夏休み前の教室で
ぼんやり先生の授業を聞いていた

教室の窓の外では
アブラゼミがうるさいくらいに鳴いていて
授業に集中できない僕の頭の中を
これでもかというほど占領していた

ジージ ....
もう着るものかどうか、わからないけれど
さらさら、木綿の肌に触れる

待ちうける その時の
今 やってきた季節のさかりに
たくさんの声がする
行こうか/行ってきます/行くよ/さあ
いって ....
見えない銃の見えない銃弾は
知らないうちに知らない人を撃ち続ける
見えない銃に撃たれたことのない人などほとんどいない
誰しもが一度は撃たれ、そのことに気付かず平然と過ごしている
見えない銃弾は ....
この僕を表すなんて

そんな物好きな奴らはいない

理由とか証明とか真実とか

そんな答えを求めた覚えはない

雨降り喜ぶのは

カエルとカタツムリと紫陽花位か

大概は夢の中 ....
すべてを
優柔不断なかまいたちのせい
にして
そこに何もなかったことにする
つもり

その傷のふたつみっつは
僕の記憶だったはず
なのに

ひざこぞうがわらいながら
泣き出した
 ....
海が
最後の一滴が
空を映した自在の青が
私は

消えるのをみた

ささくれた
広い砂漠だ
私は
確かに思う
そうか
私の心は
こんなにも
砂漠だったのだ
それを
満 ....
煙草の煙で出来た雲が蛍光灯の太陽を目指して昇って行く
それを見つめるお前さんの瞳には
瑠璃色の右と
金色の左とに
それぞれの空が宿り
色違い、二色のビー玉のレンズがころころと回り出す

小さな君の ....
夏の光を受けて 
蜘蛛の巣が
ガラス細工のようにきらめき
萎れた蜘蛛が
捕らわれた羽虫のように
ぶらさがっていた

コントレックスで
乾いた喉を潤し
灼けるような暑気に身をまかせ
 ....
光のうわずみ
草の行方を呑み干して
夜の鳥が鳴く
ここに居たい
ここに居たくない


願いと砂と滴の器
はばたきの影 眠りと頂
どこへゆくどこへゆく
美しさ ....
独りぽっちの君は
屋根の上に座り
じっと膝小僧を抱えて

星空を眺めていた。

独りぽっちの君は
部屋の隅に座り
じっと膝小僧を抱えて

畳の目を眺めていた。

独りぽっちの君 ....
 とうめいになりたいとねがった。
 
 かぎりなく、ゼロに近いとうめい。

 
 たとえば、試験管の底みたいな。
 
 たとえば、暗闇に光る街灯のオレンジみたいな。
   ....
ふりしきる、ふりしきるうるわしき影
原始の暗黒をつらぬいて
虚空の黒雨の冷たさは
墓守漂う雲のおとす
あふれる今朝を、幽かに青く息も吐く
並木道に風光りやがて歩む
無辺の肺臓澄みわたり
 ....
ヘビ娘冷えた喫茶にメール飛ぶ


血中を青く染めぬき涼をとる


夏サヤサヤと街角に流れ


兵隊の首が屋根裏にゴロゴロ午前三時


大鍋に歴史煮る電磁調理器


首が実 ....
それなりにしおらしく
包丁でうまいこと裂いてしまった指先
はがすものがなくなって
柔らかな
ぎざぎざとした表皮が波立つばかり
もう覗きこまれない
もう声をかけられない
もう遊べない
つ ....
パラパラ
パラと
中途半端に雨が降る

傘を持って行こうか躊躇する
空は薄曇り
天気予報も曇

曖昧なことが
日常には多すぎる

学校では
正解がある問題ばかり
教えられてき ....
大きめなバッグにぶら下げた薄桃色のバッジが揺れている
ちょっと誇らしそうで
それでいてたわいもない気恥ずかしさも感じられ

膨らみかげんにチェックをいれてしまう

どれくらいのひとが知って ....
  *1
宛先の無い便りがポストを探して彷徨っている
剥がれたかけた切手の刻印は遠い町の名が記されている
色褪せた封筒は数え切れない程の皺と手垢にまみれている
同封された写真には笑顔が二つ並んで ....
少し鼻にかかった柔らかな声が
携帯電話から溢れ出して
飾り気のない長い夜を
暖かな色で満たしていく

他愛ない話の繰り返しよりも
ひとつひとつの言葉よりも
君の声を近くに感じていたい ....
例えればあなたは
この砂漠に育った


風の紋様のように
年輪を刻んだ



太陽の灼くように
苦痛と恵みとがあって


月の照らすように
癒しと哀し ....
                  090713



ハンプティーダンプティーが屋根から転がって
芝生の上に座っているよ
猫みたいな顔しているのと
ご注進したのは
EF5861、日立 ....
ありだ、ありだ
ありの行列だ

一匹ずつ 何かを持ってる
整然と並んで行進してる

今にも小さなラッパと軍歌が
どこからともなく聞こえてきそう

黒い点線が端からどんどん
小さな巣 ....
あまりの暑さに立ち止まろうとしたら
影が自分よりも先を歩いていることに気づいた

慌てて追いかけてたどり着いた交差点

道路にはみ出した自分の影が
通り過ぎてゆく車にひかれている

何 ....
どっちを向いて眠っても

涙がこぼれて来る。




やっと眠りについたと思ったのに

自分の泣き声で目が覚めた。






時間を戻せたら。

出 ....
ああそうだったのか

机に書かれた小さな頃の落書きに

思い出し笑いをして

俺にもこんな時期があったんだなと

不覚にも年老いた感じになっていた

家の柱につけられたせいくらべの ....
来年のこの日を迎えられないことを前提に生きている

死は怖くはないが申し訳ない気持ちが胸に溢れている

あと一年世界平和でも目指して日々を生きようと思う

あとはお任せだ、果報も訃報も生き ....
社会にでていちばん痛感したことと言えば
正しいことが絶対ではない、ということだ

清濁併せのむ、ということではない
清濁は併せのんではいけない

正しいことを振りかざしても、それが伝播しな ....
燕たちは毎日忙しそうに
低空飛行で私の横をすり抜けていく
目にも止まらぬ速さに遅れをとり
ぶつからないと分かっていながら避けようとする
よくもまあ人身事故を起こさぬものだと感心しながら
前方 ....
輪ゴムを弄んでいたら
ぱちんッと弾けて切れた

がまんして がまんして
耐え切れなくなって
もうやめたッ

自分だけの ひとりよがりを抱え込んで
苛むのは やめにした

閉じていた ....
出口の見えないモノドラマ
無限大に広がる行間
暗闇色のボトルの中
いつまでも消えることのない気泡

秒針だけの目覚し時計
鳴るはずのない遠い約束
ミント味のする後悔の中
いつまでも ....
 *
季節の隅に置き去りにされた白い砂に刻んだ足跡が
風に運ばれて遠く旅立つ
情熱だけが高く舞い上がり青い空の藍に溶け込んで行く
白い雲の切れ間に漂う残像は
光の露となり
沸き立つ夏に飲まれてし ....
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