そりゃ そんなに
連続していたら
どれか ひとつくらいは
密室殺人じゃない時だってあるわ

「相撲をとって
負けた方が
  真犯人な。」

と、言われ
対戦相手が
四股を 踏むか ....
ガラスの壁に、手が触れて、彼は見る、音もなく、蠢く、群衆を。一人一人に、足音はつかない。そうして、忙しなく、いつまでも、蠢いている。真昼の、静かな都会。鳥が、空を、飛んでいる、ような気がする。駅のホー .... 友達が海辺だった。ぼんやりと暗い真昼の部屋で、どこから迷い込んできたのだろう、蟹が蠢いていた。冷たく静かなベッドの上で、蟹の群れが、友達の中へ滑り落ちていく。少しだけ話をすると、友達は用事を思い出して .... ネット間のむくつけき影が
まるい指きどり、きらりコイン・トス
お気にいりのいち枚を
載せた型をじいっと見つめ
着地するまでどれだけ回ったか
数えてるんだと笑った

投げあげられた淡黄色の ....
紙が細やかに振動している
撥水性はない
雫が落ちる
水滴は容易に染み込むが
少し弾き出される
風が吹く
枝垂れ柳よりも軽く碧い風
少しの水の重みと粘り気が
紙を飛ばさせない

まだ ....
すべてのくじらが歌うのなら
すべての露草が雨滴を抱きしめる
単純な対応関係ばかりの夢では
エンドルフィンに支持された
懊悩が硝子体を濁すばかりだ

雲のあわいから垂れる雷は
鉛直方向に空 ....
足元の小さな一段下
花が海に濡れた
昨日、きみが
わたしのために育ててくれた花
名前をつけそびれて
それっきり咲いた

木々の陰影
夜明けに私鉄が発車する時の
孤独な音のひと ....
                                

                                             かろやかに私の肌を包み込む羽毛よ
  ....
幾星霜
祝福の花束を作り続けるの
枯れては編んで
編んでは枯れて

まだかなあ
まだかなあ
いつになったら孵るかなあ

わたしあなたのお母さんよ
報われなくても
救われなくても
 ....
レタスがいのちをもっている。
わたしなんかより。
小さく千切られた彼のほうが
みずみずしく、麗しく、愛くるしく。

レタスにフォークを突き立てる。
ドレッシングの不純さが、
少しだけここ ....
長い通院生活も今日で終わる
とある春だった
通い慣れた道、河川工事はまだまだ続くらしい
詳しくは知らないけれど新しい駅が出来るという
パン屋、スーパー、マンションや公園、行き交う人々
駅を支 ....
春が来た、カーテンを閉めよう
落ち着きのなさを気付かれぬように
行く人、とどまる人、帰る人
私の行く場所はどこかと、心が騒ぐ

花をつけ始めた桜は堪える
激しい雨風に打たれても
花の散っ ....
一日一度静かに燃える家があり
今まさに燃えさかっている
そしてその近くの電線に
数羽の小鳥が舞い降りた
いつぞやのにぎやかさはどこへやら
今日の電線の音符は歯が抜けた様相
それでも音符たち ....
情熱はもう涸れてしまった。

一行目では誰もが世界一の詩人になれる。

二行目、三行目からは篩にかけられたように、

詩人だったものはただの凡人に成り下がる。

バレてはいけないよ、夕 ....
みんな 考えることが
おっくうに なったので
頭を はずして
かわりに 肩の上に
鳥籠をのっけて 歩いてた
鞄を抱えた 背広姿の人も
バス停でバスを待つ 女の人も
みんな 肩から上は ....
眠りから醒めた夢が
空の中に溶けていく

名前も形も知っているのに
呼べないまま
その弱さでも
鳴らせるものが欲しかった

花が散る時に
ひらひらと聞こえるように
最後まで美しく
 ....
もうその土地は更地にして
地主さんへ返したそうですが

礼文の古い家 元は漁師の 父方の親戚の家には
ものすごく腰の曲がったおばあさんが
何年ものあいだ 一人で住んでおりました

私の母 ....
 ,234、ねえ昔は一歩遅れて裏口からついて行くのが審美眼みたいに重宝されて、今では同時にスタートして、いいや、1、231、231、と先にフライングしても許される時代なんだから、置いていかれること .... おしまな!
(そうだね、お日様
(今日は良い天気だね
おじゃたまくし!
(ちいさな春の子
(おまえと同じ
(三月生まれかもしれないな
斜めに陽が差し込むと
ぼくたちも斜めになってたね
 ....
個人の肌感覚を、別の個人が追体験する
現代詩が、内省パーソナルな感覚享受という新境地を獲得してから
だいぶ経つ

共に生きていた社会性から飛びだした詩は
コミュニティどのように維持するのか
 ....
傷ついた心は、高値の付く宝石
伝えるすべを持つ者たちが
言葉や音、像に添えて
ショーウィンドーに飾る

傷ついた心は、ため込まれた負債
精算できぬ者たちが
なけなしの硬貨と引き換えに
 ....
君の肩幅に
まだ幼い
春の光

僕は壊れた掌を
修理しながら

真新しい
君の名前を
口遊む





(初出 R6.3.15 日本WEB詩人会)
さみしいから
生きてるんじゃなくて

生きてるから
さみしいんだ

笑わないから
無口なんじゃなくて

無口だから
笑えないんだ

死にたくねえから
生きてるんじゃなくて
 ....
 部屋の明かりが消えた。キッチンも、廊下も、
トイレも。カーテン越しに差し込む街灯や近所の
明かり。わたしの家だけが何事もなかったかのよ
うに、暗闇の中、どこまでも透きとおって見えた。
 ....
                             
                                    わたしが傷ついたのは斑にみる視線
                ....
見るものすべてが嫌になり、
瞼を閉ざす闇の中。
沈黙に勝る音楽はなく、
肌を刺す冷気よりも
痺れさせてくれる抱擁はない。

゛お前なんか゛と笑う眼差しの剃刀が、
 私という果実を切り刻む ....
人のかたちと
花のかたちが
重なると
やわらかな色が
生まれる

花のかたちと
鳥のかたちが
重なると
にぎやかな色が
生まれる

鳥のかたちと
人のかたちが
重なると ....
オレンジカクテルの空が
家々のむこうに沈んでいく
どこからともなく飛来した
小さな黒い鳥の群れは影絵
ゆったりと宙に張られた電線に
互いに平和な距離を開けて
つぎつぎにとまれば
みんな
 ....
僕はお天気屋さん
空が晴れると
心も晴れる
空が曇ると
心も曇る
空が雨だと
心にも傘をさす
今日は久しぶりの晴れだ
それだけで何かいいことがあるような気がしてくる
耳をとざしたほうがいい
ことばを思わないでいいから
目もひらかず
ただ触れていたい
指で肩で舌で

そのからだの奥を覗きこむような
こまかな息づかい
一度は奪われた草木を甦らせ
半透 ....
本田憲嵩さんのおすすめリスト(1814)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
狂歌_悟空掌天乱舞- 鯖詰缶太 ...自由詩5*24-3-21
虫籠- 鳥星自由詩6*24-3-21
友達- 鳥星自由詩8*24-3-21
さらばテニス・ボーイ- soft_machine自由詩6*24-3-20
夏鳥- 中沢人鳥自由詩8*24-3-20
くじらの歌- 中沢人鳥自由詩5*24-3-20
季節- たもつ自由詩224-3-20
やわらかにも- アラガイ ...自由詩8*24-3-19
待望- 印あかり自由詩224-3-19
レタス- 印あかり自由詩11*24-3-19
紅白もくれん- そらの珊 ...自由詩12*24-3-19
急ぎ足- ヒロセマ ...自由詩8*24-3-18
閑古鳥の楽譜- そらの珊 ...自由詩10*24-3-18
死に損ないの詩- 鳥星自由詩6*24-3-18
鳥籠。- 田中宏輔自由詩16*24-3-17
エアリアル- ミナト ...自由詩6*24-3-17
漁師の家_うつくしい硝子- 自由詩9*24-3-17
、ぐるぐる巡る- アラガイ ...自由詩7*24-3-17
birth/三月のうた- ちぇりこ ...自由詩1124-3-16
詩と詩人そして言葉- 乾 加津 ...散文(批評 ...3*24-3-16
共感の宝石- まーつん自由詩524-3-16
- たもつ自由詩824-3-16
さみしいんだ- 原田たけ ...自由詩524-3-14
金魚すくい- たもつ自由詩324-3-13
水曜日には幕をあげる- アラガイ ...自由詩6*24-3-11
切れ長の目に生まれたかった- まーつん自由詩5*24-3-10
春のかたち- 夏井椋也自由詩6*24-3-10
夕刻の五線譜- そらの珊 ...自由詩9*24-3-10
お天気屋さん- ホカチャ ...自由詩3*24-3-10
はるびと- soft_machine自由詩11*24-3-9

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