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こわれものでもなかった
なつかしいひびでもなかった
唯水底に漂う叩きつける雫の聲にぬかづく
夏 雲 奇 峰
熒惑星を薄群青の
きみのひとみで僕も殺して
生成りの砂地に帰(かえ)す ....
もとからどこにも取り付いてなかった象嵌の螺子ですから
其の内ルリタテハの瞳は羽化していくのを
襤褸が出た躰で憶えている
深層で春を装う球体関節人形の御伽噺
ばっかみたいだって、
靴飛ばし ....
〈きらめき
/よどめき
/さんざめき〉
預言者ではそぐわない
吹き溜まりとは底なし沼で
遺灰だけを零すと云うだろう
くすぶり続ける核と、脈絡を喪う喧騒に在って
ゆるやかに低下して ....
ずぼら一夜は古く染み渡り多くを喋れない
新しく注ぐ液体に有る、
天体は衝突した
一対の豚とモノラルを舐めるようだ
片耳のジャズを覗き見る、
左右は甘い、
よく儲かる香炉から外れている胚芽 ....
空には星がある、ぼろい暗幕のことだ。
引き裂けぬだけで虫がついて、
大層蝕まれ穴だらけではないだろうか。
それら包まれて流されてきたばかりだった
今日は今日とて曇り空の舌で何を舐め取ろ ....
また逢うときまで あなたの手で
白樺の傍でそっと包まれた蕾。
とっておきの焔を、
きっと摘み取って 欲しいから、
微笑んだままで
とびきりオシャレをして
この深淵にお別れをしたいの ....