紅葉坂のプラネタリウムは
横浜の夕暮れと星屑
石畳を下れば
恋の数ほどの壁画群

駅前に着くと
冷たくて頭が痛くなる
メロンジュースを飲み干す俺の横に
君がいつも
君がいつも

 ....
その時のぼくには
どんな光も
光 だった


高層ビルのあちこちでは
松明が焚かれ
人はそれを
空から眺めては
都会などと
よぶ


灯台ならば
向かうべき先を
教えてく ....
空にはたくさんの色があった
傾いたその縁に支えられたのはいつだっけ
鉄塔が突き刺さった夕日
思い出せないほど前から続く
そんな夕暮れ


帰ろう
が口癖だった頃
いつも隣のあの人が
 ....
とても疲れていたので
キスをした
とても疲れていたので
キスしかできなかった
でもとても安心した
なかなか安心なんてできない
角膜の表面にて
夏の日は湿った瞬きだらけになり
結局はわたし目蓋でその色彩を瞑り流します
そう、悲しい映写幕として
角膜は常時日陰です


鼓膜の表面にて
夏の波動は痒みに酷似 ....
  


県立病院前バス停で見知らぬ女性に声をかけられて
よくよく 顔をよくよく見てみれば
あの色黒で歯のやけに白かった娘じゃないか

こんなに色白でスマートになるならば
あの日の体育 ....
痙攣している右手で
聞いたこともない山々や
見たこともない街並みを描く君
僕はくだらない登山家として描かれ
どんな街並みなのか見ることもなく
いつまでも登り続けている
だけど君の手が震えて ....
ぞうきんは古いのを
うんと搾れば
ぽろりとイヤリングがこぼれ

枯草の下で温泉につかっている土を
にぎりしめれば
ゆでたまごが硫黄の赤ん坊を抱えてでてきた

しとしと溢れる露を
石に ....
世界は
もっと不思議なままでよかったのに
虹の七色
逃げ水
姿見
知ってしまった全てが
恨めしい




君よ
その背中を覆う漆黒は
僕の夜だ
初めに与えたのは君のほう ....
水びたしの指で
コンセントに差しこもうとした
叱られた
しらない世界はいっぱいある
目のまえのオーブンの火照りもしらない
けれど追いかけたりしない
食パンにまかせて
いいとおもう

 ....
そらいろの
きれいなびんをひろったので
ていねいにあらって
ひるのあいだ
えんがわにおいてみた
ゆうがたには
とうめいなみずがいっぱいたまって
びんのそらいろが
ゆるゆるととけだし ....
水路に打ちつけた

あるいは カラダ


案内いたしましょう。


永遠の少し手前 
果てのない海の
目印に


鳥や魚たちの旅は
今この時もなお続いている
なにを目印 ....
泡立たず
飛散した
夏の光の下
沸騰前のアスファルト
その沈黙、の蒸れ上がり
その、陽炎


提げた虫籠の中
音から立つ
蝉の
匂い
それを
汗を分泌して拒み ....
つゆやみの夜
降りしきる蛙の鳴き声
このたくさんの鳴き声の中にも
さみしい蛙はいるのです

呼ばれているような気がして
サンダルを履いて庭に出てみると
蛙の鳴き声が辺りを包みます
白い ....
  きぃ

       きぃ

  きぃ


身体ごと
時間ごと
空に放り出される


日常の中で
くすぶった思いを抱えたままの
私を放り投げる
留まろうとする
観念 ....
さらいにきました
年頃の女は
一人暮らしか 男と暮らしたほうがいい
じゃないと
どこか痛いとき
痛いところに布がかかってるか気にしないといけないじゃないか

終わった
いろいろと終わっ ....
食卓レモンのかなしみは
食卓ってなんだ?と
となりのワサビに聞かれたり
きいろの表面に こまかい凹凸
みどりのふたが 大きすぎても
レモンになろうと 
もがいているようで
かなし ....
空き缶だらけの中から割り箸を見つけて
しかも 割れてなかったから割ってみた
それだけだ

見通すことも 燃やすこともない
トイレの壁紙はお前のシャツの柄に似てくるだろう
その薄い胸毛を 蹴 ....
 沈黙の闇に寝そべり

 ああ此処も

 宇宙のどこかと

 耳を澄ませる
 太陽から
 熟したとこだけ溶け出して
 夜に残った
 
 ぽったりとカスタードクリーム色の
 満月が
 今日はでていた

 あんまり見事だから
 僕はぼーっと見上げて立ち止まっ ....
デートの帰り道

疲れて大あくびをしたら
そのまま体が裏返ってしまった

あわてて元に戻すと
君が泣いていた

ごめんね驚かせて
もう大丈夫だよ


言おうとしたら
君がく ....
平日


関西には大阪という名前の大きな猫がいて
背中に通天閣を生やしたり
わき腹に天王寺を縁取ったりして
とても猫とは思えないような奇声を発しながら
のそのそと同じところを行ったり ....
困ったな
すごく困った
気持ちいいところ
ずっと押されてるみたい
ビリビリビリビリ
警報が鳴ってる
ドーパミン大放出
わたしもあなたも
快楽に弱いのは一緒
すごい
気が合うね

 ....
朝、とても慌てていて
とにかく、慌てていて
うっかり捨てそびれていた
穴のあいたパンツをはいてきてしまった。

気がついた時には
私の体は宙に舞っていて
遠くで
誰かの叫ぶ声がして ....
:うっかりおとした粗塩 
:お砂糖小さじ一杯
:醤油大さじ三杯
:みりんキャップ一杯

それぞれ玄関にならべて一晩ねかせます

羽虫やアリが運びます そして よくわからない虫も
お ....
僕は、いつものように、
かのん、と救急車に乗っていた。
かのん、は三つで
救急車はキライで
でも、救急車のおじさんはヤサシイ、
って言う。
透明な酸素吸入マスクのゴムがきつくて
イヤイヤ ....
哀しみの雨雲
いつか君は持ち去って
水色の刹那
心さえ晴れわたる
ぽっかりと口をあけた青空は
いつまでも遠いけど
今 私はここにいる
あたたかいタクシでした
ぼくはうしろのざせきで
よこになっていました

おねえちゃんはとなり
まえのざさきにはお母さんです
お父さんはいません

なぜかお母さんは
ぼくたちに話したこ ....
  


いつの日かの憧れであった

本郷で道に迷った

しめしめと にたり顔で

坂道

のぼるとお稲荷さん


帰りたい

帰れない


僕の場所でない場所に ....
僕が6分かけて君が どうして間違っているか
ていねいに 論理的に説明しても 君は

  「だってキライなんだもん」

僕は コッパミジン

君の理不尽さは いつでも的を射ている

メ ....
千月 話子さんのおすすめリスト(2082)
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