星が降る夜もある
傘をさして歩いたら
星の熱でビニールが解けた
海にポタポタ落ちるたび
じゅうじゅう煙を上げている

雹もぼたぼた降ってきて
拾いあげて見てみたら
氷の球の真ん中に
 ....
きつねうどんのお揚げさん
お布団にしたら
甘くてええ夢見れそう

熱すぎないように
ぼどよく冷まして

お支度 お支度。


そんな 
ええ夢を見た

久しぶりに
良く寝た ....
まるで息継ぎみたいなすきま、だね。隙間。わざとあ
けた空白に差し込まれてゆく紙きれを、わたしがひら
けるから埋まってしまうこと、見ないふりしている。
余分なもので密度がたかまり、満ち足りているよ ....
野球の音が聴こえる
野球をする音が聴こえてくる
誰もがみんな
胸の中に野球を飼っている
整備の行き届いた市営グラウンドから
夏草の生い茂る河川敷まで
球足の早いゴロが一 二塁間を
抜け ....
こわれものでもなかった
なつかしいひびでもなかった
唯水底に漂う叩きつける雫の聲にぬかづく

夏 雲 奇 峰

熒惑星を薄群青の 
きみのひとみで僕も殺して
生成りの砂地に帰(かえ)す ....
目も悪くはないのに、
しじみ汁をすすった。
みんなきれいに殻を開いていた。
身をすばぶっては、
殻を空の小皿に捨てる。
最後に残った貝は殻が閉じていた。
そうか、お前は先様だったの ....
金属の地平を見晴らす月面
静かな夜は
一群の艸を吹き曝す
涼やかな風として
球形の地に立つ私が
真新しい建築を眺めている

水槽を泳ぐ小さな鯨は
嬰児のように清潔であるから
クレータ ....
おさなごも仔犬も猫もみな眠る
夜明けまえのしずけさのなか
辞書にのっていないことばで
この世界に祝福をあたえる

冷蔵庫の扉をひらくと
星のない夜の焚火みたいに
ささやかな光がキッチンに ....
 あなたの胸は広い
 悲しさと 悩みにひしがれていても 
 あなたの顔をみると
 何も言わない内にふと軽くなるのだ

 わたしの心は小さい
 豊かに 楽しい時でも
 あなたの顔に ....
{引用=まなざし}
鉄鋼団地公園の横
線路に突き当たる一本路で車を止めた
遠く路幅いっぱいに電車が駆け抜ける
一枚の幕 昔の映画のフィルムみたいに

時間について考えた
わたしは今という ....
職場がホワイトすぎて
霧の中にいるみたいなんです
ここまででいいからと
最後まで任せてもらえなくて
この霧が晴れるのかどうか
わからなくて怖いんです

大切にされてはいるけど
信用され ....
人魚の名前が アリエルだとしたら
膿ばかり見てきた こんなアリエルも 有り得る
膿には 国境はない 
膿には清濁も いっしょくたん
わけることのない暗い世界で
大波小波 ちぢにみだれ ....
天井が透けないまま
朝が来るのだとしたら
それは夢を見ていないからだ

こうしたい
あぁなりたい

頭から漏れる息は
軽いのに
最後まで昇り切れずに
目玉焼きの白身になったりする
 ....
裏路地、提携する眼
蔓延る窓
分裂する窓
その狭間で女は窓を拭き続ける
手にしたウエスは適度な温度を保ち
それはまた彼女の無口だった

無口の中には一人の海がいる
私と私たちは ....
生まれ変わって、小さくなって、街でかわいい服を少しだけ買って、少しだけ仕事して、たまごボーロ分け合って食べて、少しだけの恋愛があって、少しだけ争いと仲直りがあって、春が来て夏が来て春が来て冬が .... 空になりなくて

なりたくて なりたくて

ひたすらに 青い空に

青くて 青くて

青くて 青くて

青いことで とやかく言われない

空になりたくて
アガパンサスの揺れる向こうから
夏の旋律がこぼれはじめる
空の青と光の白が
みるみるそのまばゆさを増してゆく
そこに君が居た
そのなつかしさは残酷なほどあざやかだけれど
でもそこはもう
 ....
 よい父は、死んだ父だけだ。これが最初の言葉であった。父の死に顔に触れ、わたしの指が読んだ、死んだ父の最初の言葉であった。息を引き取ってしばらくすると、顔面に点字が浮かび上がる。それは、父方の一族に特 .... 夜の風
びゅうびゅうと吹いている
公園でお茶

遠い空に
花火
しばらくして
ドドーン

身体の力が抜けて
この感じ

少し眠たく
次の花火を待っている

遠い空に
花 ....
   白い漆喰が
   薄く、褪せて
   遠くの
   {ルビ草原=くさはら}で

   掛ける
    言葉があれば
   ひとつの
   声を

    一本の 煙草 ....
クルマは
オートマティックに進化した
運転能力のハードルが低くなると
免許が必要な危険な物を
動かしているという意識も下がった
運転がヒマだからと
画面をチラ見しながらクルマを操る
人の ....
 最期を迎えるならば

 例えば
 深い深い夜
 病室のベッドに居て
 国道一号線走る運送屋の
 大型トラックの音に
 ただ耳を傾ける事の出来る
 そんな自分でありたいのかもしれない
 ....
雨の気配を感じて手のひらを空へ差し出す

つるりとして
なだらかな
わたしの丘に
今日の雨粒が流れたら
くぼ地の枯れた水路が
一瞬よみがえる
かつて
そこへ流して遊んだ
笹の葉や
 ....
両面テープの夏
順番が赤ちゃんの指のように
そのままの柔らかさで並ぶ
あなたは何事もなかったかのように
テープを剥し続けている
食べたい冷やし中華に置かれた
名前の無い名札
息の仕方だけ ....
 あの……おれ、夢見るんですよね、海の。ときどき夢のなかに海がでてきて、おれはサーフィンやってるんです。でっかい波にのってると、そのままヒューッて空に飛んでっちゃったり……あと……パイプ・ラインのなか .... 日曜日の夕方
猛暑です
私がどこで何をしていても
ここは猛暑です

この世に参加して随分経ちました
参加賞を貰いましたか
まだですか
もうぼろぼろですがいつもポケットに入れています
 ....
明日はなにをしようかな

そうだ、
生きよう

誰でもなくていい
幸せでなくたって

季節の風が吹いている
部屋の中に集落ができた
小さな集落だった
本家、という男の人が話にきて
畑で採れた作物を
いくつかくれた
学校が無くて困っている
というので、近所の小中学校と
市役所の場所を教え ....
夏の夜空に
打ち上げられた花火を
僕の車輪にして

遠く離れた
君のいる場所まで
漕いで行く

群青の草原を
駆けて足りるなら
炎の縁に
君を飾りたい

花火が街を照らす間に ....
君は丸いうさぎ
丸うさ

タヌキみたいでかわいいよって
いっちゃったけど
タヌキを目指すのは違うんだ

お腹を叩いたり
ちょうど良い葉っぱを探したり

キツネに会っても
勝負しち ....
本田憲嵩さんのおすすめリスト(1814)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
星が降る- 木屋 亞 ...自由詩3*23-7-28
コーン_コーン- 日朗歩野自由詩5*23-7-28
透過の詩- 白線自由詩323-7-28
野球- ちぇりこ ...自由詩14*23-7-27
- あらい自由詩223-7-26
しじみ汁- ナンモナ ...自由詩5*23-7-26
電脳と歩行- 医ヰ嶋蠱 ...自由詩223-7-25
羊飼いの夜- 大覚アキ ...自由詩423-7-25
あなたに- リリー自由詩5*23-7-23
惚けの呪法- ただのみ ...自由詩5*23-7-23
ホワイトアウト企業- イオン自由詩1*23-7-22
こんなアリエルも有り得る- るるりら自由詩9*23-7-21
spring_and_fall- ミナト ...自由詩323-7-19
裏路地- たもつ自由詩7*23-7-19
プーチン来世- 片野晃司自由詩11+23-7-18
空になりたくて- 短角牛自由詩5*23-7-17
めぐり来る夏- 塔野夏子自由詩5*23-7-17
陽の埋葬- 田中宏輔自由詩10*23-7-17
夏の夜に- 日朗歩野自由詩10*23-7-16
郵便配達夫- ryinx自由詩6*23-7-15
オートマティックに潰される- イオン自由詩3*23-7-15
最期をむかえるならば- リリー自由詩8*23-7-15
手のひらの丘- そらの珊 ...自由詩19*23-7-12
冷やし中華、始めても- たもつ自由詩12*23-7-12
陽の埋葬- 田中宏輔自由詩14*23-7-10
日曜日の夕方- 空丸自由詩1523-7-9
明るい日- やまうち ...自由詩5*23-7-9
集落- たもつ自由詩23*23-7-9
車輪の詩- ミナト ...自由詩6*23-7-5
丸うさ- 日朗歩野自由詩7*23-7-5

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