「ママ、ママ、ママ」
と呼ばれて
振り向く
ホームセンターの中
カゴの中に
ふくろうの仔
ああ、
お前かあ
覗き込むと
何度も何度も
「ママ、ママ、ママ」
ふと気がつくと
周り ....
私の葬式がささやかに執り行われ
友人らが久しぶりに集まった
青空には透明な道が果てしなく続き
新緑に人々の喪服が映えて美しかった
一滴の涙も流されず むしろ
想い出を懐かしむ声で
小さな式 ....
十六歳の感傷に腰掛けて
ぼくは詩を書き始めた
ぼくの孤独といえば
せいぜいコップ一杯分の涙ほどしかなかったけれど
二十億光年の彼方の星からの引力で
コップの水が波立つことを幻想するのだっ ....
気がつけばいつも
君はそこに立っている
君は待つ
遠くに地鳴りを聞きながら
まだ秋には早い日
目の前をつうっと
赤とんぼが通り過ぎていく
同じ高さにある地平線を目指し
旅立っていっ ....
 しあわせは
 すりぬける風
 ひとときのやすらぎ
 明日のことは
 わからない
 
 しあわせは
 すくいあげた水
 たやすくこぼれるけれど
 歩けるぶんだけ
 あればいい
  ....
その岩は岩でしかない。
だからただ、そこに居る。

雨が降り、風が吹き、雪が積もり、雷が落ちても、
その岩は岩でしかない。
ただそこに居続ける。ちっぽけなふやけた岩だ ....
出会いがしらに、
さようならっていい言葉やね
とあなたは云った
空は低く銀杏の木だけが一本高く見える
出会いがしらにいってくれて助けられた気がして

知り合いへの手紙を破った、日
カナカナが
鳴いていた

紅の夕日が沈むのさえ
浸れない私だった

いつの間にか
蚊に刺されていて

皴の多い手は
なかなか美しくなれないでいる

自分だけを愛していた頃は
 ....
ぼくは というと
このからだに いま とどまっている
このからだが うごくことを やめたとき
ぼくは からだと ともに
たしかな きおくを おいて
どこへ つながってゆくのか
わか ....
渇く渇く渇く潤う
行き止りのない道を
いつまでも

忘れていることがあるにせよ
それは帰れない{ルビ道程=みちのり}であって
忘れていることなど何もないのだ

あどけないうすい影は
 ....
帰り道に迷って
泣いてる子羊
あの空の羊雲は
違うよ
君の帰るところじゃない

涙を拭いてよく見てごらん
発見はいつも
ほんの足元からはじまるんだ
背伸びをしてると
ほんと ....
{引用=私イコール作者だと信じる純朴な読者は、読むな。}


夫のいびきが隣の寝室から聞こえる
ここは私の部屋で ここにあるのは私の取り分
大きな書棚 たくさんの本 オカリナ ちゃちな顕 ....
人は誰もが
{ルビ完=まった}きできそこないであり
どこへ行っても人の輪へ入れば

金曜の夜の飲み屋では
ぶーすか ぶーすか {ルビ愚痴=ぐち}っており

海の向こうでは今もなお
 ....
恋人よ
その安らかな寝息をまもれるのか
わたしは
同じ所に{ルビ止=とど}まっていられない

飽和した
硬質な怠惰の
夏の深奥に
ワイシャツが青く干されていて
ノイズの走るレコードが ....
小声で呼ばれて小声で教えられた


(左左、ミミズが傘を差してる)


顔を向けようとして止められた


(向いたら気づかれる)


目の端っこで何とか見る
確かに紫色のミミ ....
どうしましょう
幸せなのです
幸せでたまらんのです
涙も出ます

それは煙草の煙のせいかな

とにかくとてつもなく幸せなのです
不思議な気分です
ほしいものがありません
必要なも ....
寄ってきた子供達に
お菓子をふるまってた 米兵に
自爆テロがつっこみ
多数の子供と兵士が
亡くなられたという

手をだす子らは
わざと 足止めしたわけではないにせよ
いつもそう ....
ねえ 凜
前にも話したかもしれないけれど
きみが生まれる前に
きみのために考えていた名前が
ほんとうは ふたつあったんだよ

どちらかといえば
ぼくはもうひとつの方が
ほんの少しばかり ....
うすい月が窓までおりてきて
わたしの絶望を笑うのだった
からっぽになったところで出発だ
ほんとうの旅は いまからはじまる
なんて こともなげに言うのだった
黄昏が
輪郭を奪い

ネオンが灯りだした
町並みの真上

薄雲に隠れ
ほのかに
きょうの月

ああ
そうか

僕は君の
輝きばかりを追い求めて
ついにその形を
知ること ....
つくんと

ときおり胸で感じる痛みを
悲しみのせいだとは
思いたくないから、僕らは
うたおうとする

好きな歌を

思い出せないフレーズで
立ち止まってはいけないと
覚えてるとこ ....
恋に目覚めたとき
君は書くだろう
恋に焦がれた
男の詩を

愛に恵まれているなら
君は書くだろう
優しさ満ちた
日々の詩を

性に欲望したとき
君は書くだろう
交尾に狂う
獣 ....
なすときゅうりの馬なんて
のれないよねえ とつぶやいたとき
お兄ちゃんは
ひらたくて少し冷たい手のひらで
あたしの手を
つかんでいた


じいん と鳴る
すずしいかぜに 


 ....
3匹目の獏は道端で
へたりこんでるところを拾った
小さな獏は虚弱体質で
夢はもちろん秘密も嘘も受け付けず
今にも消え入りそうに震えている

私は必死で噂とか言い訳とか  ....
日が落ちて 暗い川に
すう とよぎる物がある
魚のひれに
背の高い草
それから
釣りのおじいさん
長い棒で
水をかき
橋をくぐる

なにがみえるのか
なにがきこえるのか
波紋と ....
 果たされなかった約束の面影や
 叶えられなかった願いの欠片達が
 光の飛沫になってとび
 漂い
 空気に溶けて香る
 夏の夕べ

 深呼吸すれば
 また私の中に戻ってくる
 今 ....
私小説というものがほぼ死に絶え、小説はエンタテイメントとして書かれ・読まれ・消費されるものになって久しい。それに対して、詩というものは、未だに“私詩”とでも呼ぶべきものが大半を占めているように思える。 .... 爽やかな日曜日
朝からお洗濯
はりきってお洗濯
お洗濯は大好き
がらんがらん
洗濯機が回るところを
見ているのも好き
暇だから見てるんじゃないよ
暇じゃなくても見ているの!
ごしごし ....
カレンダーが
隙間を 埋める

いちいち 並んだ文字
規則正しく
色までついてる

ななめに さいて
ずらしても

あくる日は 書いてなかったように
きちんと くる

時 ....
悪気などないのだから
だから尚更
優しいあなたは嘘つきになる

誰をも騙せなくて
自分を騙すことではじめて嘘つきになる


それがたとえ取り繕いの仮面であっても
優しいあなたは
 ....
千月 話子さんのおすすめリスト(2082)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
母を呼ぶ声- チアーヌ自由詩1005-7-18
昇天日和_(2005.7.18)- 和泉 輪自由詩3105-7-18
夜中に台所でぼくは谷川さんに話しかけたかった- 藤原 実自由詩13*05-7-18
ゴールキーパー- たもつ自由詩1705-7-18
しあわせ- yaka自由詩17*05-7-18
「_いわ。_」- PULL.自由詩11*05-7-18
いい言葉- 石川和広自由詩13*05-7-18
カナカナ- 蒼木りん未詩・独白705-7-17
つうかてん- 玉兎自由詩18*05-7-17
主婦- こしごえ自由詩12*05-7-17
羊飼いの歌- 落合朱美自由詩40*05-7-17
鏡を割りたくなるわけ- 佐々宝砂自由詩15*05-7-16
深淵に響く足音- 服部 剛自由詩8*05-7-16
待合せ- こしごえ自由詩8*05-7-16
ミミズが傘を差した日- ヤギ自由詩10*05-7-15
とーとつに幸せになってしまった- 佐々宝砂自由詩10*05-7-15
恐い- 砂木自由詩11*05-7-15
- 大覚アキ ...自由詩505-7-15
そろもん(月夜の話)- みつべえ自由詩1505-7-14
黄昏が奪った月夜- たりぽん ...自由詩1405-7-14
そうやってうたえばいい- ベンジャ ...自由詩17*05-7-14
詩を書く理由(わけ)- 恋月 ぴ ...自由詩10*05-7-14
送り火- はな 自由詩10*05-7-14
偏食_三- 落合朱美自由詩22*05-7-14
暗い川- 竹節一二 ...自由詩1205-7-13
夕涼み- マッドビ ...未詩・独白505-7-13
詩と“私”を切り離せ。- 大覚アキ ...散文(批評 ...61*05-7-13
あらいぐま- チアーヌ自由詩13*05-7-13
ぼん_ぼぼ_ぼん- 砂木自由詩12*05-7-13
優しきあなたへ罪状を- 千波 一 ...自由詩20*05-7-13

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