凍てついた川面を蹴って舞い上がる
氷点下の風
丈高い建造物の隙間を吹き抜け

厳しく雪を吹き下ろしていた雲が
ため息ついて
気まぐれのように座を譲る
冬だけが見せる裸身の蒼穹 ....
愛が泥のようだ
   
見慣れた街が異国になって
まばたきをする
   
汚れつちまつた上着を羽織り
わたしは先天性ホームシック

幼い頃に盗まれた
大事なものを探すけれども
それ ....
ひかりのつくり方は だれも教えてくれない

水の配合を間違えたことで 白く霞む朝に
きみの浅い微睡みは
錆びたダイヤモンドのように 美しくおちていく
レースをまとった瞳の透過は
いくつかの ....
こん夜
つけて寝るためのピンクのマスクがある
かの女はいま
どんな心の中の秒針を回して
何を燃焼し拍動し続けているのか
考えたりする
答えはどこにもない
海にも空にも星にも
そしてここ ....
一枚の写真が燃えている
黒い鉄の花びらの上
ひらめく炎をその身にまとい
そりかえる
水蒸気と煤があいまって
白くにごった煙とともに
封じられた時間も漏れ出して 
霧散する
平面の中の奥 ....
 孔雀が羽根をふるように着飾る女あるいは男。よなよな磨いたことばが立ち上がった拍子に手からこぼれて、そのまま坂道を転がりおちていくのを見ていた。ちょっとおもしろいふうな気持で。それはまるくとがって .... ブーゲンビリアのちいさくて可愛い花が、柔らかくお話してる

ふるっふるって、風あと

揺れて

むこうの小さなあめつぶを降らせたいお天道様は、
きっと、不機嫌なの

やわらかな温みの ....
この部屋で
あなたの魂の息に触れる
この部屋で
魂の息に触れられる距離で
この部屋の中で
あなたとあなたの横たわるあなたのあなたの体で
触れられる
この距 ....
原初のひとしずく
ささやきのように生まれ
岩肌の乳房
地衣類の産着
山あいを渡る風も目覚めさせないように
産毛を揺らす
静かな吐息
うつらうつら
千々のひかりにあやされながら
死への ....
そうや、おらんかったね

自分以外の人がいる居間は暖かかった
冷えたこたつの中で丸く、眠るその影に小さく蹴りを入れても
明日もそうだろうね、言い訳することもないよ

灯油を乗せた車の音楽が ....
切り刻まれた欲望をあとに
街のしたたる灯りの下で
男はコートの汚れをはらう
生まれ育ったこの街で
いま夜の表面に佇みながらも
男は限りない遠さの奥に囚われている
通り過ぎる日々に受 ....
通りすがりも 同僚も 家族も
一対一でも 多数同士でも
「あっちむいてホイ」に興じている
電波上の 同じ画面を 見続けていた としても
目を合わせることは 禁忌なのだ
抱擁感さえも失い どこ ....
流れていった言葉は私のものではなくて
膿を出すための言葉
森をかたちづくる言葉とか
朱の消えた舌を乾す
砕けた縁石
残った物でつくり上げる
電話のコール音の中を歩く人
月が欠けるから ....
蝋燭で世界を燃そうとするもの
茎も葉も無い花のあつまり
冬の陽を模した手足の舞が
風に風を刻む夕暮れ


冬と 水晶の霧と樹と
エメラルド 空に刺さる音
遺跡を分けるひとつ ....
太陽とともに昇る地球の顔色を
全身に浴びながら
今日も
ぼくの見えるところ
いっぱいに埋め尽くされた
ぎゅうぎゅう詰めの風船が
時を置かずして
割れ続けているのを
目の端に留め置いてい ....
今はもう、溢れて
零れるだけのボトルは、意味を見失い
積み重ねられた日記帳は
終焉の時まで
ただ、埃をかぶるだけ

西の窓にさす夕焼けが淡く滲みだし
新月の海を羅針盤無しで航海する、無謀 ....
セックスをもたらさないベッドがある
枕をはずして
もし何かをみつめてるとすれば
終わりのない色の
壁の終わり
空間にとっては軽すぎるものだろう

夕暮れに蛇をつかまえた
金はいつも夜に ....
僕は
ウエハースを持って
屋上で月を見ている
ハイウェイを見下ろして
ウエハースだなんておもうよ
月に見とれていたけれど
鳥肌の立つ明け方に
うっすらさよならしていくよ
輪郭を、街は、 ....
まだ無名の星に
光が差しはじめた頃
静寂な空気の語りと
無重力の宇宙の波動は
無音を破ろうとして
互いに感覚の符号を送り続け
やがて瑠璃色となった惑星に
言葉を招き入れた
人間たちは歓 ....
行方知れずの怒りを持て余して
恋のときめきなんて知らなくて
「一番美しい」はずの十代が
ないものねだりで終わっちゃった

なんかもうやになっちゃったの
にきびみたいな自分に
でもこれは私 ....
あなたの静かな骨の上を一本の真新しい国道が通る
あなたの大きな悲惨の中を一つの真新しい意味が走る

眠るあなたの骨が今こうして車輪の下で砕かれていく

ぼくはその音を聞いているのだ
きみに ....
これを普遍の景色としよう
よくありがちな光景だと
そしてここに抱かれる心までも
普遍だと判断されそうになる

自分の息を数え駅のホームで
あなたの訪れをじっと待ちながら
通る電車の影が落 ....
懐で古銭をじゃりじゃりさせながら
暗い大通りを歩いていく
多くの脇道が横に伸びていて
かつてここを一緒に歩いた人が
上から見ると「馬」の字になっている
と教えてくれた町
何百年も前に大火の ....
何もかもに夢中になっている。
あれほど突き詰めるように取り組んでいた詩作に時間をとろうと考えもしなくなるほどに。
生きることに夢中。
仕事に、生活することに、自らを磨くことに、学び、勉強し、資格 ....
本質的で普遍的な或るものが
繊細に欠落していた
関係性の網を裁ち落として
神聖に独立した君のてのひらに
降りてくる怒りの数は限りない
裏切りは雨滴のように
永遠に降りやまず体を濡ら ....
大陸が大陸を噛み砕き
顎から瀧が流れ落ちる
仰向けの空の背中に
海の光が照り返す


鳥は数字を紡いでは落とし
緑の輪 緑の輪
羊の喉と繋がる空
ゆうるりと廻る虹の柱 ....
まばらに降ってくる秒針に刺さりながら
死んでいくということをわかりそうになる
溶けた絵具の優しさよ、
錆びたレールの優しさよ、
朝、ななめに射す光のなかで
じくじくと枯れていく草たち ....
 窓から覗いた二つの目が遠く潤んでいる。
 心は情景に溶け込み白茶けた街はとても静かだ。
 まるで初めて見るかのようなその街の光景はどこか異国の匂いがする。
 灰皿の上では吸いさしの煙草が紫 ....
なめらかに、交差されていく いちじょとすじ
傘に入るのは、いつだってひとりきり 






救われたいのは甘えたいのは、他にも居たのにね ごめんなさいね 遠慮してたのね あなた 遠 ....
防波堤に打ち付ける、波
全てをさらっていく
泡沫が少し
澱みに残るだけ

日がやけに低い昼下がり
人の姿もなく
旅の友は、おねだり上手なカモメ
行先不明の私は
いつだって
迷ってい ....
本田憲嵩さんのおすすめリスト(2322)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
二月の空に- Lucy自由詩15*17-2-13
ホームシック- やまうち ...自由詩4*17-2-12
一欠けらのひかり- 小林螢太自由詩13*17-2-12
マスク- 唐草フウ自由詩10*17-2-12
炎の遊戯- ただのみ ...自由詩14*17-2-11
部屋、または砂の花_あるいは孔雀じゃなかった鶏- はるな自由詩217-2-10
風あと- 水菜自由詩617-2-9
this_room- flygande自由詩6*17-2-9
小川- ただのみ ...自由詩15*17-2-8
+2℃- 青の群れ自由詩517-2-6
街の灯り- 葉leaf自由詩417-2-6
あっちむいてホイ- 末松 努自由詩10*17-2-5
(流れていった言葉は私のものではなくて)- tomoaki.t自由詩3*17-2-4
めぐり_潮音- 木立 悟自由詩317-2-4
風船_2- 寒雪自由詩117-2-4
逆再生- 小林螢太自由詩14*17-2-4
セックスしたかった- 末下りょ ...自由詩14*17-2-3
緞帳- うみこ自由詩8*17-2-2
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にきびはつぶさないで- 四角い丸自由詩417-2-1
海辺にて- zitensha自由詩1217-1-31
普遍の愛- 這 いず ...自由詩317-1-30
狂馬- 春日線香自由詩817-1-29
生きることに夢中- 水菜自由詩217-1-29
不良少年- 葉leaf自由詩217-1-28
ゆくえ_とどろき- 木立 悟自由詩417-1-28
優しさ- はるな自由詩217-1-28
再生の日- ヒヤシン ...自由詩7*17-1-28
メモ- 水菜自由詩117-1-27
早春の詩集- 小林螢太自由詩15*17-1-26

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