宇宙は溌剌としていた
滴るような蝉の声が宇宙に降っていた

病院ですれちがう人々はどんな人も
それぞれの生や死をしのばせていた
ぼくはそれに無関心を装いながらエレベータを探していた

ぼ ....
   {引用=ぼくたちの未来は いつも、さよならで終わっていくの?}


地球儀をまわしすぎたせいで
透きとおっていたものが
濁っていく 
あの日、
チョークで描いた線路が滲んで
二十 ....
マラカイト・グリーンの風を追い越して
夏の扉を開けようと私は急ぐ
白い教会を通り過ぎ
聞こえる賛美歌に心はずませて
私は急ぐ 風に追い越されないように
向日葵の花の中で
白い蝶たちが私をせ ....
淫らに、露出した仮想の小窓には
時と場所の不明な青空と、
見えざる航空機による白い猛毒の軌跡――
ながく留まる筋雲状の航跡が表示されていた

≫いわゆる、薬物や病原菌等の散布。

僕たち ....
あの丘には海がある
風にとけたあなたが ささやいていった
赤い自転車から 深緑の海を見上げる
深緑の糸かせから 糸の先を手繰りよせる

右腕に 螺旋を描いてゆく海の糸
ひんやりと
深緑の ....
やわらかな慈雨が

この岩に穴をあけたのです

どこからか種がやってき

うまい具合な風や雨や光だったのでしょう

穴から松が生えようとしています

教訓を見出だしたい訳ではありま ....
夏休み前の教室で
ぼんやり先生の授業を聞いていた

教室の窓の外では
アブラゼミがうるさいくらいに鳴いていて
授業に集中できない僕の頭の中を
これでもかというほど占領していた

ジージ ....
夜の
電車の
少し開いた
窓から、

夜の
多摩川の
水と
森の
匂いが、

染み出した
夜の
小さな
祈りから、

僕と
君が
右と
左の、

熱が
抜け ....
陰鬱な雨音が窓辺に滲みて
低くつづく唸り声と
さかんな水飛沫とともに
霧中に奔り去る夢の銀輪たち

仄暗い部屋で
目覚めると
突如、
胸に激しい痛みを覚えた

良くない
一日の訪 ....
 
透きとおるような青い瞳を閉じて
月明かりをよそに
思索する空
道標を失った者たちの
無数の悲しみが白い炎をあげて
燃えている



どこにも行けないという絶望を
焚き木にすら ....
僅かに感じる視線に

蛇に睨まれた蛙のように

小さ角においやられていった

繋いでいた手は

急に離されまた掴もうとしたけれど

追い付くことはできなかった

人は誰でも大き ....
かたく凍った夢を砕いて
画用紙に宇宙を描いて暴れだす
果てのない星々の海は瞬き、
チビけた鉛筆が一本
煌く銀河を縦横無断に奔る


つめたく凍った言葉を融かして
原稿用紙に文字を紡いで ....
水槽の底の
薄く撒かれた石床を
胸に抱えたまま
いつまでも
眠りにたどりつけない

硝子の鏡面に映る
瞳の奥、の奥
私は
銀色のマトリョーシカを
組み立てる

+

あなた ....
その町はいつも晴れていた
暖かな日差し、爽やかな風
青い空に、柔らかな雲
町外れの湖には
それらの全てが溶けだし
大きな森を育んでいた
青年はその湖に足を浸しながら
いつも遠い、見知らぬ ....
萌え、

奴らには判らない
のだ。

ホストを囲んでドンペリが最高だと信じている
煌くシャンパンタワーを前にした
派手やかに着飾った色カノ、
そして何を隠そう・・・・この俺だって
 ....
昨日と同じ色の朝の
昨日と同じ匂いの時間に
気紛れに買ってしまった
オリーブグリーンの傘を開く
慣れきった慌しさのほとりに
淡い緑色の翳が落ちて
治りきらないささくれの端を ....
ペチッと足下がなって気付く
つぶれたキャラメルポップコーンの一粒
金曜の夜に輝きだした女の子たち
指先がおよぎはじめ
どこかへいきたくなる
移動の風景
常磐自動車道
映画館が崩れ落ちてい ....
苦手ってわけじゃないんだけど
それでもやっぱし
う〜ん
苦手ってことなのかな


毎年この時期に行われるんだよね
以前は建物の裏口に横付けされた検診車のなかで行われていたんだけど
この ....
こないよ
こないよ
このまま
こないひとになるのかな
って
ぶつぶつ頭蓋骨の中でつぶやきながら
階段を下り
上り電車の風を見送る

制服の女の子が柱によりかかって
携帯を耳にあてる ....
私とはひとつ違いだった
先生の評判を聞きつけて遠方から通ってくる
いわばミーハーな生徒さん同士

どちらからともなく話しかけると
すぐに古くからの友だちみたいに親しくなって
いわゆる「気の ....
白熊が死んじゃう、と言って
つけっぱなしの電気を
消してまわる君は
将来、かがくしゃになりたい
という

撒き散らかされた
鳥の餌のシードを片づけていると
芽がでればいいのに、なんて
 ....
森が
あれほどさわがしかったのを
夜はいっしゅんにしてねむらせる
あの懐のひろさ
そよ風のてのひらが降りてきて

いいんだよ
だいじょうぶ だよ

ひとりひとりの木々に
そういって ....
耳を澄まそう
日が翳り
灰色の雲が天蓋を覆う
低く垂れ込めて
最初の一言を

ポツリ



耳を澄まそう
これは
幾千億の雨粒が語る物語
その一粒一粒が ....
帰ろうかな
そう思った
一瞬を幾度か
ちらして!

5月
空は氷を溶かした青で
お花のジェット
バウンド・フォー・トーキョー
千歳の上空から苫小牧
育った家を見下ろした

掘り ....
良く晴れた多摩川沿いに走る二車線の都道
歩行者用信号機は青へ変わっているに右見て左見て
みーちゃんの手を引きながら急いで渡る

轢けるもんなら轢いてみなよ…いつもならそんな気概なんだけど

 ....
ブラックスモーカーの
熱い暗闇のほとりで
スケーリーフットを枕に
わたしは不思議な夢を見た

空っぽの背骨を
滑らかな夜風で満たして
わたしは空に浮かんでいた

手足になり損ねた ....
手を引かれ歩く。
懐かしい匂いのする君
その面影は記憶の水底
私が潜水夫になって強く握り返すと
つないだ手には水たまりができて
空の色を映す。


薄暗い緑の茂みの奥までくると
 ....
ゆっくりと、撫でてゆく
背中から本能までの
または、今日から命果てるまでの
測れない距離を、あの人の言葉は
簡単に届いて、そして、
明日に色を書き足してゆく


友情、と言っていた
 ....
まだ遠い夏を
まだ梅雨さえ来ない5月の空に描いて
貴女は揃えて広げた掌に息をかけ
ふうっと、飛ばす

果てしない宇宙の
一番身近な部分を
少しだけ切り取って描いた世界は
たんぽぽと
ラベンダー
 ....
そば屋のラーメンってさ、そこら辺でムダなプライド掲げてるラーメン屋より美味しい気がするのは気のせいかなあ。

実家の隣駅にある麺屋へ行ってみた。BGMがずうっとBEATLESのお店だった。
 ....
渡 ひろこさんのおすすめリスト(2910)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
溌剌とした宇宙- 吉岡ペペ ...自由詩1309-8-12
孕む、風を、未来を- 望月 ゆ ...自由詩24*09-8-11
マラカイト・グリーンの風を追い越して_−サナトリウムへー- 未有花自由詩11*09-8-5
パノプティコン- atsuchan69自由詩15*09-7-27
深緑- たちばな ...自由詩11*09-7-25
やわらかな慈雨- 吉岡ペペ ...自由詩1109-7-23
夏の魔法- 未有花自由詩23*09-7-15
「夜の」- プル式自由詩5*09-7-14
暗い窓辺に_★- atsuchan69自由詩20*09-7-9
白い炎- 乱太郎自由詩23*09-7-8
ノートの端の落書き- こめ自由詩1409-7-8
チビけた鉛筆の唄_★- atsuchan69自由詩29*09-6-27
窓辺に眠るさかな- 佐野権太自由詩19*09-6-16
「希望の丘」- プル式自由詩7*09-6-11
クリュッグVSドンペリニョン_☆- atsuchan69自由詩15*09-6-10
雨曜日- nonya自由詩11*09-6-9
夜の果ての旅(フミタケ/rabbitfighter)- rabbitfighte ...自由詩609-6-9
モモなひと- 恋月 ぴ ...自由詩24*09-6-8
半袖二の腕考- たちばな ...自由詩709-6-2
夢しゃしん- 恋月 ぴ ...自由詩20*09-6-1
六月の水球- 佐野権太自由詩40*09-6-1
果実の番号- 歌川 至 ...自由詩509-5-31
祝婚歌- rabbitfighte ...自由詩10*09-5-27
千歳の空から花々を- たちばな ...自由詩22*09-5-26
夢さわぎ- 恋月 ぴ ...自由詩27*09-5-25
シーラカンスの夢- nonya自由詩13*09-5-25
紫陽花- 夏嶋 真 ...自由詩26*09-5-25
ボーイフレンド- さくら自由詩22*09-5-25
夏を描く指先- 遊佐自由詩10*09-5-23
懲りない麺々- BOOKEND散文(批評 ...5*09-5-20

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