この橋の下には
黒い川の流れがあったはずだ
すべてを押し流そうとした
鉛のように重く黒い川の流れが

燈篭流しの燈篭が流されていった
誰かが投げ捨てた麦藁帽子は橋桁で朽ち果て
パンパンに ....
(そっと 音も色も立てずに
 ただ流れしたたる透きとおりを
 みつめている


ひたされてゆくね
僕たちはどの位
もう走れないのなら
このまま



  アイニク、という
  ....
鮮やかに 雲が 
青空から 吊り下げられて

細いナイロン糸が
結び目を のばして

雲は動く
己の腕の寂しさが続くかぎり
雲は行く
己の知らないくにざかい

雲の影が落ちる
 ....
「あたし禁煙することにしたんだ」
そんなこと言ってなかった?

 ちょうど去年の今頃 僕の失恋直後に
 熱帯魚の水槽みたいな喫茶店の中で

遠くの席で若い男女が ....
赤くなった紅葉を
散歩のお土産にくれたのは
あまりにも小さな手に思えたからなのでしょうか

わたしはそれを栞にしました
いつかわたしを未来へ繋いでくれる{ルビ娘=こ}へ
贈ろうとした名です ....
あかるい空
カーテンをひいて{ルビ包=くる}まれて
そのどこかに羽根をみている
呼吸が彩度をわすれて
いつか廃れた街のようだった
足音は屋根をつたって
きみに会いにゆく
こ ....
明るみが つぶやく
影が出来ていて

潅木に 優しい陽光が
密かに 染み渡って

今日 静かな作業を編む

コスモスを風は包み
清涼な空気は
明るさを溶かし込む
ソーダ水の輝きで ....
ものがたりをしよう
こんな淋しい夜更けには
ものがたりをしよう


青いペアグラスは粉々にくだけ
私の心は深く傷ついた
銀のスプーンを強く噛んで
一人ドアを閉じ貝になる
永遠などない ....
美術館前の石畳は冷たい雨に濡れ
慌てて開く折り畳み傘は
夢のなかから引き摺りだされたのを
ごねてでもいるのか
機嫌の悪さを隠そうともせず

冷えたこころをあたためてくれた
あなたの背中が ....
大地と空が
触れ合い
お互いを確かめ合って
一つに溶けている

横たわる夜は
静かな寝息が
そっと 部屋から漏れていって
夜景の街を満たす

夢 追うように
ベランダから
夜を ....
月曜日
わたしには仕事などない
だけど、うちにばかりいると叱られるから
とりあえず、仕事に行くふりをして
たんぼの畦道をよろよろと歩いた

畦道は細くなったり
太くなったりして
歩きや ....
靄が立ち込めて
息を止めるほど
鈍く 濁った 沼

曇りの空を
正確に映し出す
水の留まり 
大地の無意識は 静止していた

息継ぎが罪悪のような 静寂に
時として 陽射しは落ちて ....
去年の今日。
2006年の10月26日 昼過ぎに、祖父が他界しました。
祖父が亡くなって、ちょうど一年になります。

祖父が亡くなったとき大阪にいました。
知らせを受けて、
すぐ帰ったので ....
子供たちは
キティちゃんのホークで
なぽりたんを召し上がる

何千キロという海の大きさも
何十万ガロンという容積も
その喫水の深さも
まるで想像できない
きっと、大切なことなのだろう
 ....
月の、満ちる夜の、
世界から、少しずつ音を消していく、
地球の反対から初めて、少しずつ、
コーヒー農園で歌われる歌、
山羊のため息、道草する羊飼いの口笛、
サンバ、ボッサ、レゲエ、ロック、
 ....
現在という塊の中から
わたしの輪郭だけを残して、わたしが
蒸発していく
夕暮れの空は赤く発光し、届かない高さで
じっとして居る
いったい、わたしは何に忘れられたのだろう



浮遊す ....
どんなに鮮烈な映像も、感情も
あとからあとから
注ぎたされる
とろりとした夢水に
輪郭を曖昧にして
とらえようとするほど
淡くまぎれてしまう

過去と未来の、あるいは
前世と来世の狭 ....
あなたが感じた
その美しさを
僕の手のひらで触れることが出来るのなら

あなたが感じた
その痛みを
僕の右足で蹴ることが出来るのなら

あなたが感じた
その優しさを
僕の頬がさ ....
教室の斜め後ろの席から
窓の外を眺めるふりして
本当は君だけを見ていた

机の隅に書いた相合傘
先生が通るたびに隠して
ずっと君の事を考えていた

それだけで良かった
 ....
それは約束された儀式
かりそめの情熱

どちらが先に瞼を閉じるのか
けものの眼差しとなり相手の出方を窺い合う

わざとらしく歯を閉じ
拒んでみせるのは
初々しさをこころにまとい

 ....
両の指を痛い位絡めて
錆びたフェンス越しに友を見ていた


立ち入り禁止区域
思い切り高く遠くへ放った
僕達の鞄
一瞥して走り行く
君の ズザザと力強い
足元の埃


駆け上が ....
暗闇に光る君の瞳
影から影へ移る君の姿
君は夜に生まれたから
そのまま夜を身にまとい
ひとり息を殺して闇を行く
夜は君の姿
闇は君の心
影は君の名前
そして沈黙が君の言葉
けれどそん ....
――外国産と思しき、
ずいぶんと安っぽっちい杉板の木枠に
金槌で小ちゃな無数の鋲を打ち込み、
皺なく「ぴぃーん」と
白い亜麻布を張った
自分で拵えた七百号の白いキャンバスへ
左官が使うみた ....
「 人生は素晴らしい  生きているって美しい 」  白い顔の犬が笑う

 嗚呼 そんなことは どうでもいい   可愛いオンナの手を握りたい


「 人類が みな兄弟なら どうして殺し ....
{引用=落花することに歓びがあるとするならば
目の前に横たわる海鼠状の災禍を受け入れてみたい}

あなたと
わたし
コロシアムと密かに呼び合う
誰ひとり立ち入ることの無い塔屋の片隅で
ふ ....
桔梗の匂いです
ほんのりぼかした地平線は
花のうねりが続いています
その上をすべる
乳白色 あおい月
輪郭はまだうすい


   夜はさらさら
   風はさやさや


月は花の ....
青いテレビ画面に 手を突っ込んで
すましたニュースキャスターを握りつぶした

気を紛らわせるために 野良犬を呼んで
お酒を飲まして 初めての夜を捧げた

 尻尾を振り乱し 飛び ....
詩を詠おうと鏡の前に立ち
増えた白髪の数を数えた

擦り抜けた散り散りの感傷が
部屋の片隅で溜息を零し
歯に噛んだ笑顔を向けてる

捧げたい言葉があるんだけど
きっと哂い無しでは生まれ ....
働くってことは
否応無く押し付けられた役柄を演じること

食品会社に勤めれば
賞味期限の記されたシールを貼りかえる日々
罪の意識など三日で消えてしまう

コールセンターに勤めれば
クレ ....
どこまで私は落ちていくの?

この植物に食べられちゃうの?

どうして私食べられちゃうの?

人間がたくさん木を切ったから?

地球を汚してしまったから?
渡 ひろこさんのおすすめリスト(2910)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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