ある建物のロビーに座っていると
少し離れた場所に並んでいるコインロッカーの鍵のうち
ひとつだけが震えていて
「どこにもいけない」
と聞こえた

「そうだな」
と言うと
 ....
最後の人が飛び降りたまま
裏返ったブランコの鎖が歪に静止している
翌日になれば元に戻される、それだけのこと
わたしは、もうずっと公園にいない
だから知らない


ブランコ ....
涙をこらえて

壊れかけたつり橋を

ひとりで渡ろう

そうしないと

僕は前に進めない

涙をこらえて

激流を渡ろう

そうしないと

僕は君の幻から離れられない
 ....
縁側で闇を見ている妹の白いうなじが僕を呼んでる


夏野山汗ばみながら駆けてゆくゆくえふめいの妹の兄


鉄塔の錆びた階段昇りゆく100階したから姉とは呼べづ


鏡台に映る妹べにを ....
男の昼はネギで始まると信じているわけでもなかろうに
君は駅のホームでネギを振り回している
君が普段ネギを買えるほどの暮らしをしていないのは
君のその身なりからすぐに推察できるけれど
駅 ....
手のひらに握り締めた
生まれつきひび割れた蝉のひび割れた雲母
手のひらの中のその震えと光とを
唯一手に負える夏の単位として感じていた


けれど、もしも
手のひらの中の光など単な ....
おまえに何が解るんだ

と怒鳴ったら
君は君が解る事を話し始めた

あんなことや
こんなことや
そんなことまで

ふと気が付くと
僕は君の胸に
すっぽり抱かれて

小さな勇気 ....
こうべをたれて 落ち込んでいるきみに
そんなポーズは いらないんだよ と 話しかける
そうしたら ふーん といって
すっくと立ち上がって
それまで座っていたイスを
ふりあげ
ふりあげ
さ ....
 黒というよりかは藍色の夜空を羽虫が通過した。深夜のコンビニエンスストアー。壁面ガラスには黒い点が、わさわさしている。ため息をつきながら、私はキンチョールの煙をその点々に振りかけていく、そうして落ちて .... 地蔵菩薩の前に 立った
声がする
私のものでもあり 私のものでない
声がする

聞こえてくる声と
聞こえない声と

地蔵菩薩の前に 立った
私は
目の前に立つ人に 気づく
手 ....
夕立が来る

7階の窓から
君と
西の空を待つ
真っ黒な雲が空を覆う
風が
ビョウ、と低く鳴く

その風をまともに受けて
コウちゃんの顔は
明らかに変である

うひゃあ、とか ....
銀行員は、銀行員は、きっと詩人
だってあんなに恐い顔で
必死に電卓叩いてる

 八百屋さんは、八百屋さんは、きっと詩人
 だってあんなに大きな声で
 今日もお歌を歌ってる

  ....
奥まった場所に入ってみると
未開封のまま使われなかった気持ちがあって
いつだってつまずきながら走り抜けてきたこころだから
止まらない雨に洗い流されてみたいときもある

ハリー、ハリー
誰か ....
女の残り香が飽和した部屋の片隅のベットを
夏が来る前にシングルにしよう
と決めてから

もう何度も朝日を浴びて
僕が寝返りを打つたびに
ぐっと沈み込みながら
男臭いにおいを嗅ぎ続けてくれ ....
鉱 山 や 氷 河 期 抱 き 耐 え る 夏


網 戸 ご し 細 か い 夜 が 並 ん で る


盆 支 度 墓 の 間 に 間 に 少 女 た ち


盲 目 の 父 と ....
どうしようもなさも手伝って
今日の夜は37度
人に縋るのも止したいような暑さです



あなたは決まって三歩先
速度を緩める優しさです
月だけ大きく真黄色で
止ま ....
さびしさに
ひざをかかえて
タオルケットははいだまま
「る」の字でねむる

あの{ルビ娘=こ}は今頃
遠い空の下
今夜も誰かに抱かれて
求めあう「る」と「る」を
くみあわせてる

 ....
 佐藤君は思います。

 たまには西田君みたいに
 晒されたり裏返されたり、
 そんな生き方もいいかも知れない。

 いくつもの賞をもらっても、
 皮を剥がれ焼かれ煮詰まり
 透明な堅 ....
箱の中には
何も、入ってなかった


でも

箱が無ければ
思い出なんて、なかった
ぐおん
と唸りをあげて
自動販売機が震え出す夏
電車のゆれる空間で
ヘッドフォンの君を見る

ひどく 暑い
冷房が壊れているとか何とか
聞き取りにくい声でアナウンスしていた
ような気 ....
銀河の天秤がゆっくりと傾いて
月がかろやかに昇ってゆきます
夏の星座の中心へです

澄んだ湖面は夜空をうつし
魚が背びれに月明かりをうけて
チカリ、チカリと輝きながら泳ぎ
まるで流星のよ ....
   
    ちらつきながら水平に下り
    疲労の渦を抱いて
    硝子瓶の粒輪が昇る 
    ミネラルの刺激
    風鈴でうすまる
    ソーダ水



    ....
ほんじつ
ちかりょこうへ
ごどうこうさせて
いただきます
ガイドです
よろしく
おねがいいたします
みなさまと
おもいでに
なるような
りょこうに
したいと
おもっておりま ....
夜空にパンチ。


その紙くずは

目覚めの頃に

見つかるだろう。


薄水色の

明け方の空に。
夕刻
おとこまさりの包丁裁きで
頭を落として
からだを開いた

中骨を
刃先でなぞる
膜を破る
洗い 流す
ぴりぴりとあかい
赤は
どこまでも
泣き止まない


鍋の底で ....
実家に帰った妻から電話があった
私はその時一人で部屋にいた
お互いの今日の無事を確認した後
私は巨人が広島に負けていると告げた
長距離電話
他に話すこともあるだろうに妻は
清原の調子はどう ....
二組の親指と人差し指で
フォトグラフを撮りながら僕らは
あの一瞬一瞬を上手に繋げて
永遠を作り出す予定だった

空に雲は要らなかったし
海に波は要らなかった
砂浜に足を浸した少女が
僕 ....
苫小牧の少女が一篇の詩を書き上げる頃
渋谷の未成年たちは今日の居場所を探す
小さなハコで鮨詰めになって揺れながら
沖縄の夜の珊瑚礁を思う
糸井川の漁村の少年は
明日の朝の漁を邪魔 ....
ふうわり 心地よい うたは
ふと めをつむり 眠くなり

つらぬくような つらい詩は
ぼろぼろ 泣けて 目が霞む

胸のあたり に くすくすと
笑える詩 には 逆らえない

 ....
歩き出す 30分で寝るために回り続けた扇風機まで

売春で出会った君が好きだったロイズのチョコを噛んだりしてる

今一度死んでもいいというような気分で英語の授業を受ける

明日の朝、起きら ....
千月 話子さんのおすすめリスト(2082)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ノート(41Y.7・15)- 木立 悟未詩・独白504-7-16
公園にいない- A道化自由詩1804-7-16
★98_ナミダ- 貴水 水 ...自由詩704-7-14
夜光中- 本木はじ ...短歌3504-7-14
昼、ネギを持った男が- いとう未詩・独白1104-7-13
手に負えない夏- A道化自由詩1004-7-13
その朝のコーヒー- ミサイル ...自由詩504-7-13
ああ_そういう_からくりなのね- かなりや自由詩304-7-12
羽虫- 生田散文(批評 ...804-7-12
断片的な世界の中で- まつお自由詩304-7-12
夕立- umineko自由詩504-7-12
日々想々- たもつ自由詩904-7-11
ハリー、ハリー- 霜天自由詩604-7-11
さよなら- 窪ワタル自由詩32*04-7-11
夏未完- 本木はじ ...俳句18*04-7-10
人工涙液- フユナ未詩・独白5*04-7-10
「る」- 服部 剛未詩・独白31*04-7-9
友情(税込1030円)- 涼(すず ...自由詩804-7-9
消える- 携帯写真+ ...904-7-9
ヘッドフォンの奥で- 霜天自由詩504-7-9
星の音楽- ワタナベ自由詩28*04-7-8
清涼- 湾鶴自由詩10*04-7-7
へんてこ_りょこう- 玉兎自由詩9*04-7-7
つき- 涼(すず ...自由詩404-7-6
あいまいなからだ- 自由詩14*04-7-6
長距離電話- たもつ自由詩904-7-6
群れる青、その一部始終- ピッピ自由詩5*04-7-5
遠い朝、泣かない夜- いとう未詩・独白21*04-7-5
うた- 砂木自由詩11*04-7-4
回り続けた扇風機- ピッピ短歌18*04-7-3

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