すべてのおすすめ
ふたつの手のひらを
使いこなせない昼下がり

耳を澄ませてわたしは
しずかに風を
遮断する


すべては
それとなく遠い気がして
けれども確証はなくて
言えずに続いた
 ....
 理由はありません、っていう理由について
 もう少しやさしくあれたら、
 と思うんだ





さびしい時刻が生え出したのは
ぼくの、背骨を笑う
星のした

だ ....
運ばれてゆく
ものがたりについて
ずっと聴けずにいたことを
ようやく受け取ったのは
はやすぎた夏、の
たてがみ辺りの
なごり風


 眠る、ということが
 どれほどの守りで ....
胸は
すぐに
いっぱいになります
それゆえわたしは
多くを連れて
行けません


あなたを
はじめて呼んだ日に
こころの底から呼んだ日に
海は向こうになりました

永 ....
器の
壊し方を知っている
けれどもわたしは
外側にいない

器の
壊れ方をおぼえている
けれどもあなたは
内側にいない


 朝と呼ばれるものや
 愛と呼ばれるもの
 ....
ひなになれない
わたしは

せめてもの抵抗として
日々を生まれ続け
翼はとうに
ぼろぼろ


飛べたためしなど無い
それなのに頑として
語り継ぐことを
断ち切らない


 ....
手のなかに
ことばを握ることがあったね

あるはずもない質量に
身を任せてしまうことが
あったよね


どんなこころ模様にも
ときは流れてゆくものだから
いつか
わた ....
たのしそうに語る
あなたの足跡を
みつけた

わたしの庭には
しばらく無い、
かげ


不本意ならば
どうぞ消し去りなさい

あなたの好きな場所を
汚すつもりなど無い
 ....
祝福のことばには
飾りたがりの
性分があり

僕はまだ
あこがれの盛り


 あなたの階段が
 あたらしくなった日も

 僕は
 初夏の匂いだっただろう

 あいも ....
みつけたかった、のに
上手くはいかなくて

でも、
たまたまの風が
心地よかったりするもので

選ぶことのたやすさは
果てないそらを
みずいろに
ひろがる


しあわ ....
ひたむきだから
汗をかく

それは
おろかであるかも知れないけれど
ふしあわせの向こうが
しあわせであったり
するもので

虹は
しずかに消えてゆく


あおぞらがき ....
五月のかぜを渡るとき
遠いひかりは
よみがえる

あおたちの名の
車輪のなかで
一斉に
いま
みどりはかえる
日にかわる


 かじかむばかりの
 指だったのに
 いつ ....
もう
どこにも帰れない

そんな気がした夕暮れは
どんなことばも
風にした



 ながれる雲の
 行き先はしらない

 突きとめずにおくことが
 しあわせだとは
 ....
掛け違えた光だとしても
あふれかえることに
消えてはゆけない
肩だから


 底に、四月はいつもある


泥をかきわけて
そのなかを親しむような

見上げることの
はじまりに ....
泥を かわして
かわして また 泥

すきだとか きらいだとか
そんな難しいことは あとからになさい
もっと ずっと あとからになさい
余裕がでるまで 待ちなさい


 陽をあびて  ....
まちがえることを
素直におそれた日々は
だれかのきれいな蝶々結びに
たやすく揺られる花だった

あの草原で
かぜを追いかけてゆくことに
不思議はどれほど
あっただろう


 ....
わたしはまだ
運ばれてゆける


むずかしい物事を
ほかの名前で呼ぶよりも
ここが峠の途中なら、
そらにまぎれず
澄み渡りたい

あなたのそばには無い数を
おだやかに
 ....
散文的であるかも知れない
晴れ間を見つける
こころはいつも


古くはならない
あたらしくもならない
それが空なら
繰り返すものごとに
少しだけ優しくなれそうな
そんな気が ....
はるをいたみながら
ひとつ、指を折り

なつのまよいに
迷えないまま
指折りは、
ふたつ

みっつ、を数える指には
こころならずも
あきがなついて

ちからずく、のよう ....
飛ぶ鳥の名前などは
どうでもいいことかも知れない


晴天をかもめ、
夕暮れには
からす

一応の名前で
呼んではみるけれど、
きっと何かが間違っている


かれらは一途 ....
 このゆびを
 のぞんで降りたきみですか、


しずかな熱も
いそぎゆく風も
そのゆくすえは
つながってゆく気がして
荒れたくちびるを、恥じらう
ふゆです


やさしさ ....
{引用=

一、この手

誰かと比べてみたならば
大きい小さいは
あるかも知れないけれど
空はあまりに広いし
海はあまりに重たくて
ほら、
ひとの手は
どうしようもないくらいに
 ....
{引用=


一、ヘヴンズ・ヒル

枯れることなく
花の咲きみだれても
それは
開くことをしない
閉じられたままの
かなしみの
すそ

風が
つねに優しいならば
怯えるこ ....
そらにもよ
でっかいそらが まつんだと

まんずだまって みあげてみれ
そっだらここちが するもんだでよ
ふしぎなもんさな
なしてかな

はらっぱはよ うみのすみっこなんだと
うなば ....
つきの誘いにうみは揺れ
えいえんのわかれが
ちぎられてゆく

みずのかがみに映るのは
浮かびのひかりか
しずみのそこか
こたえをつかめぬまま
円い波だけが
のこされて
ここ ....
のら犬がいた

そいつは
安全な距離を保ちながら
一生懸命に
オレを吠えた

かるく
しっぽが揺れていた
もとは白かっただろうに
よごれた茶色が寂しかった


砂利道にし ....
ときには
顔を真っ赤にしながら
たくさんの風船を膨らませてきました

割れたものも
木の枝から離れなかったものも
見知らぬ空や海の彼方へと流れたままの
ものもあります

それは ....
水が割れるのです

いま
指先の銀の引き潮に
水が
割れるのです


うなじを笑い去るものには
薄氷の影の匂い
たちこめてゆきます
たちこめてゆくの
です


紫色の ....
一羽の鳥が空をゆく

わたしには
その背中が見えない

いつか
図鑑で眺めたはずの
おぼろな記憶を手がかりに
爪の先ほどの
空ゆく姿を
わたしは
何倍にも引き伸ばす

こんな ....
蒼く枯れるまで傍にいて下さい

たなびく煙に ほそめるひとみは
可憐な強さを{ルビ匿=かくま}って
夜風に つめは うるおいながら
{ルビ狡猾=こうかつ}な よわさに長けてゆきます

そ ....
千月 話子さんの千波 一也さんおすすめリスト(57)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
青い鳥- 千波 一 ...自由詩26*08-2-3
真夜中しっぽ- 千波 一 ...自由詩20*07-12-28
七月のかなた- 千波 一 ...自由詩18*07-12-8
肺呼吸- 千波 一 ...自由詩27+*07-10-10
呼ばれている- 千波 一 ...自由詩36*07-8-30
よごれもの- 千波 一 ...自由詩13*07-8-8
重みを確かめては来なかった- 千波 一 ...自由詩14*07-7-18
陰影- 千波 一 ...未詩・独白11*07-7-3
未完成- 千波 一 ...自由詩14*07-7-1
少年世界- 千波 一 ...自由詩8*07-6-30
あおぞらがきれい- 千波 一 ...自由詩17*07-6-15
面影- 千波 一 ...自由詩30*07-5-28
はぐれ水- 千波 一 ...自由詩26*07-4-27
四月迎え- 千波 一 ...自由詩28*07-4-14
ぬかるむはる- 千波 一 ...自由詩25*07-3-26
蝶々結び- 千波 一 ...自由詩40+*07-3-22
真冬を知らない- 千波 一 ...自由詩14*07-2-27
空のしるべ- 千波 一 ...自由詩28*07-1-21
六番目の季節- 千波 一 ...自由詩22*07-1-2
黄金へ向かう鳥- 千波 一 ...自由詩17*06-12-26
雪の香- 千波 一 ...自由詩18*06-12-15
小詩集【ちいさなてのひら】- 千波 一 ...自由詩18*06-12-5
小詩集【招かれざる客をあばく夕べの招待状】- 千波 一 ...自由詩15*06-10-25
したっけな- 千波 一 ...自由詩21*06-10-12
水没ハーモニー- 千波 一 ...自由詩19*06-10-5
久しぶりに微笑んだ- 千波 一 ...自由詩15*06-9-12
風船のあふれる部屋- 千波 一 ...自由詩15*06-8-31
十六夜- 千波 一 ...自由詩19*06-8-24
鳥のうた- 千波 一 ...自由詩17*06-8-22
夜伽歌- 千波 一 ...自由詩17*06-8-5

Home 次へ
1 2 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する