水色の匂いがした

午前の光に撹拌されて

僕と彼女の鼻に入り込んだ


どこかで蛙の卵が匂う

別れの空虚が

新たな予感が

季節を越えた

二人の匂いがしている
 ....
腹をすかせている子に
乳とパンを与える
喜んで飛びつく
重圧を感じる。

長女に久しぶりね!
と言われる。
痩せたね。と気が付く
人の話に耳を傾ける。

あーいい加減楽になりたい
 ....
美しさは
人見知りするのだろうか
いつもつつましい
声をかけられるまで
犬小屋でかくれんぼしている

驚きは
宇宙人なのだろうか
いつも未知との遭遇で
出会ったと思えば
突然消えて ....
 
一枚の雨
窓しかない列車が
なくした足を探していた
わたしがいたら
遊園地がある
その先端の細っこいところ
かわいそうな叔父さんの観覧車は
とても鮫だらけなので
わたしはひとつひ ....
 びおうびおうと風が吹いた。不純物が混ざると雑音も増すのだろう。雪混じりの風は音を強く感じる。雪国というと詩的情緒な感覚だが、実際は酷く暴力的だ。
 何せ、窓の外は三歩と進めば迷ってしまうほど視界が ....
雲の眼路 光る山脈
なびく髪 鹿{ルビ=しし}の鼓笛に
いにしへ返へる

    ☆

銀の微塵に 黒鞄のイムバネス
ゆれる菅穂 火山灰のみち

    ☆

稲の槍
黄水晶{ ....
魚よりも自由に水の中を泳ぎまわりたくて
馬よりも自由に草原を駆け回りたくて
狂ったように吹き荒れる窓の外を眺めながら
ずっと煙草を吸っているよ

鳥が自由じゃないのは知ってるし
死ぬまで泳 ....
繋がって
また
諦めた
歯がゆさで
ワンマン電車が走っていく

わたしの
肯定を知りたい

たくさんの競争心を
おぼえたふりをしていたらしい
甘やかされている時間にはふと
だれ ....
(此処が世界の真ん中ならば、波は人の心で
お互いが押せば道は閉ざされ
お互いが退けば道が開ける、と)

東西から押し寄せる波が分け隔てる此処と、あの島は
すぐ傍に在るのに果てしなく遠くもあり
渡 ....
ひとの気配に気付き上体を起こしてみると
逆光に髪の長いおんなの姿を認めた
それがあのひとの妻美佐子さんとの最初の出逢いだった

彼女について何かとあのひとから聞かされていたのと
私に用事があ ....
綿菓子の 桜の枝にうずくまる 蕾に咲けと 満月の夜

涙なら頬をつたって濡らすでしょう 春の足跡 そらの手鏡

春の星 咲いた証はあしもとで かざはなと舞い 銀河流れる
娘をうしない

生きているか

死んでいるかもわからない

そこにつけいった輩に

七千万円だましとられ

それでもきょうも娘を探している


不時着した日本兵をかくまった日 ....
はね橋が分かれ
呼吸が分かれる
緑は
重くなる


雨 行方 雨
行方 雨
窓のかたちの光が吹いて
窓のかたちの空に重なる


着いたはずのしずくは離れ
 ....
ある人が言った

置かれたところで、咲きなさい

日当たりが悪いから、
天気が悪いから、
土の栄養分が少ないから、
だから、咲けない

そうじゃなくて、

日当たりは悪いけれ ....
                  090308



今回の目標は
一次予選を突破して
決勝に出ることです。
もちろん優勝をしたいのですが、
それは時の運
優勝できるなんて
口が ....
暁に乗っていったよ

あれはね



遠い昔に知ってたのに



とても綺麗な息してたよ


あれはね





人と神様はね

重な ....
きみはいつも
つめたくて
とおくて
とおくて
ちかくなったら
みえなくなって
ふれてしまったら
きえちゃうひと


それでも
やさしさは
あたたかく
いつも
ぼくを ....
白っぽい視野の中に
草の生えた道があり
知らない樹木が立っていた

母は和服を着て
道にひとり佇んでいた
すると向こうから
何年も前に死んだ父が歩いて来た

ぱりっとした背広を着 ....
紅い錆の匂いの工場でお昼から夕方にかけて

カビた野球帽子の骸骨がやさしい手つきで万華鏡をのぞいて

開いた目の骨に虹彩がきらめく

小さなきらきらしたセイギのプラスチックとか好きだった僕 ....
水雲の秘めたる力都市襲う


辞書をひく紙の音さえ懐かしむ


遠くまで春宣言し我あゆむ
寒い季節の匂いがした





去年の寒い季節の記憶がよみがえった



引きこもってたんだよ私

それをジーナさんが一生懸命外に出そうとしてくれてたの

経堂に散 ....
セックスは関係ない
ピリオドも必要ない
足元はいつも広く

「本当は腰元から
巻き付けていたいんだ」
隠してる 秘密暴く

求め過ぎないでね、理由は。
自分にすら掴めないのに

 ....
宇宙に
ゴミという
概念はあるのでしょうか


***


しっぽのない人間は、
しっぽのある犬よりも劣っている
そんな世界も
あるかもしれません


***


ひ ....
誕生日の朝に
君から贈られたプレゼントは 
手のひらに乗るほど小さな
砂時計だった
君は透き通った瞳を向けて
僕にこう告げた

僕はこれから眠ることになる
僕は僕の夢のなかで 
タイ ....
  蟻が十匹でアリがトウ

  そうお伝えください

  冬は好きですか

  そうお伝えください

  口元にご飯粒ついてますよ

  そうお伝えくだ ....
宇宙と

そこに存在するものとのあいだには

違和感がある

物理学者も

宗教家も

画家も小説家も詩人も

私たちも

それと折り合いをつけようと

日々をいとなむ ....
沈丁花の、
高音域の匂いがした

夜半から降り出した雨に
気づくものはなく
ひたひたと地面に染み
羊水となって桜を産む

  きっと
  そこには寂しい幽霊がいる

咲いてしまっ ....
灰色のクレヨンひとつをにぎりしめ
まっしろな画用紙をくまなく灰に
塗りつぶしていたチビなぼくを
えんちょう先生は庭に呼んで
「ほらよくごらん 地面はね
灰色じゃないだろう? ちゃいろかな?
 ....
たとえば今日
寒い風に吹き晒されているとして
さらに明日は
寒い雨に凍えているかもしれない
それでも破れ傘を差して
ボトボト歩いていくだけだ

たとえば今日
温かい陽射しに抱きしめ ....
高速はビル群をすぎて

すると町並みはずいぶん平野で

夕暮れる武蔵野をはしっていた


白くて麗しい彼女に

告白してしまいそうだ

自由な選択

でもそのあとを知っている ....
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