きみに死んだ弟をあげるよ。
もうじき死ぬんだ。

そしたら{ルビ暴=ほたえ}たりしないからね。
もう駄々をこねたりなんかしないからね。

手間のかかんない
とってもいい子になるんだ。
 ....
                     月に葉隠れとはいうけれど
      そぞろ虫の影におびえる酩酊者 

道端で眠る小地蔵が倒れて 
 まだ青い無花果の実が零れ落ちている 

 ....
句読点をつけずに
日々を綴る

嘘をトリミングして
真を気取る

可愛い思い込みを
行間に吹き込む

縦に横に伸びていく
この文字列を何て呼んだらいいんですか?

私は
 ....
卒業式より入学式
きっとそのほうが近い

おわかれが悲しいより
ちょっとどうなっていくのかなって
そわそわ、未知の道
ようこそと迎え入れる
手の花束を渡って

そこはしばしの ....
もう起きるのか
朝から騒がしい 春と冬がもめている
どちらも「まだだ」と言い張っている
冬眠していた生き物も目覚めが悪い
始発の電車はすいていた
ゆっくり座席に座り
眠気の中で私の中のあた ....
今朝の音楽は短調ではなく長調が似合った
何時もの苦い珈琲が何故か甘く
正確なメトロノームが響きあって
ぼくたちに奇跡の扉は開いた

あまりにも透明な
薄く虹色に染まったシャボン玉

誰 ....
冨の神を崇める教義では、
あなたの身体と魂は誰よりも清く
その清い身体のために、
毎朝オレンジジュースを飲む

また、あなたの美貌のために
幼い夢を祭壇で屠り、鮮血を啜る

既に世界は ....
 これは季節感のない冷蔵庫
   一定の地位を占めるドライフルーツは罪なのであります

森の中で目覚めたまま立ちつくす僕のハムストリング
                          ....
ごめん下さい 駅員さん
―はい

文化の中心へはどう行ったらよいですか
―難しいですよね 教えますよ

助かりました 簡単だったのです、少し前まで
あのあたりに住んでいたころはよかった  ....
それはこれのパクリやんて続けたら
いつのまにか独り

パクリでもすがりつきたい
みかづきのはじ

新月になれば落下する

不時着し
さがしもとめた
蜃気楼から
かきならせさけべ
 ....
唯一の存在証明が
自称詩だなんて
そんな悲しい
そんな悲しいことってあるかいっ!
ウンコすることに
存在意義があるって
言ってるのと同じなんだぜ

もう止めようぜ、自称詩人
自称詩一 ....
珍しい、わたしたち
口腔の匂いをさせながら
風の端っこ
挨拶をする
水平線の輪郭を越えて
乾燥した皮膚の入口と
遊園地の車線変更
家族のことになると
嘘をつく癖が
わたしたち ....
食べ過ぎて気持ち悪いのに
さらに胃に詰め込む
なんなんだろう

空っぽなのは消化器じゃない
もっと別のどこかにあると
解ってはいるのに

抜けるほど青い空の下で
窮屈に歩く
私を閉 ....
ウププププ。
「あなた、サツマイモのにおいがするわ。
 それも生のね。
 けっして焼きイモじゃないわ。」
恋人のドリーム・スネークが
どもりながら反論する。
「き、きみだって。」
「 ....
すっかり変わってしまった

十年前とも
二十年前とも

百年前とは
何も変わっていないかも
どうやらひとつの
物語を生きるらしい

月、日、星
月、日、星

二度と会えないこ ....
海硝子が集まる潮溜りがあるんだ
陽射をまといやわらかにおし寄せる汀
ひっくり返ったヨットを数え
貝殻なんかひろっていると
不意に気が遠ざかる

雨になれば走れなくなる白い電車が
通う島に ....
いまだに風は
冬を吹聴していくが

すでに光は
春を祝福している

押し黙る蕾は
華やかな企みを内に秘め

気象予報士を惑わせながらも
季節は巡ろうとしている

代り映えの ....
久しぶりに洗車する
マスカラが涙で落ちたような数本の薄汚れが
泡とともにコンクリートへ流れていった
この数日
見て見ぬふりをしていたものに決着をつけてほっとする
助手席に乗せた犬は真顔で少し ....
雨が降る、十二時の長針の上
赤い流星と黄色の音符
ふたつの意思が結婚式を挙げる
白い祝日は
透き通る幽霊たちの歌で始まる

今日はウツボカズラの休日
塞がっていた穴の開く朝
べこべこな ....
 まやは水草の満ちる夕暮れでも
 草原しかなかった過去のように
 かたわらの湖をみつめる

 修理費のいらない世界だから
 ただ自然に流れていく世界だから
 森の陰でその光景をそっと見つめ ....
尻の曲線に墜落した
堕ちたのは、
きっと酒のせいだ
窪みから下腹部を抜けて
波打つサテンのシーツを泳ぐ

女の夜は満天の星空で
凍った涙のように美しかった

柔らかな乳房の谷間で
 ....
 背中押してもらって
 もっと もっと、スニーカーのつま先が
 お空に近くなる
 ブランコ

 いつからだろう?

 ブランコ漕いで
 軽い眩暈の様な気分の悪さを
 感じてしまうよう ....
 コリコリの農家の子として生まれたカタコランは、
九才の時に神の声を耳にし、全知全能の神カタコリの
前ではみな平等であると説いた。布教は、カタコラン
の生誕地コリコリではじめられ、農家で働く年寄 ....
 ゆれる



場末のカウンターで一杯
曲と曲の合間の
エアポケットに燻ぶれ
ゆれる
ミュートしなよと
いつまで生きてゆくのさと

ゆれる

昼風呂にも様々な内外の境はあって ....
 はかり知れない
 暗黒の 宙に
 君は浮かび

 その彼方から
 確かにとどく君の
 燦めく 言霊
 
 それは時に
  のんびり夢みる浪の音
 それは時に
   欣び甘える涼 ....
仮面をつけた憂愁が舞う
着飾った歌姫と水鳥たちは歌い、
色とりどりの声を散らして
哀しみの浮かぶ透明な空を渡る

広場では巨大なパエリアが炊かれ
裸の犬と子供、朱や紫の女にふるまわれた
 ....
闇のなかへ祈りをポンと放り込む
どこか奥のほうでぱしゃん、と水の音がする

跳ね返ってくるかすかな水音が
応えなのだろう
それを紐解いたりはしないけど


冷える夜に丸くなって眠る
 ....
姿見池には
何も映らない 別名は影見池

梅と詩文を愛惜したひとが
西へ行く路
水鏡を覗き
月に宛てて歌を呟いた

古代の風景は
異国のお伽話よりもわからない

ありもしない罪に ....
鞄の中には
ひと握りの青空と
昨日捕まえた飛行機
微かなその羽音
生きていく毎日の走り書きは
遺言のように積み上がって
夏、という言葉だけが
いつまでも
うまく書けなかった
 ....
日正規雇用
時給いくら、日給いくらの
疲正規雇用
乙かれ、乙欄〇
避正規雇用
壊れた椅子の脚を支えて何年
飛正規雇用
支払調書で凧揚げ、向い風
秘正規雇用
メンバーではない、知ってた ....
本田憲嵩さんのおすすめリスト(2182)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
絵日記。- 田中宏輔自由詩13*24-2-18
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虹色の結晶- レタス自由詩10*24-2-14
サクリファイス- atsuchan69自由詩17*24-2-14
WAKE.UP.TO悪夢- アラガイ ...自由詩11*24-2-14
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- wc自由詩11*24-2-13
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石で出来た卵- まーつん自由詩424-2-12
小さなエイ、ポーラが笑う。- 田中宏輔自由詩9*24-2-12
ものがたり- やまうち ...自由詩224-2-11
うみべのいのり- soft_machine自由詩11*24-2-10
二月十日土曜日- 夏井椋也自由詩10*24-2-10
助手席に犬を乗せる- そらの珊 ...自由詩9*24-2-10
二重線- トビラ自由詩4*24-2-7
memo.02- ryinx自由詩924-2-7
天国- atsuchan69自由詩17*24-2-7
あかね雲- リリー自由詩9*24-2-6
カタコラン教の発生とその発展。- 田中宏輔自由詩13*24-2-5
ゆれる- soft_machine自由詩524-2-4
春愁- リリー自由詩7+*24-2-4
カーニバル- atsuchan69自由詩10*24-2-4
まどろみ- 凍湖自由詩824-2-3
姿見池- 形代 律自由詩5*24-2-3
走り書き- たもつ自由詩624-2-3
否、正規雇用- 松岡宮自由詩6+*24-2-2

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