜び
金の稲穂の様な
大地の力

裸足で地面に立ち
両手に海をすくい
肌 ....
{画像=080710024320.jpg}

私は自分が泣くとは思わなかった


同僚と酒を飲み
語り合い
別れた時
涙が出た


酒を飲んで居ても友に言えなかった
卑しい自分 ....
女が信号待ちをしていた

幼い息子と立っていた

いっしゅんのことだった

粗雑なかなしみを

気恥ずかしく思い出す

この親子ふたりに

俺はなにをしたのだろう
深い 森の青 遠い山々
押し寄せる 驟雨の匂い
夏が海を抱いて

また再び
貴方と恋に落ちるのか

自己憐憫
自己嫌悪
隣り合わせの理想国・・・燃えて・・・
語りつくせぬ思いを
 ....
               080709



新装開店のお店の前

チラシを配る男の子
チラシを受け取る男たち
木登りが上手だねと
褒められたことがありますか
危ないから木に登 ....
三日後にわたしは 
三十三年間着ていたわたしを脱いで 
風の衣を着るだろう 

その時世界の何処かに響く 
あの産声が 
聞こえて来る 

その時空から降る 
透けた掌と差しのべるこ ....
雨が笑ったら
それは春の始まり



雨が色付いたら
それは夏の始まり



雨が美味しくなったら
それは秋の始まり



雨が意志を持ち始めたら
それは冬の始まり
 ....
鳥の声 泡の音
鳥の声 泡の音
水のなかで
鳴いているのか


目をつむり
そこに居るものに会う
半分にし 半分を使い
残り半分が雨になる


わからないものを ....
「口さけ女」

{引用=
耳元まで、口が裂けて広がっている女性噂妖怪。
幅の広いマスクで口を隠しており、道行く男性に、「私、綺麗?」 と尋ねる。
答えた男性には、マスクをはずし、口を見せ付け ....
スナックで知り合えば

たわいもない話をして

エレベーターで送られて

手でも振ればさよならできる

夜の屋上できみと話せば

ケンカでもしなければ

おたがい立ち去れないよ ....
向日葵畑で飛び交う笑顔には
スイカの玉が よく似合う
夏を詠む右手に 夢から抜け出た指輪

七夕に見つめ合う男女に 嫉妬して 花枯らしても意味ないし
数多のホタルを 天の川に放つ

真っ ....
{画像=080523225735.jpg}

大丈夫?
そう言って母はいつも
額に手をやった
そう言えば額の熱は
手で繋がっている


39度の熱を出した
娘の額は汗ばんで
手を ....
渡 ひろこさんのおすすめリスト(2910)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
樹海帰還- 水島芳野自由詩6*08-7-15
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