一本百円のだいこを買って きょうは煮だいこにする

頭からしっぽまで えいえいと皮をはいで

すりきり水 ひとつまみ塩 ひとつまみ砂糖 昆布

この時期のは 霜が噛んでいておいしい と ....
穏やかな平行の視線
温もりのすき間に
優しい花を飾って

大きさの違う手のひら
重ねても埋まりきらない
埋めなくていい

近付いて
震え
離れては
響く

声も
色も
匂 ....
僕は生まれついての詩人じゃない
僕は詩人になりたいだけだ
健全な太陽が
窓の外の林を眩く照らし出した
光は
優しく全てを温めてゆく

直視できなかった
きっと涙がこぼれてしまう
疲れ果てて
こんなにも痛んだ胸に沁みて

今わかった
尖っ ....
ねぇ 朝だよ 朝

うるさいなぁ  僕には関係無いだろ?

君が羨ましいよ

本当 心底ね
   灯油ファンヒーターが音立てて
   なっている   
   6時前の朝
   どこかから風がもれてのだろうか
   寒い まだカーテンは締め切きったままだ
   からすがとおく ....
包装のプチプチをぷちぷちしてるとき
まちのはずれでは夜が夕景を食べていました


ペットボトルのお茶が
中途半端に飲まれることを怒っています


ショベルカーは「ごめんね」と言いながら ....
消えていく
痛みをなぞりながら
その痕こそが
証であるかのように

鮮やかに
鳴いている
幾羽か、を、目に
焼き付けることもなく
空の夢をよく見るのだと
その人はうつむく
 ....
ひらひらと迷い込む木の葉
切り株で一休み
「こんにちわー!」なんて何も知らず

暖かい微笑みで
「十分休んでおいき」と言った
切り株の声、コントラバス

奏でる物語に聞き惚れて
切り ....
会ってご飯食べてチューしてそれから
恋人になりたいって
言われても
さらさら流れる感情をどこかでせき止めて
今日から恋人だなんてどこかおかしい
ちゃんちゃらおかしい
自然に恋人になれないの ....
〔3月の風〕
風上に向い口を開ける
口の中を短い鼓動で回流する風は
粘膜を乾かすことをやめようとしない

〔幼少の頃、〕
「この子は他の子より唾液が多いみたいで」
母は決まっ ....
こんな日は自分以外の誰彼の必要性を問うたりしない


遠い日の約束 あれが最後だと分かってたなら守っていたよ


東から西から差し込む宵闇が君をさらってさよならもせず

 ....
きょう、は
明るめの服を着て
ほのかに染まっていく
午後に立っています
炭酸飲料のはじけるビンの底
向こう側が、揺らいで
私の午後も揺れます


クロール、ビンの中を


眠り ....
巨大な象に踏まれた早朝のグラウンドで
石灰で描かれた白いラインを挟んで
きみとぼく こんなに遠い
舞い上がる砂埃につつまれて
ほどけてゆく朝陽が
冷酷なやわらかさで広がってゆく
ここにきみ ....
街の喧騒の中で

取り残された

迷子のように

俺は

立ちすくんでしまった

明日はどこへ行こう

明日はどこへ行ったらいいんだろう

ネオンに聞いたところで

答 ....
ゆらんとした
わたしのおなかのなかで
じゅうぶんな呼吸をし
みちみちて
のんだり 跳ねたり 食べたり
していた
もう うまくは
おもいだせない
ゆうべ
かっこうわるい
シャツの柄
 ....
どうにもこうにも
犬の糞をふんずけてしまった時みたいに
マヌケだ
きれいにかしこまった感じで
「どうでもいいよ」と
受話器からのご返事
ああ
がぶがぶとポカリでも飲んで
その後ティラミ ....
君がふと
だまりこむだけで
私は遠くへとばされる
沈黙という名の遠心力によって
私は遠くへとばされる
『11人いる!』(1975)の続編は、『東の地平・西の永遠』(1976)だということになっている。登場人物は同じだし、話は続いてるし、まあ間違いなく続編ではある。ではある。ではある。ではあるけどな、あ .... 空が一人で降りてくる事の無いよう
山がいたりします


雲が寂しがらないよう
風が一緒に流れます


木の幹が温かいよう
日が優しく話しかけます



全部優しくつながってる ....
 
  ★ 落ちてくるラメ入りの空
  高架線の駅からは
  遠くが見える
  夕方のラッシュ時の
  高校生のおしゃべり
  同じ空に目をくれるものはいない
  みんな街に帰 ....
不意に
香り
する時ある

身体を
幾度も洗い

新しい
香りもつけているのに

こんなにも

意識が震える程
私は
一人であるのに

毛穴に
体中に

 ....
夜中にふと
トイレに行きたくなる
でも起きられない
ほんとはまだわたしは眠ってる
暗闇のなか

いろんなことを思い出す
並列した思い出たち
クリックしたらすぐ次のページに行くよ
かな ....
夕暮れ時のトイレで俺は
花子を殴る
ドリフの大爆笑のオープニングテーマを高らかに歌い
俺は花子を殴り続ける
だって、お化けだぜえ、恐怖だぜえ、恐いんだぜえ
俺は花子を殴る
花子は微 ....
                    124時 @ハト通信

だあれも
とおらないみちを
ひとばんじゅう
てらして
なんにちも
なんかげつも
てらしつづけて
きれてしまった
 ....
たったひとつも
あなたを連想させるもの

のこさないまま
あなたは
去っていった


流砂にかざす
わたしの左手
の皮膚に
規則正しい、起伏
風、止んでなお
砂は散り
水 ....
詩集が100万部売れて

60億円たまったら

全世界の人々に

1円ずつ配りたい。


そういうぽえむを、

わたしはかきたい。
愚かにも駅の天井を何故
消化器官に似せてしまったのでしょう
そこでは、羽音震わす蛍光灯
その仄青い痙攣から逃れ切れず
静かに分裂した影の群れが
仄青く集う硝子、地下鉄のドア

 ....
ばあちゃんは髪結いになりたかったのだと聞いた

襟足を剃ってもらった
花嫁になるでもない子どもの頃に

髪結いの修行のために東京へ向う前の日
じいちゃんと結婚することが決まった

ばあ ....
スプーンに 乗っている
人待ち指 

のぞきこんでは
大きな眼ばかり

いたずらに
一周させて

どうしても
のみほしてしまいたい
ポーズは

さっき
はじめた
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