隣では男が死んでいる
私は蓋を探している
どんな蓋だったのか
男を見て形を思い出している
見かねた男も探している
隣には男ほどの大きさの窪みがある
そっと触れるとまだあたたかい ...
剃刀の刃で喉を裂き死ぬという、いかにも凄惨な最期を遂げた人に僕がかけるべき言葉はなかった、はず。
夜は野卑な信号の群れをくぐって淫靡な闇の中に車を送り出している。
1
絵に何一つ抱くこともない思いを、人は車で追いかけるのだろうと、私もハンドルを握っている。
2
味方が敵軍なのだと思った陣地から、兵士たちは帰ってこない。
3
やつれ果 ...
とある日
郵便受けに入っていた種
石灰と肥料と期待を土に混ぜ込み
成長を見守る
木の葉を器用に全身に巻き
住居と食料を兼ねる
木はやせ細り
わずかばかりの蕾を儲けた
ふい ...
バスタブに沈むさみしさはやはりぼくの唇のふるえと共鳴する
今日も暗色に温もりのかたちを教えてもらいながら眠ることになるだろう
この手で歌うことに慣れたぼくは
いつもそれを不協 ...
隣のビルに向かって叫ぶ
レモン!
酸味を含んだ飛沫が
届くといいと思って
レモン!
屋上で
柵に手をかけて
レモン!
箱詰めにしたレモンを
宅急便で送ってお ...
タバコ噴かしながらお向かいのじっちゃんがね
泣くなって言うんだ
昨日泣いてたとは知らないのに
泣いちゃダメだって言うんだ
泣きつきたい気分だから
大丈夫だってば〜って
...
他人の顔の
僕を真似して
語り合うのは
いつものことだ
明日に転がる
数字次第で
どこに進むか
任せてみるさ
空に両手を
広げてみても
雲にこぼれた
夕日みたいだ
ありきたりだと
思えた1日も
実は違ったんだ
そこに気づいた時に
次の日が待ち遠しく
なったのです
地方都市の風俗の個室の薄闇で
俺はお前のメアドをゲットして
お前は俺の
名前を聞いた
登録する為に
便宜上
お前は俺の名前を聞いた
俺は魔 ...
女子の装いが夏仕様になったので
街中も通勤車両もなんだか華やいだ気になります
実はぼく爆弾魔なのです
鞄の中には手造りの爆弾が入っているのです
この浮ついた空気を爆破するのです
テロリス ...
仕事帰りの疲れた身体をシートに沈めると
ひと駅間に
うつらうつら
して
ごく短い夢/妄想を見てしまう
夢/妄想から醒めた瞬間
時間の感覚が混乱して
おいてきぼりを食らった気分で
...
61
誕生パーティ、彼女がホールのケーキを切り分けると、集まったボーイフレンドたちの支持率が見て取れた。
62
目的地への案内板が「↓」であったので、スコップを探そう。
63
形見わけ、故人の押入 ...
妻が組紐を編んだ
寿ぎの色の紐を選び
清めの石を結わえた
結び目はゆらゆらと
日々を遠ざかっていく
思わぬ梢を揺らしながら
見えない網は遥かな岬にまで届いた
自分が結び目 ...
金を使っているもの
だけでなく
ほら
この錆び色の茶碗も
...
あなたの胸に頬つけて
やわらかな海へ泳ぎだす
ねえ
...
いつまでも待てないよ
アタシがこんなにがんばってもネ
気持ちに気付いてくれないんだから
あなたの心めがけ、土足で踏み込んであげる
心のど真ん中に居座って、しっかり撃ち抜いてあげるね ...
光は動き
樹は見つめる
はざまの前に立っている夜
はざまは風になってゆく
双子の夜の片方が
先に朝を知ったので
昼はななめ
夕はななめ
光が変える絵 ...
とん てん かん
あなたの息が
皮膜を揺らす
...
悲しみの輪郭を、そっとなぞり
この雨の行方を探してみる
黒々と光る夜空の奥深くから、
ざあざあと雨は降っていた
冷たい三月の匂いをたたえながら
指先が閉じ込めているのは
言葉を紡ぐこと ...
両瞼月の形の白い傷
露出した骨を矯正してる口
三日後に二足歩行で倒れます
初夏の朝 身体の中はまっくらけ
磨かれた床に無数の目玉落つ
...
時間がねえのに逃避して
関係ないことしてるお前
中途半端に罠へとおちた
常にはまる切ないなんて
全く思わず呆れる阿ほう
自覚してどうすんのおい
早く準備に取りかかれよ
明 ...
(春)
伝線したストッキング、国語辞書、スケッチブック、埃、先のまるまった鉛筆、花柄の布団カバー、キオスク、アルミフォイル、たまごサンド、青い軽自動車、浴室のタイル、制服、文房具屋、バス停、スー ...
お金の無い私は家路を去る。世界に存在することのないため息を繰り返している原宿を、哲学すら無く歩かされているのかもしれない。友達に取りざたされたセリフでバーゲンセールを信じてさまよい続ける、ただただ貧乏 ...
アジサイの蕾ふくらむ真昼どきふと戦争の頃思いいず
公理さえ定理もいらぬ人もいる健全に過ごさねば滅ぶ
妻ととも来年からは二人して新しき人生はじめむかな
釣り竿を捨てた
そうして 無くなったイソメを
堤防の上の私は見つめ続けることだろう
私の日記の 永遠に開かれることのない
ビルの下に 立つだろう
遠い日の夜を嘆かされ続けた
まきえさの粉塵 ...
ここで崖が崩れたことがあった
大勢が土の下に埋もれてしまい
まとめて葬式を出すことに決まった
それにはとむらいの家の数にだけ
茶碗をかけらに砕き
使者に持たせて知らせとする
各家がかけらを ...
{引用=
実在しない恋人に捧ぐ。
}
公衆便所で 首を吊る姫君
顔色ならば じゅうぶんに、わるい
たとえば 美しい女でなくても 踊れる舞台は あった。
たとえば、「もう ...
坂のてっぺん
背伸びをして
月にきすをした
照れた月は
少し赤くなって
フェードアウトしていった
僕はそれがおかしくて
チョコレートをかじりながら
鼻歌を歌った
スパンコールひとつ
頬につけたきみが好きでした
スパンコールふたつ
スパンコールみっつ―――――
やがてきみは見えなくなって
スパンコールになりました
スパンコールひとつ
頬 ...
日付順文書リスト
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
蓋
小川 葉
自由詩
2
10/5/22 1:53
Sting Ray
瀬崎 虎彦
自由詩
1
10/5/22 1:42
5遍
番田
自由詩
2
10/5/22 1:08
切断
小川麻由美
自由詩
1*
10/5/22 0:53
あなたの声、ぼくの音
15フィール...
自由詩
2
10/5/22 0:37
雑事のレモン
木葉 揺
自由詩
8
10/5/22 0:23
毛布
伽茶
自由詩
2
10/5/22 0:14
明日に転がる
宣隆
携帯写真+...
2
10/5/22 0:13
今日の日が終わる
〃
携帯写真+...
1
10/5/22 0:11
グッと来る訳よ
TAT
自由詩
0*
10/5/22 0:04
ぼくの好きなもの
冬野 凪
自由詩
1*
10/5/21 23:44
高崎線の駅間距離は存外に長い
kauzak
自由詩
6*
10/5/21 22:49
全手動一行物語(61〜70)
クローバー
自由詩
4*
10/5/21 22:35
創書日和【結】結線
大村 浩一
自由詩
6*
10/5/21 22:29
錆び色の茶碗
鵜飼千代子
自由詩
6*
10/5/21 21:02
MILD
〃
自由詩
6*
10/5/21 21:01
スニーカー と ピストル
豊原瑞穂
自由詩
2
10/5/21 19:55
虚明
木立 悟
自由詩
6
10/5/21 19:49
びーどろ
鵜飼千代子
自由詩
3*
10/5/21 19:43
悲しみの輪郭
九重ゆすら
自由詩
6*
10/5/21 19:32
まっくらけ
ふるる
川柳
5*
10/5/21 18:37
なに
ベルヤ
自由詩
2
10/5/21 18:31
季節ごとに近しくなるものもの
吉田ぐんじょ...
自由詩
8
10/5/21 18:13
思いの隅で
番田
自由詩
0
10/5/21 18:00
五月二十一日
生田 稔
短歌
5
10/5/21 16:16
エビの瞳
番田
自由詩
0
10/5/21 15:02
「五月闇」抄
春日線香
自由詩
1
10/5/21 14:39
かわいそうな 浅倉南
鈴木陽一レモ...
自由詩
4*
10/5/21 14:32
ある夜
國朗
自由詩
4
10/5/21 14:29
スパンコール
瑠王
自由詩
2*
10/5/21 14:10
3921
3922
3923
3924
3925
3926
3927
3928
3929
3930
3931
3932
3933
3934
3935
3936
3937
3938
3939
3940
3941
3942
3943
3944
3945
3946
3947
3948
3949
3950
3951
3952
3953
3954
3955
3956
3957
3958
3959
3960
3961
8.36sec.