ぼくの犬が消えた日
空には深爪したような月があって
そこだけがぽっかりと
穴が空いているようだったよ

ぼくの犬が消えた日
学校までの通学路はとても長くて
おまえのだらんと長く伸びた
 ....
うっかり足を抜いた
もう戻せない
この街はまだ元気
悪口だって言っちゃう
後で笑って誤魔化すつもりだった

うっかり両手も抜いた
鏡より先に知ってしまった
本当の姿
自由は醜い
自 ....
「今日の貨物も 重そうだな」
「ああ 空の雲も 重そうだな」

凍り付く森の枝先 すり抜けて 
貨物列車がゆく
港の駅まで たんたたんと

コンテナの奥はガラスの水槽です 
銀の平原を ....
総武線が僕を運ぶ
大きな川をいくつも越える
すばらしいスピードで、チーバ君のあごのあたりに
たいへん多くの人生を乗せて、突撃
(hello!)

ホームに滑り込む勢いそのままに、
僕は階 ....
人は変わる
かなしみか、よろこびか

雲の形が変わるように
誰かの声も変わる
その声で呼ばれても
きっと気が付かないだろう

わたしもまた
変わってしまった
にくしみか、いとおしさ ....
1.
夜の陽だまりに
昼間見つけておいた
幽霊の足が咲いていました
窓辺で奇妙な咳をする
子どもの背中は丸くなる

(月のドーナツを齧ったのは
(わたしです
(歯型がぴったり ....
 いくら きみをひきよせようとしても
きみは {ルビ水面=みなも}に浮かぶ果実のように
 ぼくのほうには ちっとも戻ってこなかった
むしろ かたをすかして 遠く
 さらに遠くへと きみは ....
じぶんの重みに
押しつぶされた日の光が
大地に一度 身を落として
あたりを囲う 同じものたちの
小さくも楽しげな 溢れかえり
そこにある岩肌の
わずかな塩味に
あいさつのように
その明 ....
夜は眠れなくなってからが長い
静かに目を閉じて
体を横たえても
時間はなかなか進まない

音楽を聴いても
本を開いても
内容が入ってこない
撥水加工が文字をはじく

することがなく ....
カルピスを紙コップで
ほどほどに凍らせて
お風呂で
シャクシャク崩しながらたべます

北極ですー
遭難しますよー
シャクシャクシャク

流氷ですー
たいへんたいへんー
シャクシャ ....
アハッ


雨のなか、走ってきたよ

出された水をぐっと飲み込んで

プロポーズした

でもきみは

窓の外は目まぐるしく動いているから

せめてわたしたちはこのま ....
夜の上水を歩く時に目の前の暗黒と後ろの暗黒の継ぎ目がなくなる
ごうごうごう、と発電機が鳴る場所の街灯はずっと夜のままだ
欅の大きな木が暗黒を作っていた、そうわかったのは月が見えたからだ

塾の ....
高原で野営する
鋭い冷気に
脚を震わせる

焚き火台で
爆ぜた火の粉が
ひとつ ふたつと
空へと昇り
風に流れて消えていく
魂のようだった
僕は思い出す
毀たれた幼獣の宝物や
 ....
          - l'impromptu


平地男


谷男


池男


箱男


橋男


藪男


屋根男


椅子男


 ....

時間がないから
コンビニでポエムかって
電車のなかでかじる
カイサツをぬける
たくさんのポエムとすれちがう
ぶつかって
「前見て歩け」ってののしられる
ポッケでケータイがバ ....
 季節風が未練がましく吹きつのり
 北野天満宮の梅苑に白梅が咲き始めた
 春が来るのか

 昨日よりは
 今日よりは
 明日よりは
 理想の 胸に馳せめぐり浄らかな人生を
 描いて ....
いますこし
あなたのかたわらで
あなたのつくる木陰に
わたしをやすめさせてください

かつて
あなたから遠く
遠くはなれていったわたしを
あなたの幹にもたげさせてくだ ....
 壮麗な科学技術の夜明けまえ
ボクとあなたが苺の関係だったということ
 そのことが不可解な生き方に付加価値を付けてボクの証明につながり
つなぎ合わせのリボンを引きちぎる獣たちの姿を予見し ....
小学校のプール(ぶ厚いこけ緑の濡れたものがびっしりと)
大学一年の時の合宿(飛鳥のとぼけた顔)
中学校の理科の時間(ふくらんだ新芽がひらいて気持ち悪いくらい匂い立つ)
わたしたちって今までのこと ....
おやすみ
の水面に素足を浸して
拡がる波紋は
冬の岸辺に
触れるのでしょうか
淋しい女のかたちで
立ち枯れる両脚は
白い冬に
駆けだした素足を追う
夜の終わりには
うなだれた星座が ....
耳をすます
と冬の足音が春を追いかける
探し当てる
木の根っこに絡んだ宝物のありか
溶け出していく
溶け出して流れて行き着いて沁みわたる
あの海に
この胸に
手を合わせて
触れて ....
OVER THE HILLS AND FAR AWAY。



●「なんていうの●名前?」●「なんで言わなあかんねん」●「べつに●ほんとの名前でなくってもいいんだけど」●「エイジ」●「ふううん ....
冬の明け方は
張りつめた
無数のピアノ線が
地面と空を繋いでおり
知らずに触れてしまうと
冬の心音を奏でてしまう
透明な波のように
冬の涯てには
凍りついた楽章が打ち寄せる
夜が明け ....
●コップに入れた吉田くんを●空気が乾燥した日に●風通しのよい部屋に二日のあいだ放置しておくと●蒸発して半分になっていた●これは●吉田くんが●常温でも空気中に蒸発する性質があるからである●コ ....

身振り手振りで伝えたい
深い虚構の 底のあたりが現実で
水面は空想





現実と空想の間に渦巻く 蚊取り線香 π生地仕様
人 は測量に熱中
人 以外は行楽に夢中
 ....
貨物列車は
北北東へ

思い出すのは
遠い国のお話

どうしてあのときあんなにも
どうやらこのごろすこしずつ

骸骨になって
自分の中を旅している
枯れきった指が
刻む空
それは非戦の歌

非戦の人が
紡ぐ絲
それは旋律を憂わせ

奪う苦界
争う肉が呼びあう
骨をふたつに裂く石台
互いの傷を
咬みあう


階のいち ....
水を得た夜空です
夜には澄んだ真水がある
手をのばして
触れようとすると
逃げてしまうんだね
小さな星に隠れた
君の息づかいを聴いていると
とても静かな胸の内では
真水が溢れてくる
 ....
広いスーパーの店内を
カートに寄りかかりながら
物を探し探しゆっくり進む
「あのーポリデントはどこね?」
店員に尋ねながら回る
レジへ向かうと長ーい列ができている
今日はポイント5倍の日だ ....
 きらきらとした雨季がきて
 細雨が天から降り注ぎ始めると詩人は舟を出す
 果てのない海に漕ぎ出すことは恐ろしくもあるから
 せめて湖畔に住みたいと思いながら
 靴を履いて海へと向かう

 ....
本田憲嵩さんのおすすめリスト(1814)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
オムライス- ちぇりこ ...自由詩923-4-14
抜け殻- 妻咲邦香自由詩123-4-13
水_槽_列_車- 松岡宮自由詩15*23-4-12
This_is_the_Chuo-Sobu_Line_tra ...- fujisaki自由詩523-4-11
光る虫- やまうち ...自由詩223-4-11
Ghost/Leg- ちぇりこ ...自由詩1123-4-11
水面に浮かぶ果実のように_____- 田中宏輔自由詩12*23-4-10
郷愁- 乾 加津 ...自由詩10*23-4-8
夜長- 木屋 亞 ...自由詩3*23-4-7
カルピス北極- 日朗歩野自由詩5*23-4-4
RAIN_SONG。- 田中宏輔自由詩15*23-4-3
原君- XIAO自由詩6*23-4-2
Adieu- Giovanni自由詩7*23-4-2
S.S.A.W.- 墨晶自由詩4*23-3-31
コンビニでポエム- モリマサ ...自由詩8*23-3-30
小さな女- リリー自由詩8*23-3-28
いますこし、あなたの木陰に- 田中宏輔自由詩23*23-3-27
雲母の究明- アラガイ ...自由詩20*23-3-11
おそらく業務用として卸されるホテルのシャンプー- 万願寺自由詩323-2-7
Winter_Days- ちぇりこ ...自由詩1123-1-23
あの海に__この胸に- かんな自由詩423-1-23
HOUSES_OF_HOLY。- 田中宏輔自由詩13*23-1-23
Winter_Dawn- ちぇりこ ...自由詩1223-1-18
FEEL_LIKE_MAKIN’LOVE_。- 田中宏輔自由詩10*23-1-16
かりそめ八景(または、ことばの引用)- 乾 加津 ...自由詩6*23-1-6
GK- やまうち ...自由詩423-1-6
非戦- soft_machine自由詩223-1-6
うお座少年- ちぇりこ ...自由詩623-1-6
買い物ふらふら- ホカチャ ...自由詩2*23-1-6
どこか雨季のきれいな海- 雨宮吾子自由詩223-1-3

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