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夜を媒介する。私たちはためされてはかられて、いまこ
こにいる。あるいは朝を、また昼を媒介して、私たちの
心身が伝導体となって、少しずつ接触していく。私たち
が味わう陽気や狂気も、ひとつの通りすぎ ....
どこかで聴いたことのある歌
その旋律が 流れてくる
思い出せない
歌の名前
思い出せない
記憶の糸が絡まっている
それでも
どこかで聴いたことがある
それは確かなのだが
思い出せ ....
泥になって歩く
海の方から風が吹くと
私じしんである 泥
がかわいてしまいそうになる
おまけに潮のにおいまで
はりついてしまいそうになる
この湾岸沿いの道は 淋しさ
そのものが細長く伸び ....
傾いて
その周囲に小さな
豊穣を張り巡らせながら
季節の同調を軽んじてゆく
絵の中の成果
熟れすぎたくだもの
(あるいは くだくもの)
裂かれるために実る
歯のいのちの前でおびえるもの ....
円盤が
おまえの頭上高くを浮遊する
未確認の淋しさを乗せて
円盤は 氷点下の空を浮遊する
おまえの淋しさを憐れんで
おまえの淋しさに同調して
(いずれも認められていない淋しさ)
空の白さ ....
おまえがほんとうのことを口走る度に
鳥の翼から羽毛がぬけ落ちる
世界はやせ細り 目に見えるものすべてが
絵に描かれたものとして溶けてゆく
たとえば可哀相な妹が
人に知られぬ速度で後退する時
....
死期が近づくと
彼等は自ら首を吊って死ぬ
夜に 孤独な木を探してその枝に
縄を垂らして果てる
南の大地は熱い
吊られた身体は素早く腐る
自分ひとりで首を吊れない者は笑われる
ましてや ....
まっすぐな姿勢で、書きなさい。
こんな忠告とともに、身体の歪みを矯正して
くれる機械があったら、私はそれに従うだろ
うか。椅子の背もたれの部分に備えつけられ
たセンサーが、座っている者を背 ....
おはよう。昨夜はよく眠れたかい? 夢の中で、変なものに追いかけられて、脅えて目を覚まして、朝食を食べながら、その夢がもしかしたら詩に使えるかもなんて、君は思っているかもしれない。
それとも、こん ....
さなぎの、笹食べているのを見て
いると暗澹とする。ささ、さあ、
こちらにおいで、さなぎ。どうせ
おまえは動けないのだから、せめ
て、こんな年寄りのところまで、
這いずり回って、混沌のようにや ....
ふっ、
ふっ、と、
ふれてゆく。
静かすぎる夜に、
綿毛の意志を運んでゆく。
日にさらされて、
火にあぶられて、
またもやさえぎられて、油っぽい焦りだ。
ふう。
....
士狼(銀)さんの岡部淳太郎さんおすすめリスト
(11)
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カテゴリ
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日付
夜を媒介する
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岡部淳太 ...
自由詩
7
07-11-18
無名の歌
-
岡部淳太 ...
自由詩
13*
07-3-26
湾岸経由蜜柑畑行き
-
岡部淳太 ...
自由詩
24*
07-2-6
死物
-
岡部淳太 ...
自由詩
10+*
06-6-1
冬の円盤
-
岡部淳太 ...
自由詩
4+*
05-12-26
世界の別名
-
岡部淳太 ...
自由詩
33*
05-12-19
首吊り族の死に方とその歌
-
岡部淳太 ...
自由詩
12*
05-12-4
優しい機械
-
岡部淳太 ...
自由詩
10*
05-11-15
詩を読まない詩人への手紙
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
14+*
05-11-8
晩夏の蛹
-
岡部淳太 ...
自由詩
12*
05-9-5
夜、ふれてゆく。
-
岡部淳太 ...
自由詩
9*
05-8-20
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