カナカナ
蒼木りん

カナカナが
鳴いていた

紅の夕日が沈むのさえ
浸れない私だった

いつの間にか
蚊に刺されていて

皴の多い手は
なかなか美しくなれないでいる

自分だけを愛していた頃は
夢も見れたのに

どうして
魂まで売ってしまった

買い戻す術を探して
四苦八苦をたどる

ドナドナを唄う
青い目の人形を唄う

カナカナカナは
フェードアウトする






未詩・独白 カナカナ Copyright 蒼木りん 2005-07-17 22:56:38
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