死んでも旬でいるために
生はどんよくに波をかく
波うつことで脈ありと
信じていけるその日まで
脈動はきざまれた
きざまれてわかたれた
脈動はわかたれた
わかたれてきざまれた
わたしとあ ....
 その子の瞳に
 歪な丸さの ヒが躍る
 画用紙の真ん中で
 赤み帯びた鮮やかなオレンジは
 吠えたける

 甘い香りも
 緑の葉蔭も
 棘のある茎も
 パレットに襲って来る溶岩 ....
大きく裂けた口のある白い顔で笑い
煌びやかな衣を纏った記号が宙を行き交う
吊るされた語彙は真夜中の死体のように重く
暗い羅列が濁点だらけの股間にあった

大好きなキミの瞳を輝かせたいから、
 ....
渓谷の明日は晴れのち曇り
毎週土曜日は4700尾のヤマメと720尾のイワナが放流される

梅雨の中の貴重な天気で釣り人が我も我もと集まって
養殖の魚は警戒心に疎くて入れ食いになる
週末だけで ....
いまひとつ燭光が足らんのじゃないか
どれくらいと返事の代わりに訊かれ
冷めた皮膚が
透ける
はらり

吹き消してもっと
ください言ってトランク潰し倒れ臥し
吸いつくす限り
風に焼けた ....
欲が出て限が無いが
放てば
満ちる
と思い
自分をなぐさめる



不安がわいて限が無いが
放てば
満ちる
と思い
自分をなぐさめる



限が無いことばかりだが
 ....
頭上から日々がのんべんだらりと垂れてきて
道の上に寝そべるので
そいつをよけながら歩いた
ところが日々は うねうねと気持ち悪い動きで
こちらの脚にまとわりつこうとするので転びそうになる
俺は ....
一秒ずつ古くなっていく
と同時に新しくなっていく私
自らの光に
自らの闇を
照らされて
疲労と孤独と多忙さの中で日々は疾走していた
緑は際限なくもくもくと広がって
入道雲まで連れてきていた
今年はじめての雷雨の後の静けさは
次第に夕暮れを連れて
切れ長の目尻のようにあたりを ....
この世にやってきて
三ヶ月ほど経った赤ちゃん
乳しか飲んでいないのに
ぷくぷくと太った哺乳類
腕に輪ゴムをはめたようなくびれが出来ている
そこに分け入ると
赤ちゃんはわたぼこりを隠していた ....
 
 帰宅すると腕時計を外した私の足許にも
 転がっている ビー玉
 それらを這いつくばって拾い集める

 テーブルには星砂の砂時計
 昼も夜も
 理性という小瓶に詰めたはずの
 今日 ....
幼い頃から私は
ガラクタ集めが趣味の父に連れられ
世界中を回った
楽しいことなんてなかった
とは言えないけど
概ねひどい生活だった

カステポー空港からバスを乗り継ぎ
見覚えのない ....
 
 よく冷えた琥珀のワイン
 オイルサーディンで作った
 新玉ねぎとトマトのサラダをつまみながら
 扇風機で乾かす洗い髪

 遅い梅雨の訪れ
 濃すぎる緑の広さ
 軽い頭痛におそわれ ....
なんてことない夜に
マンガみたいなことないかな
おもしろいことないかな とか

ああ。今がそこまでおもしろくないんだ、と
面白かったときを一瞬
思いだして反射する
もう落ち葉みたいに
 ....
誰かが別れた時
何かが壊れた時

星が砕けて
ただの石になる

あの時
もっと素直に話せたら
こんな風にはならなかった

後悔はいつも
皿の上からはみ出して
僕の口を汚すんだ
 ....
旅立ちの朝
部屋が狭く感じる
キッチンテーブルに朝食
元気でね。仕事に行ってきます。と
母の書き置き
父の形見のシビックで裏通りを抜け
橋を渡り街を出る

ロサリオパークに車を停め ....
挙動不審でも怯えていたわけでもない
ただ少しだけ、自分自身から離脱したような感覚があっただけだ

道を歩いていたら、おばさんに声をかけられた、どこの方?
僕は、なぜ、人に声をかけられると、妙に ....
 行っても何もないだろうと考え
 また海に来た
 あかるい水平線が拡がって見えたが
 写真を一枚も撮らなかった
 そんな今の、何もない自分

 疾駆するボートに繋がれたロープが
 人の群 ....
あんなに永遠だった花も
過ぎてしまえば永遠でなくなる

嘘みたいだ
今までを永遠と呼ぶこと

永遠が終わり
実存の穴埋めが始まる

埋まらないまま時が流れる
その間も日々の生活があ ....
初夏の風に吹かれて
ぼくは睡魔に襲われた

李白と盃を交わし
{ルビ白酒=ぱいちゅう}を底まで飲んだ
青い瞳の舞姫は{ルビ胡旋舞=こせんぶ}を踊り
宴は興を増してゆく
李白は酔えば酔うほ ....
彼には、入れ墨があった。
革ジャンの下に無地の白いTシャツ。
ぼくを見るな。
ぼくじゃだめだと思った。
若いコなら、ほかにもいる。
ぼくはブサイクだから。
でも、彼は、ぼくを選んだ。 ....
 何故でしょうね
 掌の上で独楽が、止まっているように回って
 視線をさらいますけど、波のめくれや
 バケツの蟹の回転はどことなく
 記憶に繋がっているように眺めています

 流しの栓を抜 ....
土留色のナイショが蠢いている
秘めごとを沢山食べて大きくなった
巨大な海鼠にも似たナイショが床を這う
ナイショの匂いは潮風のようだった

こんなに丸々と育ってしまったら
きっといつかバレて ....
 百合の木の茂る蔭
 煤けた石畳で
 黄緑色した小さな毛虫に
 小型のキイロスズメバチがのしかかっている

 目に飛び込んできた
 両者のカラダの彩は暗がりから浮き上がって
 もだえる毛 ....
もう二度と会えないあの人に
もう一度会えるなんて
これはきっと神様の悪戯ね
神様は私に泣いてほしいのかしら
それとも…
光る風に戦ぐ影を
みつめる
君は
遠い心音に
魂を澄ます

 ※ 戦ぐ=そよぐ



迷子の魂を
導いてくれる
君の円らな瞳は
深く澄んで
宙を宿す
1.
ゆがくように陽光が照り付ける昼過ぎに、私は横断歩道を渡っていた。
暑さで揺れ動くのが自分か、世界か、あるいは陽炎か分からなくなった頃。
コンクリートは融解して水になり
全身から流れる汗は ....
 麦焼酎のロックに檸檬を絞れば
 金粉になって
 グラスの底に沈んでいく
 センチメンタルな別れのことば

 振りはらおうと
 あがいている姿が
 やはり
 黄色くなった泉をのぞい ....
みんな手榴弾とか機関銃とかカゴの中から探し選んで学校の校庭に飛び出して行く


そこから戦争が始まるわけだけどみんなあっちこっちでやるもんだから怪我とか大変なんだ。


腕に包帯とか脚の代 ....
水の上に花が咲いている
花の姿が水にゆらめいている

それをながめながら
   幾重にも愛を囁きながら
   幾重にも別れにふるえているような
   このひとときに

   いちばん告 ....
本田憲嵩さんのおすすめリスト(1814)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
死んでも旬でいるために- 菊西 夕 ...自由詩6*24-6-22
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夏(緑物語)- 山人自由詩9*24-6-20
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きらきらひかる- リリー自由詩6*24-6-20
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安らぎの坂道- 陽向(2 ...自由詩824-6-17
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ピークアウト- mmnkt自由詩624-6-16
【夢の欠片】午睡- レタス自由詩6*24-6-16
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【映画「シン・ウルトラマン」と_米津玄師さんと_みんなへ_五 ...- こしごえ自由詩4*24-6-15
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水_鏡- 塔野夏子自由詩9*24-6-9

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