風の暖かくなった
空から鳥が落ちてきた
インフィオラータを知っているか
無数の花びらで地上に大きな絵を描くのだ
極楽鳥や孔雀は空から落ちてこない
カラスとハトの
いつのまにか 大雨だ
....
紙に包まれて
つけられた火
焼けてく匂い
こびりつく灰
からまる 雪
うかれた 後
ほどかれぬ香
きらいなのに
うるま
うるま
はじまりのなまえ
うるま
うるま
ぼくんちどこいったん
ひんぷんのよこの
ゆーなんぎーのそよと
ゆーなんぎーはーめーの
いとのつつつと
はじまりのとおく
とお ....
夕暮れに塗られたりんごが
夜更けに眠れないからと
朝をかじっている
どうにも力が足りなくて
上手く噛み千切れない
どうにかあがいてみたくて
こぶしを握り締めて
枕に丸い頭を叩きつけて ....
わらいながらないた
冬のくるしいことは
もうじきにおわるんだとしんじて
きょうきはかかとすれすれのところに
しまいました
あたたかい
かぜはしおからく
さいたまは あざやかで ....
公園でバカ男は一人ゴミ拾い
ぐふふ
ゴミ拾いをする→バカ男はいい人→見ている人も
そう思う→バカ男、総理大臣→世界征服→世界統
一→ゴミのポイ捨て禁止条例を制定→公園がきれ
いに ....
彼 の 夏 に
溺 れ ぬ や う に と 閉 ぢ た 空
無 人 で 回 る
廃 観 覧 車
はずむように近づいてくる
あなたの息は白くない
コートは着てこなかったよ
と言って肩をすくめる姿は
想像よりも少し小さく見える
はじめましてとはじめましてがぶつかって
どういたしま ....
かむと つぶら ひめた
ほそい つきよ こえし
ないえ まじる せのひ
ふきと はなみ めくり
かなう さやほ つぐみ
つかぬ こゆび そえね
おおう くれぬ おもい
....
またね
春風から一番遠いところで
皆でそうつぶやいたら
誰かの下唇に
名前の知らない花が咲いた
なあ、せっかくだからさ
もうしばらく
楽しいおしゃべりをしよう
かのん、は
「入院」がだいきらい
だから高熱で白目をむいて
こんなにも
「あつくてさむいよお」ってふるえているのに
「いきたくないの」って
ベッドから起き上がっておかあさんにしがみつく ....
かよう こない てんめつ
つづく からだ たちかげ
さらへ みえる くろつち
おおう まぶた ゆきとけ
ねたて ふんだ ざらじゃら
ひえた といき さまされ
なぜと ....
何を書こうか分からんチン
電子レンジで言葉を焼いて
食え喰えなんて、もういやだなあ
なあバイト君
僕はバイト君じゃないさ、しがない詩を書くアホさ
アホは関西弁では、いいことで
バイトは ....
もと
もとの
つきの
らら
もと
もとの
もとの
つきの
らら
おらはいつかむかしのすみよいごみすてばさぬけて
....
うおおおおおっ!
何か!今日の!バカ男!すごいよ!
すすすすすすすすっごーいよ!
エナジー?が?みなぎっている感じ!超!そんな!感じ!
発電所?っていうの?小豆島?っていうの?
がお ....
その人は起き上がる
いまだ眠たげな目をこすりながら
一杯の朝のコーヒーを探し求める
たった一杯で
本当に目が醒めるのなら
世界は半日ごとに覚醒と睡眠を繰り返す
整理された場所になるだろう
....
あたたかい あさ
濡れた地図の上に書き込んだ名前は
滲むように、消えた
始まれない私は
いまだにまるい船の上です
警笛は
遠い雲のこと
進まずに消えるのは
あの空へ ....
虫が一匹
やってきて言いました
もそもそ なにかください
足を交換すると
あたりを闇雲に踏みつぶしました
鳥が一羽
やってきて言いました
ぱたぱた なにかください
手を交換する ....
たらちねの殻梯子からおりてくる
あの白いもののなまえを
ぼんやりと霞む視界だけれど
ああここにはことばがある
たくさんの羽虫が
いのちを喰いつぶして
ああでもつらくはない
....
手のひらの中に
そっと星を隠していたら
夜になって光りだし
銀河系宇宙であることが
ばれてしまった
それは蝶のように
よぞらをかざって ....
耳元で
指に巻かれた髪が
音もなくほどかれるとき
少しの沈黙が欲しくても
あなたは
何事もなかったように話をつづけて
僕は
一語を味わうゆとりもなくて
また
その髪が
....
報告、報告、報告、報告
報告!
大ほーこーく!
今日、バカ男、空を飛んだよ!
背中から赤いつばさが生えてさ
こうっ、すいーっ、すいーって
つばさは白いほうがイカスよなーとか
うー ....
静寂が満ちるのを待つ
あなたは
広げた想像の張力に身をゆだねて
空を映す水面に静かに浮いている
手のひらをつぼみにして
ゆっくりとふくらませるとき
わずかな空間の揺らぎが
水中を ....
<雪見カンガルー>
どうしても雪の白に溶け合わない
自分の体を恨めしく見下ろすと
袋の中で子供たちが
凍えながら見上げている
<嫌がるラクダ>
ラクダのコブは脱着可 ....
私たちはいつまでも春の光を浴びて輝いていたい
白梅をそういう顔をして私たちを眺めている
そんなことはけっして適わないことだけど
緋毛氈に座りにぎやかな白梅を眺め
屈託なく笑いおしゃべり ....
ねえ、トモチャン、
と呼ばれ
お茶の濃ゆいところの途中で
ひょっ、と
あばらの隙間に指を
埋められた
もしかして
こういうところでしか
あたしは埋まらないのかもしれない
わか ....
その女の人は、ずいぶんと寡黙な人で
その寡黙さが
しきりに語りかけてくるのを
熱心に聞いていた
薄い手のひらでくるまれた
さらに繊細な指先は
紙袋のひもに引き伸ばされて
青く静止して ....
埃を振り払う
ような、仕草で
無駄に積もった言葉を落とす
指先でそっと拭き取れるくらいの
そんなくらいでも、涙に変わってしまったりする
流星のようなさよならで
ほんの一瞬で暖かいくらい ....
もう子供じゃないから
無心にがんばるなんて
できない
ピアノも
何時間弾いたって
大して上手くならないことを
知ってしまったから
弾かない
誰かを
愛すれば愛するほど
虚しくなるか ....
桃の節句だ
いい名じゃないか
家には仔犬のももちゃんと
4歳児のリーちゃんがいる
まだフェミニズムとか騒がない
同じ人間だが
やはり性差はあると思う
....
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