すべてのおすすめ
たくさんのてのひらが、
胸のうちをなでてくる。
私はその愛撫のあたたかさに、
目がくらみ、
行くべき路を忘れてしまう。
たくさんのてが、
雨を耳にあびせた。
たくさんのてが、
子どもた ....
うまれいずるものを
おさえこむちからもなく
うまれいずるものは
しずくとなりわたしの腕から流れ出る。
宿命と名づけた
うまれいずるものは
わたしの耳を支配し
目をからめとっ ....
赤いマジックで
なまえを書く
書いても書いても
なまえは「名前」にならない
それどころか
書くほどにぶれて
水面をおよぐ魚の尾になって
ぴしゃり
血をはねる
はねら ....
ひとつ、階段をおりると
まるでこどもにもどったようだ
狂おしいほどに
血をもとめていたことも
海馬の海に ....
わたしはまだ、
本当の血を流していない

わたしの足元から
見えない厚い雲が
ゆっくりと動く
雲と呼吸を合わせると
静かに痛む、
嘗てのわたしの部屋

大きな流血の ....
わたしはうまれるまえの
かたまりの内側に潜んでいた
ある日溶岩とともに かたまりが溶けて
わたしが流れ出た
海が生まれた
空には赤い夜の太陽が
花開きながら飛び散っていた
 ....
うすい板に
はさまれた
弾力なみずは
あらゆる喧騒や献身をすり抜けて
自己だけが知る
ちいさな孔をめがけて滑り込む
みずがみずだけを知る自己へ

みずはむれを好むが
 ....
散在する
おと、おと、おと、おと、
らせんれんさになり
からみついてくる
どんな祈りや鍵さえもねじまげて  ....
あめがかたにふるのは
このうちのねつをしずめるため
あめがかたにふるのは
このてをもりにかえすため
あめがかたにふるのは
のびたおもい ....
わたしはことばを剥離する
わたしはわたしを剥離する
バナナの皮を剥くように
するんと裂けて  ....
眠れない夜に思い出すのは
幼い頃
父や母から聴かされたお話
大人になる度に
お話は大きく ....
引っ張られるものへ
どうしようもない引力に
左手首が痺れていく

毎朝、
向かうべき場所へ向かうためには  ....
琥珀という石を
手にしたことはないけれど
見つめたことがある
黄昏に凍りついた壁の向こうに
眠る葉や虫たち
 ....
雨を眺めていると
胸の奥が軋みだす
いつかの転んだ日の傷を思い出して
こんな日に新しい服なんて
着てくるんじゃなかったと  ....
大陸に境があるように
海に海域があるように
わたしにもわたしの
ボーダーがある

あなたというボーダー
超えてはならない
神の領域
超え ....
乾 加津也さんのあおい満月さんおすすめリスト(15)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
喝采- あおい満 ...自由詩12*16-2-28
ヤモリ- あおい満 ...自由詩715-6-27
あじのめだま- あおい満 ...自由詩915-6-18
ひとひら- あおい満 ...自由詩614-7-11
『生血』- あおい満 ...自由詩8*12-12-4
『赤い快楽』- あおい満 ...自由詩8*12-12-2
『ながれ』- あおい満 ...自由詩8*12-3-8
『メトロノーム』- あおい満 ...自由詩6*12-2-6
『あめがかたに』- あおい満 ...自由詩7*12-1-29
『時の剥離』- あおい満 ...自由詩6*12-1-18
『眠れぬ夜の昔話』- あおい満 ...自由詩5*12-1-4
『電車内で』- あおい満 ...自由詩3*11-12-27
『燃える琥珀』- あおい満 ...自由詩9*11-12-26
『ビニール傘』- あおい満 ...自由詩6*11-9-22
『ボーダー』- あおい満 ...自由詩4*11-7-2

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する