真っ白な雪に身体を持って行かれました
風が小雪を連れてきて
痛いくらいの氷の粒が頬に張り付きます
習い始めたお稽古事は、叱られてばかり
慣れないお琴で指を弾いて
痣だらけの手を氷水で浸して
 ....
青い靴ならそ
ちっちゃいおみ足
挫いて貼った絆創臺
手のひらで温めて
色褪せてすすけてしまった宝物
思い出はさっき心の奥に閉じ込めました
すり抜けていった幽霊はあるみにうむのはなたばを
 ....
白い指先でカシュカシュッと、スクイザーで絞ったレモンをレモネードにして
君は、笑顔で風を運んできた
夏の日差しをたっぷりと浴びたテラスの向こうから
今日はあなたの誕生日

あなたの足元には、 ....
それは恋文でしたか
長く綴られた美しい文字でも
過去形になると
住所も名前も内容も
要らなくなってしまうのですね

中古屋で買ったシュレッダーに
「アパート」という文字を半分消されて
 ....
白く細い指の様な光の線が、つぅぅとガラス面を掠めて
闇の中につらつらと水滴が垂れる
窓ガラスは、鏡となって
幽鬼の様なわたしの顔を映す

ざぁっと、広がっていくような雨の音が
わたしの意識 ....
ひょっとして
測定不能な分野は
安泰だと思ってんのか?

確かに
売上金額で優劣付けようにも
詩なんて
自分以外
誰も読まねえし
むしろ
てめえで金出すとかさ
かなりイタイ代物だ ....
最近はゴッドタンを観ない
結局誰かを貶めたり嘲笑ったり
なんかそればっかだから
正義というか飽食やね
飽食というかガリガリの飢餓

あんなに好きだったジュニアも嫌いになってきて ....
     朝目覚めると空のコップが
     ひとつ置かれている
     わたしは満たす
     さわやかな空の青さ
     もうすぐ咲くだろう蕾の息遣い
     少し焦げた目玉焼き ....
R-2指定の
赤ちゃんプレイ自称詩が
気色悪い

こんな気色悪いクソを
恥ずかしくもなく
垂れ流すということは
きっとブスに違いない
いや、ブスだ!
確信を持って
絶対にブスだ!
 ....
霧吹きのような雨はふかみどり

胸の奥まで吸い込んで

わたしは森になる

しばらくすれば

じゅうぶんに水を含み

耳を傾ける

彼らは

永遠を指し示すこと ....
見つけられないものを探している
とっくに失くした何かを
例えば棚で眠っている本に挟まって
頭を覗かせる封筒
歳月に黄ばみ
だが秘められた部分は青白く
ほのかに
呼吸して
机の上で宛名を ....
トイレで赤い卵を流したあと冷蔵庫から野菜ジュースを取り出そうとして
玉子を床に二つ落として割れてしまった。かろうじて玉子の形をとどめた
まま中身は放り出されなかったので、フライパンで割れた玉子を溶 ....
    米を研ぐ
    それは繰り返される日々の儀式
    手のひらにあたる米粒はかたく
    米どうしがぶつかりあい
    じゃっじゃと音をたてあう
    このかたいひと粒ひと粒 ....
どれくらい時間が経っただろう
もうずっと
海の見える街で
透明な観覧車に乗り
まわっている

昼間の
高い位置からの眺めにみつけた
泳ぐ船体はすこしずつ南方へ向きを変え
遠ざ ....
会うことのないひとたちの声
こころの輪郭(かたち)の外がわから
(空腹と眠気とにさいなまれながら
物をたたく乾いた風の音と
建物をきしませる低い空がおおう

ここから離れた場所
見知らぬ ....
降りしきる雨が落ち着いた頃
とある大学のために建造された駅前でモーニングをいただく
早く出たから着くのが早すぎただけのこと

Aセット:
 トースト
 ゆで卵
 アイスコーヒー

( ....
双子だった祖母方のまたいとこはすこし胸が大きい
潤んだ神秘的な瞳は深くて
同い年なのに
大人に見える
意味深な暗号のように念仏がくりかえされるなか
むかし いっしょに あそんだはず ....
ブローした髪の毛が地肌に直接当たる感覚が好き
毛先を胸に垂らして
初夏の風を窓から受け取りながら
ゆっくりとまどろむ暮らし
ブローした髪の毛が地肌に直接当たる感覚が好き
{引用=得意ではない、
飛びかたをためしていた鳥の、
シルエットを真似て、
あるいはそういうタイトルの、
詩をかいて、
昨夜の微熱は冷えて、
花びらのような咳をした、
踏切がおりたままで ....
{引用=

毛細血管のめぐるあおい突端の、

これよりさきはもう冬の海しかひろがっていない、

さみしい風景のなかで、年増の女が、

少女のように手にもったポリエチレンの袋を、

 ....
{引用=

鳴らなかった、管楽器の空洞に、落葉や、

発語されなかった言葉をつめている最中に、

妻はかえってきた、わたしはなんだか、

気まずい気持ちになって、ベランダへ煙草を吸いに ....
つま先とにらめっこしているときは
変な色のペディキュア塗ってやる
おへそとにらめっこしているときは
うなじにホッカイロ貼ってやる
きっと君は怒るよね

トイレの中で何時間もえづいているなら ....
片田舎の白いガードレールの脇を
野焼きの煙たいにおいに追われて
灰色の空の下を
傘を差すか迷う雨に打たれて
そうやって歩くときの心に似ている
わけもなく泣きたくなる夜は
台風が空のごみを吸い取り
彼が過ぎ去ったあとの夕暮れは
何度もろ過された美しい赤色
激しさも優しさも包み込む
あの美しい赤色
僕らの中に流れるのは
あの美しい 
君は
産毛の生えた頬で

僕は
固く強張った頬で

あなたは
皺を幾重にも刻んだ頬で

いくつもの意味を孕んだ
頬のかたちを
僕らは笑みと呼ぶ
ひょうひょうとして口笛を吹く君の
尖らせた唇の先で
さっき僕が吐いた息が震えている

頬を火照らせ走る君の流した汗は
やがて蒸発して
巡り巡って僕の汗へと

一億分の一で構わないから
 ....
とても
とほうもなくとても
すてきな小説を読んだ夜
手放してしまうのが惜しくて
胸のなかで
それを抱きしめつつ眠れば
冬由来のゼラチンは
純粋な水によって
隅々までふやけ

迎えた ....
夏なんてくそくらえ
ツクツクボウシに八つ当たりする

最後の蝉は彼女をつくれただろうか
いつだって割り切れる世界じゃあない
 
 
 
手を伸ばす
先に
ほどかれていく放物線の
空 いくつも数え切れないほど
通り過ぎるものがあった
今夜
聴いた
天球の音楽

八時間先を東へ回るきみの


こ ....
{引用=


いくつかの言語がすでに死滅した
午後だった、そして花が散ってい
た、なんの動物のものかわからな
い(おそらく数種類の動物の)い
ろんな部位の骨をあつめて、鑢で
みがいてい ....
本田憲嵩さんのおすすめリスト(2182)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雪の花- 水菜自由詩5*16-12-7
あるみにうむのはなたば- 水菜自由詩5*16-12-6
レモン- 水菜自由詩3*16-12-4
シュレッダー- 為平 澪自由詩1016-11-22
雨の鏡- 水菜自由詩13*16-10-28
人工知能に取って代わられる- 花形新次自由詩116-10-20
彼の人の冥福を祈るテンカウントゴング- TAT自由詩2*16-5-3
日常- 石田とわ自由詩7*16-4-29
ブス- 花形新次自由詩116-4-13
休園日- 自由詩37*16-3-23
ファントムペイン- ただのみ ...自由詩16*16-2-20
黒い手袋- 為平 澪自由詩1016-2-15
研ぐおんな- 石田とわ自由詩14*16-2-11
観覧車- 自由詩13*16-2-3
ひとの声- 光冨郁埜自由詩9*15-12-11
枯死未満- 中川達矢自由詩215-7-3
血縁- 自由詩21*15-6-30
_- 四角い丸自由詩115-5-30
ふゆのひかりについて、- mugi自由詩6*14-12-13
指先の冷たさについて、- mugi自由詩7*14-12-3
喉の痛みについて、- mugi自由詩6*14-12-3
いたずらっこ__おこりんぼう- 四角い丸自由詩114-11-22
ぼんやりとした淋しさ- 四角い丸自由詩4*14-11-10
賛歌- 四角い丸自由詩114-10-10
お前は_緩んだ頬で- 四角い丸自由詩614-10-5
変態的純恋歌- 四角い丸自由詩5*14-9-20
陰翳- そらの珊 ...自由詩2314-6-14
蝉なくな_なくなよ蝉- 四角い丸自由詩413-9-8
鳥たちはいつも永遠へ向いて鳴く- 動坂昇自由詩513-3-18
残暑- mugi自由詩312-8-19

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