月の輝く夜は
星々も遠慮深くため息をつく
彼女はとても気まぐれで
若葉の季節を待つ人々も祈りを捧ぐ
豊穣と子宝を授かるように
{引用=
 そのことについて


その後のことについて

しゃがんで空を見た


 そこには何も無い。


そのことがそのあとにあったのであれば、
その前のことを想像しま ....
誰かに教わったわけでもなく
ひれもないのに
泳ぐ術を知っていた
不思議
暗闇の水は透明なはずなのに
烏賊墨いろ
触れる
包まれる
抱きしめられる
身ひとつだけの
図式
へその緒が ....
桃の実の、そのなめらかな白い{ルビ果皮=はだ}は
――{ルビ赤児=あかご}の{ルビ頬辺=ほつぺた}さながら、すべすべした肌触り、

桃の実の、その果面の毛羽立ちは
――{ルビ嬰児=みどりご ....
 七回忌を過ぎた夜
 寝入る微睡に
 だれかの 手が触れてきて
 髪を撫でるのです

 幼い頃 してもらった様な
 手のひらの温もりは貴女なのだ 
 と 気付き

 うっすら 消 ....
詩がいなくなったのに僕がいる
ぽっかりとあいてしまった朝の空
仏陀もこんな気持だったのか
ついに死んでしまうまでの数ヶ月間

詩のために僕がいたとしても
僕のために詩はいないのだ
詩がい ....
大寒の朝
フロントガラスにいくつもの
小さな雨粒たちが
縦に並んでいる
球体の接地面で
ふるふると
ふるえてる
ああ、ここにあったのだ
糸から外れても
ばらばらにならないで
ここに ....
小さな青虫が
葉っぱを虫食いにして
生きてゆくみたいに、

夢を壊して、
優しさを捨てた男と
胸のはだけたドレスの女

ふたりはいつか
美しい蝶になって
この街を、
飛び去りたか ....
今朝出したゴミがそのまま残って
「燃えないゴミは水曜日です」と張り紙がしてあった
水曜日の朝も残ったまま
「今日は水曜日です」

仕方なく持ち帰り部屋の隅に置きっぱなしにしていたら
いつの ....
焼き場で
まだ熱い骨を拾いながら
生きててえらかった
と言う
レエスの縁のハンカチが
小さなポケットからはみ出して

花に埋もれたあなたは
びっくりするほど小さい

いつ終わるのか ....
インナーチャイルド


どうしたの?
こんな淋しい岸壁でひとりきりで
しかもそんな薄いスモック一枚きりで


あのね おかあさんかえるのまってるの
おかあさんおしごとしてるから
い ....
 あれは五年前、ぼくがまだ大学院の二年生のときのことでした。実験室で、クロレート電解のサンプリングをしていたときのことでした。共同実験者と二人で、三十時間の追跡実験をしておりました。途中一度でも .... フルオブライフ、
透明度の高い日々だった
言い換えれば僕たちの
一つ一つ箱詰めにされた
コワーキングスペース


揺れること、かすかな
軸を保ちながら
君の硬い輪郭線で、描か ....
 ツクツク 
 ツクツク
 ピーヨ ピーヨ

 それが貴女の
 独り言 だったのかもしれない
 と、今になれば思うのです

 病院から外泊すると
 東の窓際で
 黙って 鳥かご ....
 畔のみちを濡れながら
 駈けて行く少年が
 不意に 透明になってしまった

 もう同じ姿では帰ってくるまい

 寂しさが静かに
 胸を浸してゆく時がある
 貴方と再び相逢う日のない事 ....
風、そして風の鼓動
空の欠片を集めると
それはいつも爪に似ていた
窓だけが知っているわたしの形
初雪が観測された朝
静かに紙で指を切って
独り言のように
痛いと思った


 ....
 
 もううすうす気づいてる

 人生って

 生きてりゃ勝ちって言われても

 楽しいことばかりじゃないんだな

 イヤなこと

 苦しいこと

 つらいこと

 悲し ....
名前を削除したから
夏が終わったんだね

君に借りていた記憶も返せないまま
静かな夜中の改札口
後悔を嘔吐する
虫たちだけに聞かせた
僕の呪詛は
たぶん『好き』って感情から生まれた
 ....
昭和のテレビコマーシャル
”おせちもいいけどカレーもね”
おせち料理を食べ飽きるほど
食べてみたいものだと
子ども心に思ったものだ

家内と一緒になってから
我が家の正月三が日は
餅と ....
 
 柔らかに
 湖沼の堤に
 すいこまれていく
 霧雨は

 昼と夜の
 境に降りつつ
 水沫も作らず消えて行く時、

 涙もなく
 恋見送りし むくい
 心は 空なるものに ....
 弟が

 Adoは作詞作曲をしないからダメだって言うから

 うっせぇわ!

 って言ってやった

 唯一無二の歌声と

 類まれなる表現力があれば

 何がどうでもいい ....
古書店に入ると
老夫婦が内田百閒の日記について
話を交わしていた

百閒先生は
なして小倉については何も
書いちょらんのかねえ と

うねる波の発音に
懐かしい歌謡を聞き分けた

 ....
暗く冷たい夜の中に
きみはわずかな羽織ものだけで
どうしてそんなふうに
軽やかに歩いていくのだろう
止まったままの時計台の針が
過去に溺れて行くぼくのようで
見送るのもそこそこに
静 ....
夜、徹夜で迷路した。白い目でやってるよ。
よるてつやでめいろした しろいめでやってるよ


人が苦手で、捨ててカニが飛び。
ひとがにがてで すててかにがとび


寝て。真昼の何かに、カ ....
独りきりの夜の隅に

誰の邪魔にもならぬように

ランプの灯をそっとつける

私は低廉なグラスをかかげ

タリスカーをその灯に透かしながら

本を片手に煙をそっと浮かべた


 ....
子供の頃 何にでも興味津々な

そんな人間を演じていた

そうすれば

博士枠に入れると思っていた

友達ができるのじゃないかと 期待していた

真似ることは学ぶこと 格言に勇気を ....
〇← これは〇か?いや、〇に見えるだけか?
俺からしたら〇に見えるだけか?
いや、〇ではないのかもしれん。大昔の人にこれは何かと聞いたら〇というだろうか?
いや、〇がここに存在していると思う俺は ....
ズズズズズズドンッと
とつぜん、学校が
手足をのばして
立ち上がる

で、ドドドドドッスン
ドスンと、しこを踏むと
走り出した

窓から、扉から
子供たちがこぼ ....
{引用= object. }

人の手
に依る。
風雨の蒼に堆積した
埃を払う
木肌
に触れる

涼しげな冬
の絵に
雪が降っている
窓の外には
いつもの
静かな朝

 ....
能登半島地震、羽田空港の事故火災
壮絶な始まりだ
多くの当事者がいる中
ぼくは表紙のような顔で
誰かに道を譲った
本田憲嵩さんのおすすめリスト(1814)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
五行歌_セレーネ- レタス自由詩7*24-1-24
,_2020__- ryinx自由詩7*24-1-23
対岸まで- そらの珊 ...自由詩12*24-1-22
桃。- 田中宏輔自由詩11*24-1-22
リインカネーション- リリー自由詩8*24-1-21
詩がいなくなったのに僕がいる- かち自由詩224-1-21
邂逅- そらの珊 ...自由詩8*24-1-20
虫ケラの刹那- atsuchan69自由詩11*24-1-19
今年のさくら- wc自由詩12*24-1-18
熱い箸- 凍湖(と ...自由詩724-1-17
インナーチャイルド- 涙(ルイ ...自由詩424-1-17
火だるまパンツ事件。- 田中宏輔自由詩9*24-1-15
フルオブライフ- ねことら自由詩324-1-14
独り言- リリー自由詩9*24-1-14
冬の日- リリー自由詩8*24-1-14
独り言- たもつ自由詩724-1-14
ブラックコーヒーが飲めない- おやすみ自由詩224-1-14
苦虫- トビラ自由詩4*24-1-13
おせちメンタル- イオン自由詩1*24-1-13
雨氷- リリー自由詩6*24-1-13
_- おやすみ自由詩124-1-12
歌謡- 形代 律自由詩4+24-1-11
Slip_Away- ホロウ・ ...自由詩5*24-1-10
誰かの引力にカニが引かれた(回文)- 水宮うみ自由詩2*24-1-9
Solitude_at_midnight_(...with_ ...- 自由詩4*24-1-9
独り言1- 短角牛自由詩4*24-1-9
〇を探究する人- 陽向(2 ...自由詩5*24-1-8
走る!_- 田中宏輔自由詩15*24-1-8
object.- ryinx自由詩6+*24-1-7
年始- 空丸自由詩724-1-6

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