あくびで一度とぎれた
ぼんやりとした想像が
ふたたび春らしい匂いをおび
洗われるまま
はなびらとして降る

爪先から土深く送り帰す
耳に触れる波を渡り
押し殺した時間を還す
語感で変 ....
1
目覚めた時に
あるはずの枕元が
きみの鎖骨の中で
蒸発していた
(そういえば
(春をしまい忘れてたんだっけ

2
全ての
歩行者信号が
赤になっている
雨の季節の始まり
 ....
 会社では広大な敷地内を 車と自転車が往来する。
 歩行者には「さわやかあいさつ通り」と名称される
 アーケードの歩道が設けられている。

 東の正門で守衛室に社員証を提示しても
 配属先の ....
退院したら ご近所さんから苺をもらったの

毒々しいほど熟して 濃い赤色の甘いやつ

それはとても幸せで 嬉しい出来事


でもね もう貴方もいないし 

一人で2箱はしんどいね(笑 ....
ああでもない
こうでもないと
よく悩むわ

暇だからじゃないの?
と、姪

生意気に言うな
と、わたし

だってほら
悩むのが
趣味と かしてるからさ
いま
そこ つか ....
出会う前のあなたも好きとか
別れて十何年経っても好きとか
連続体というだけの他人を愛そうとする
汚れた水中眼鏡
満員のバスに
押し込める体の
内側で
すこし壊れるたましひ、
これは本当に
きみに抱かれるのと同じ
体か
曇る眼鏡
街を打つ、
倫理的ではない雨
知らない人の手が
ピアスを掠めて ....
日が差した日傘した
木に貸した機逃した
目を閉じた夫婦した
絵が推した笑顔した
便所の落書きが
動く時代になった

便所の落書きを
信じる時代になった

確かに便所は清潔になったが
排泄する所には変わりはない
人はミミズとは違うので
きれいなウンチを出せないのに ....
四月は斑に
私を蝕する
陰鬱な雨と
あまりにもかろやかにあかるい陽射しと

半透明の眩暈に
浸されながら

{ルビ通草=あけび}が咲く藤が咲く
咲くものは数多あり
夢みるものも ま ....
もとからどこにも取り付いてなかった象嵌の螺子ですから
其の内ルリタテハの瞳は羽化していくのを
襤褸が出た躰で憶えている
深層で春を装う球体関節人形の御伽噺

ばっかみたいだって、
靴飛ばし ....
使用済みパンティ愛好者も
加えて欲しいと
前から主張しているが
一向にその気配がない
マイノリティの中のマイノリティだからか
そうだとしたら本末転倒もいいとこだ
彼らは
いつ自分が団地の ....
 自宅でお留守番するウサギは
 あちこち破れたからだを丁寧に縫い繕われた
 ぬいぐるみ

 社員食堂で晩ご飯を済ませ帰宅する暗い空間
 蛍光灯が点くとよろこぶウサギに
 ただいま を言 ....
雨の音が聞こえる
少し不規則なドラムみたいで
何かに合わせるつもりがない
そんな所が私と似ている

程々に働いて
たまに遊びに出掛けても
ひとりの時間が好きだから
返事のないものばかり ....
俺はコマのついた電話ボックスの中に閉じ込められて、
コマが転がる分しか進めず、
人と話そうにも伝わらず、
電話しようにも小銭がない。
わたしはとびうおだったので
まばたきもしなければ
泣きもしないし
空腹のために蹲ったりもしない
愛のために飛んだりしない
跳ねて すべりおちる
生きることだけをする
そして ぜったい ....
硝子細工の汚れが気になって仕方が無いが触れると壊してしまいそうな気がして手を出せないままでいる、世界は今日もそんな類の平穏で満ちていた、十五年は前の歌ばかりうたいながらシンクに転がっていた皿を片付 .... 空へと続く道の
純粋な絵かき歌は
世間の下でもがく
僕ら何もかも分かったふりをして
分からないふりをする様に
成ってしまった
あの日の声は輝いていたのかと
つまらない顔をして
冗談のよ ....
横断歩道の上の白線は
決して真っ白であったためしがありません。
必ず、幾多の轍が、靴の踏み跡が刻印されています。
もしも、真っ白な白線がひかれていたなら
ぼくは、その上を這って渡りましょ ....
殺したい
殺したい
殺したいと右手が唸り
思い切り壁を殴りつける
ふりをして ほんのあと1センチで止める
この細胞の残酷さ
眼差しはボクサー
棒切れのような身体からあふれ出す狂気
頭の ....
 二人 行きつけの飲み屋では
 入口から一番奥まったカウンター席
 三杯目のグラスを掴み取り
 頬張った氷ひとつ
 噛み砕く彼女
 
 大腿骨を一度骨折してから足腰が弱り
 本人は自覚を ....
小雨/降り出しそうにみえては降らない
安穏とした曇り空にはテレビをニュース番組に切り替える
何か重大な事件でも起きてるんじゃないかと
僕の煩悩に燻る炎に油脂を注ぐのだ
そんなときには夜の街 ....
自称詩を自薦で募ったら
山ほど送られてきて
中にはエラく長い自称詩も
あったりして
ほんと、コイツら図々しい奴らだな
読む方の身にもなりやがれと
徐々に怒りがこみ上げて来ている
こんなこ ....
チンポコが大きい人は
自称詩人にはならない

チンポコが大きい人は
自分に自信があるから
銭湯でも堂々として
さあ、ご覧あれ!とばかりに
ぶらんぶらん見せびらかすが
自分に自信のない
 ....
読み捨ての週刊誌が
雨でふくらんだり
網棚でそっと一日を終える

ベランダ
虹のかかった雲
iPodでプラグインしてコード
不安定に揺れて

ブランコ
高層マンション
スプレー缶 ....
人生が ぽつねん 立っている
カエルが キーキー鳴いて
そうして 朝の間際 僕も泣いていたのでした

運命が純白の手を 僕にふるから
僕は さむざむ と泣いているのでした
ふわふわ 青 ....
 真四角の建物の谷間
 冷たい雨が、
 寄り所ないコンクリートの壁に爪を立てて
 のぼり始める
 赤く黒く
 その身をやき尽くそうとして
 一足一足いらだたしげに登り始める
 
 どこ ....
          - impromptu


 風の{ルビ惑星=ほし}の午後 


                不意の凪 


 スケルトンコーストに{ルビ一滴=ひとつぶ}の  ....
 幾つものブイが並び浮かんだ沖合、幾つものカラフルなパラソルが立ち並んだ岸辺。その中間に、畳二枚ほどの広さの休憩台がある。金属パイプの支柱に、木でできた幾枚もの細長い板を張って造られた空間。その空間の ....  歎くべきだっただろうか

 みずいろの空が
 私の上に落ちかかって来るのを感じた時
 心は
 果のない
 重量感のない
 依リ所のない
 空の中に巻きこまれて
 小さなわたしが
 ....
本田憲嵩さんのおすすめリスト(1814)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
まだ春- soft_machine自由詩5*23-4-30
窓枠のとれかかった朝/帰結する額縁- ちぇりこ ...自由詩823-4-30
朝の月- リリー自由詩10*23-4-30
やさしさのかたち- 短角牛自由詩6*23-4-30
いま_たけなわ- ルルカ自由詩4*23-4-30
辻褄合わせ- mizunomadoka自由詩623-4-30
trace- 完備 ver.2自由詩423-4-29
下が上舌が飢え従うへ詩違う餌- 水宮うみ自由詩7*23-4-29
動く便所の落書き- イオン自由詩1*23-4-29
四月蝕- 塔野夏子自由詩3*23-4-29
四方山話- あらい自由詩3*23-4-28
LGBTP- 花形新次自由詩123-4-28
竹林- リリー自由詩9*23-4-28
chill- ミナト ...自由詩423-4-28
コマ付きの電話ボックス- 奥畑 梨 ...自由詩123-4-28
とびうお- はるな自由詩1323-4-27
狙いをつけるのは銃弾の役目じゃない- ホロウ・ ...自由詩3*23-4-24
あの日の絵かき歌- 陽向(2 ...自由詩5*23-4-24
白線。- 田中宏輔自由詩13*23-4-24
anger- れつら自由詩3*23-4-23
水割り- リリー自由詩5*23-4-22
溜息橋- アラガイ ...自由詩10*23-4-21
現代自称詩カンファレンス2周年記念祭3- 花形新次自由詩223-4-20
チンポコと自称詩人- 花形新次自由詩223-4-20
読み捨ての週刊誌が- モリマサ ...自由詩223-4-19
夜です- 家畜人自由詩523-4-18
五月雨- リリー自由詩3*23-4-18
EMAK-BAKIA- 墨晶自由詩3*23-4-17
反射光。- 田中宏輔自由詩14*23-4-17
春雨- リリー自由詩9*23-4-16

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