Mmmmm.
Whip!
Mmmmm.
Whip!
子よ、
(創世記二七・八)
わが子よ、蜜を食べよ、
(箴言二四・一三)
tuum est.
....
詩をさがしても必シになることはない
糸をたらして蜘蛛のようにおりてくる
視点と蜘蛛の交差点の上に支点がある
蜘蛛を息でゆらしても支点はぶれない
背と腹を交互にむけながらまわる蜘蛛
あたか ....
部屋に椅子がある
隣に体育座りをした母がある
雲が青さを通り越して
手をとり椅子に導く、空は久しぶりね
玄関に並んだ靴
妻は夕食を作り、息子はトミカに夢中
1のつぎの靴 ....
詩を忘れ始めることで
支度を始める
長い冬に備え、委ねる先を探す
靴は有り合わせでいいか
上着は派手過ぎないか
待つ人はいるか
誰か先に行かないか
詩を忘れ始めたら
お腹いっぱ ....
笑っているの?
橋に見えるもののところで
食べているの?
空に見えるもののところで
ぜんぶ君のまぼろしだから
ぜんぶ人のまぼろしだから
強く洗わないで
ふるえる箱から覗く 両眼を ....
どの恋人だったか
アヲハタのサイトがかわいいと
ポインタ空に漂わせ
無心にクリックしたあの頃
やり直せないかな
目が覚めて
自分を嫌いになるまでの
ほんのわずかな時間帯を
まき戻せ ....
あまりにも
自分の呼吸が穏やかなものでしたから
なんだか
生きてるのか死んでるのかさえもわからなくなりまして
そうだ! と
パチンと手のひらを鳴らしながら
頭の裏側で埃被った宝箱をひっ ....
桁をひとつ増やして
みんなの注目を浴びて
正義のような気がしちゃって
愛されているような気がしちゃって
真理のような気がしちゃって
もう一桁増やして
みんなのことが疑わしくなって
正 ....
追い詰められた枝先で
黙り込んだまま
幾つかの季節を
背中を丸めて受け流した
独り言を蹴飛ばして歩いた冬と
味のない言葉を噛み続けた春と
溶けた爪先で帰ろうとした夏を越えて
束の ....
吐く息の白さで
秒針が溶けてしまいそうな朝
そうなったら
きっと今よりもゆっくりと
呼吸が出来るはず
窓の外を眺めながら
あなたのことを考えたり
意識だけなら
高く飛べるから
....
今日も やつれた神経が
のびのび している
僕のやつれ やせた感情が
のびのび鳴いている
あぁ、昔好きだったあの子は
いつも校舎の屋上から 空を見てたっけな
しずんで ....
あまりにも純粋で
故に{ルビ果敢=はか}なく捉えがたく
けれど
強く深く
轟きでもあり
静寂でもあり
満ちあふれ
けれど虚ろで
鋭く
けれどやわらかく
かぎりなく甘 ....
ちょっと悲しくなった
ちょっとだけだと思った
作りかけの粘土が乾かなくて
まだ柔らかいから
まだ自由
今なら行っておいでと
いくらでも言えるのに
何処へでも行っておいでと
どうして言っ ....
投函された手紙のような
つつましい
アメージンググレイスは
手紙それ自身が読まれるまで封をされ
言葉ありき、a、α
胎の中でなくしたまま産まれ
ここが家だと、わかる
教えてくれたもの、人 ....
イノチガ フト
オモタクテ
窓ヲ アケルト
ヒトツ フタツ ミッツ
カゾエテミタラ
ココロガ カルクナッタ
アカイノ
ホントニ アカイノ
イマニ コガラシガ ....
約束の時間にすこし遅れて
寂しさの続きのような場面が始まる
駅舎の街灯に羽虫が 丸く 集る
高架下 ラーメン屋に入る
やがて感情は数枚の貨幣に似てくる
....
({ルビ天=てん}{ルビ使=し}の、{ルビ骨=ほね}の、{ルビ化=か}{ルビ石=せき}、じつと、{ルビ坑道=かうだう}の、{ルビ天盤=てんばん}を、{ルビ見下=みお}ろして、ゐた、……)
({ル ....
お前と私の くされ縁
ペンとノートで膝つき合わせて
何の進歩がなくたって
へっちゃら
お前の いじの悪さを思う
私の頑固さを お前は笑い
諦めてしまえば
お空 ....
船場汁っちゅうのは
塩鯖のアラを使い、
その塩気と、
だしだけで食べるもんや
汁の具は鰭と目玉、
鯖の骨やらのアラのほかに
大根の薄切りをつかう
そんだけでもう十分やろ
板張り ....
ログインできません
思い出せない暗唱番号
思い出は走馬灯のように流れてくるけど
意味のない数字の羅列は浮かんでこない
味気ない数字をなにげなくならべてるだけ
....
それほど
私の愛は深くは無いので
終わらせてやることは出来ません。
ただ、魂のそばに在るだけ
それしか出来ません。
ああ何故だ
何故
と今は
のっぴきならないことを
問うのは止め ....
赤
夕空と海の混じり合うそのすきまに
すべり込むうみどりの影のさみしさ
赤い包みのキャンディーをポケットから取り出すと
口に入れる間もなく
風景に溶ける
橙
”ちかみちは ....
生きる事は
何かを誰かを
あやめる事
奪い奪われを
繰り返す事
それに疲れた人達は
ドレッシングだらけにしたり
クジラを守ったり
条件を出したりして
脱出を試みる
全てには ....
明るい空はとても気持ちよく
心は晴れ
今日も かわいい蛇がにょろにょろ
中庭の土の上 たわむれています
そこに さんっ と太陽が照っています
あぁ なんてのどかな ....
赤いウインナーに、
十字の切れ目を入れて
四本の足を作る
さらに一本づつ 内側から
四回、切れ目を入れて
八本の足を作る
油を引いたフライパンで
コロコロ炒めると
足が開いて蛸ちゃ ....
日の光の血痕
かさなった眼が ここにない
熱い空 道すじをかすれて
私たちの歌は時間の
壁の裏におちた
庭にいるのはだれか。 (エステル記六・四)
妹よ、来て、わたしと寝なさい。 (サムエル記下一三・一一)
箪笥を開けると、
──雨が降つてゐた。
眼を落とすと、 ....
#ながすぎる夢
たくさんためて
あらためて
新たなうたを
うたいます
あなたのために
無知な私の闇に
月がてらてら光っていて
青白い私の横顔の
青白い縁は冴えかえり
ひとつの魂
ふるふるとふるえ
人のこころも分からない
故に
人のこころを思うが
ふるふるふるえるばかり ....
倒したかったんじゃない 触れたかっただけ
侵したかったんじゃない 去りたかっただけ
避けたかったんじゃない通したかった
透けたかったのでもない助けたかった
思ったと思っても
ことばになる ....
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