わたしからあかんべ

 あなたからは木の葉

 たからもの 小指ではさみ

 あたたかな秋の 空へかえそう

 うたたねしながら

 ときどき見てる

 からみぐあい

 ....
冷蔵庫が音もなく
坂道を転がっていく
薬屋の坊やがその様子を見て
花の名前を口ずさむと
雲ひとつない青空は
木々の亡骸を歌う
むかし此処いらに
小さな書店があったことなど
思い ....
雨が用意されている
雨は、いつも用意されていた
夏の終わりに
情けなく溶けだした
アスファルトの上に
生き延びた午後の渇きに
焼き場の長い煙突に
ひとすじの
細く白い煙に
(鉄の塊
 ....
{引用=

眠る街 .

何時でもそこに在る  .

夜明けの灯り
はすぐそばに               .. …
港に漂着する
まで .


 ____ _ _  ....
夏は獣臭い草叢を引きつれて僕の夜がはじまる。この湿気は妄想と戯れる暗闇の伴走者だ。チッまた羽虫が眼に飛び込んできた。
勢い急いで立ち止まれば大きな白い鼠が音を立てて、手前のブロックには壱メートル ....
あめ
ひと
設計図の無い
みずすましの痕
フロウ
触れて
薄い指先に
不在が
あるから
テレビジョン・
セットの
お笑い
本当はみんな
はぐれて
いきたい
末広通 ....
帰路は
新月にしずむやみのはし
こと座に一服

リリ、

(きこえた?
(ああ、きこえたよ
(鳴いてるのかな
(鳴いてるのかもしれないね

夏を野辺送りし秋がやってくる

猫 ....
              じっとしていろ
子供のころはよく言われた
      じっとしているのが苦手で手脚が     鶏
                        僕  みたい
 ....
汚れた指で、
鳥を折って飛ばしていました。

虚ろな指輪を覗き込むと、
切り口は鮮やか、琺瑯質の真っ白な雲が
撓みたわみながら流れてゆきました。

飛ばした鳥を拾っては棄て、拾っては棄て ....
土砂降りを浴びて
雷さまが落ちた夕暮れに
雲と蒲焼きの匂いが過ぎてゆく
汗とガリガリ君も遠ざかる

そして何処からともなく
幽かな松茸の馨りがやってくる
定番は土瓶蒸しに焼き松茸、
そ ....
街路樹として植えられた夾竹桃の花が咲いている
車通りの多い道
排気ガスで煙る景色
花びらは桃色
街に溶け込み人と共存する

この街は空気が淀んでいて
たまに離れたくなる

お昼も過ぎ ....
 アオギリの葉を鳴らして
 秋がゆく
 時雨ている空にさえ
 時折 輝いている空しい灰色の雲

 風、強かったショーウインドウの前に
 私を待っていた人
 月並みな愛の言葉
 優しげに ....
丸い朝が
四角いビルにやってきて
直角三角形の僕は
平行四辺形に駅で出会って
無数の三角錐をごみ箱に捨てた
朝からブラックホールだ
  *
なんだかんだと言って
あれやこれやと言い返さ ....
暗闇の中で働く
囁く
声と指は一定の距離が保たれている
そのために肉体がある
肉体のために空港がある
滑走路に置かれたピアノは
調律が三時の方向にずれたまま
夜明けの離陸を待っている ....
いなくなった人へは
何も書けないから

妻へ

前略

草々

としたため
渡した手紙は
洗濯されて
入道雲の下に干してあった
立ち上がる
背伸びをした
その、もっと上に ....
 角の本屋さんの奥で万年筆を売っている
 仕事帰りの女がそっとのぞきこんだ
 くもりひとつない飾り棚は
 そんな町が好きだった

 ゆっくりと溶け始めるアスファルトが
 蟻や落ち葉を運んで ....
   こえは たましい

  漂っ ている

      こえは

     森の

   乾けない

   空

 ひきずられる 影


    あ 

      ....
月の工場で生産された蝸牛が
地表に降り積もっている

渡り鳥の真似が得意なのに
飛ぶことができないわたしを
鳥たちは連れて行ってはくれない

夜明けとともに
蝸牛は溶けてしまう ....
君の腕の中に横たわり
安らぎが散らないように
僕の呼吸を置いたら
君の産毛が逆立っていった

知らなかった花を見るように
君のことを観察したい

肌の光り方とか
爪の切り方とか
ど ....
水浸しの草原に黒い鳥たちがいる
どこまでも濡れた大地に星が映っていた
シマウマに乗って宇宙へ行く
果てしなく遠い、天地の境を行けば
そこに揺らめく虚空の入口がある
朝が来れば揺らめきは消えて ....
指先を太陽に翳して
陽の光の中を着物の着崩れを直しながら歩く

隣町まで足を棒にして歩いてみたら
少しはこの気持ちが楽になるだろうか
茶色い茅葺き屋根の家を過ぎて
長屋を横目に見て
空き ....
私は葬式がきらい

何のためにいくのか そんな自分が嫌になる


激しくない人づきあいの中で

人の心配はすれど 人から心配された記憶はあんまりない

あくまでも他人 それが死んだら ....
あの日の夜空はまったくの偶然なのでしょうか
生きられないと思っていた
希望とかそんな簡単に声にできないなにか

立っている
電柱から
(かすかなノイズを)

点が結ぶ線を
つまさきで ....
  十九



 土間のかおりが濃い風の中で
 今もまだ鏡を磨くその人は
 母方の大叔父だった
 茶摘みが好きな
 ハモニカの上手が
 無口な夏の
 終わらぬ波の狭間へ
 時の流 ....
氷の季節には回虫も動きを止めていた
突然太陽が暴れだしたのでリンコ/僕は逆らうことを諦めた

ゆるせないのは涼しい顔をして腹の虫を肥らせていること
弱虫と見せかけて強い者には抵抗し、さらに ....
 ふしあわせ というものが
 とくに こころ美しく
 あたまのするどい ひとに
 みいる のでしょうか

 はんぶん いろづいた林檎の
 つめたい甘酸っぱさを
 あなたは こころ ....
砂を、食べている
無限に広がる
砂漠で

時々蜘蛛を、見つける
その、内臓も食べる。

そうして今日も
照りつける太陽に焼かれて
流れ出る汗と熱に

揺れる視界に
方向感覚 ....
国道沿いの店が
またひとつ閉まるらしい

馴染みの店ではないから
暮らしに困ったりはしないが
こみ上げてくるのは
素直な寂しさだ

どうすることも出来ない
寂しさだ

こ ....
汗が目をつたい
塩辛さが痛い
草は水を失い
根無し草を被っている

ミンミンゼミは狂い鳴き
一日のはじまりから終わりまで
命の終末まで生を主張する


夏は終わろうとしていた
 ....
砂粒がかがやくと
水際はふたたび沈んだ
土用の波が音をたてて崩れる
台風前の静けさが
妖しい雲に包まれていた

あの賑わいは、
もうない
貸しボートも
焼きそばも
かき氷もやってい ....
本田憲嵩さんのおすすめリスト(2182)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
しえすた- soft_machine自由詩13*23-9-10
風景の終わりに- たもつ自由詩1123-9-10
雨が用意されている- ちぇりこ ...自由詩1823-9-6
眠る街- ryinx自由詩16*23-9-6
誤記振りの根性- アラガイ ...自由詩7*23-9-5
フロウ- たもつ自由詩723-9-5
帰り道- wc自由詩12*23-9-4
やじろべえ- アラガイ ...自由詩15*23-9-4
陽の埋葬- 田中宏輔自由詩13*23-9-4
詩情の薫りご飯- atsuchan69自由詩7*23-9-4
夾竹桃の咲く街- 久遠恭子自由詩6*23-9-3
青桐- リリー自由詩5*23-9-3
起きてまた寝る- 空丸自由詩1223-9-1
夜勤- たもつ自由詩10*23-8-31
入道雲- wc自由詩16*23-8-30
哀しみを司るたとえ- soft_machine自由詩13*23-8-30
秋のベランダに谺する- soft_machine自由詩7*23-8-29
渡り鳥- たもつ自由詩7*23-8-28
人間開花- ミナト ...自由詩223-8-27
シマウマに乗って宇宙へ行く- atsuchan69自由詩12+*23-8-26
名もなき花- 久遠恭子自由詩13*23-8-21
故人を偲ぶ- 短角牛自由詩123-8-20
ほしをみていた- wc自由詩523-8-20
十九- soft_machine自由詩11*23-8-19
イカリンコのうた- アラガイ ...自由詩9+*23-8-18
みずうみ- リリー自由詩15*23-8-18
砂漠(草稿_II)- ryinx自由詩14*23-8-18
様変わり- 千波 一 ...自由詩423-8-17
晩夏- 山人自由詩12*23-8-16
終わらない夏休み- atsuchan69自由詩8*23-8-16

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