帰りみちふる雪をふと見上げると

ストップモーションのようだった

たくさんの遠近感がゆっくり落ちていた

しんしんと

太郎も、次郎も寝ているあいだに

あしたは膝下くらいには積 ....
雨が宙の溝を流れる
音も光も流れ砕ける
見えない緑
見えない金に吼えつづける


夢と文は 同じ場所に居て
時おり向きを変えている
互いの息の影
互いの音の光を重 ....
冥王星から始まって
シリウス、シリウスBへ
カノープスが続く

アケルナルはエリダヌスで
はくちょうにはデネブ

落ちてこないのは ことのベガ

冬のオリオンにリゲル
北極星を見つ ....
 
 
かつて人だったものたちの
声に耳を澄ましている

繰り返される
波の音は
そのようにも聞こえ

バスは子供たちを乗せ
茜色に染まりながら
海岸線を通り過ぎていく
 
 ....
{引用=
にんげんに「いつか」の単位はないことを知らせるための報せが届く


あたたかくあまいものが頬をながれて部屋は焚いても焚いてもさむい


ほねになるただしい順序であることに最 ....
このように銀河は白く
星が密集して見えるわけですが
隣り合う星どうしでも
何光年という隔たりがあって
異なる時間と空間から出発した光が
一斉に辿り着いた
奇跡的な現象なのです

例えば ....
   凪が終わる時

授業が終わると道人は真っ先に教室を出た。いつもは軽音楽部の部室で、友人達ととりとめのない話をして、ベランダから演劇部の発声練習を眺めながら、本間裕子の姿を追いかけるのだが、今 ....
風が
静かになりました
背骨が曲がったまま
切り取られそうな
刃物を持った風が
止みました


世界では
他愛ないことですが
いまのうちに
背筋を伸ばして、
伸ばして
僕のこ ....
起きたら声が出なかった
声と鼻以外からだに異状はなかった

目に見えないなにかにやられてしまったよ
目に見えないなにかに
影響されてしまうだなんて人生みたいだね

人生も風邪のように治っ ....
人知れず錆びていく駅の鉄の柱達
開線当初の嬉々とした輝きは
今や夕暮れに溶け込んであまりにも静か

僕らを囲むすべてが知られることのない歴史を持ち寄って
今日を構築してる
遡ればほとんどの ....
  冬の夜道に
  息を殺して
  息づく
  痩せた空気
  その感触は覚えている
  街灯は僕の
  視界のずっと先で途切れ
  でもそこからも
  きっと続いている
  ....
結婚しないわたしへのあてつけなのかなと思った

今更ながらの大ぶりな段ボール箱の底
つややかな赤い実りをいたわるかのようにそれは敷かれていた

一見して母の達筆を思わせる簡潔な手紙には何一つ ....
夢の終わり際から
はぐれてしまわないために
さしだした手が
たどりつく見知らぬ行方
秋の終わりを騒々しく
告げる雨まじりの北風が
夕焼けあとの闇の色を
城跡の石垣に染みこませる

ま ....
昼の終わり
脚の痛み
毒を盛られ
曇の十字


まぶた くちびる
閉じかけたまま
文字も色も火も
越えてゆく日々


生まれたばかりの
あたたかく小さな闇 ....
十二月の
さみしい水の底から
きみのささやきに
耳を澄ませる

ふるえる感情の
ひとつ ひとしずく
その波紋
その不自由

どうして人は
急ぐのだろうね
日時計の影が
伸び縮 ....
闇のほつれが夜の樹となり
蒼を高みへ押し上げている
低い音のあつまりに
音のまだらに震え立つもの


冬を割り
冬を負い
夜の泡が
光を目指し


道の角ごとに
 ....
その石はまるで子宮のように
あの日 交わったときから
じっと守り続けた
ゆだるような潮風からも
氷点下の吹雪からも
じっと路傍で待ち続けた
ただじっと砕かれる日を
穿たれる時を
自らが ....
星を喰う獅子が落ち
彼方燃える夕刻に
寄る辺ない足取りは
今にも崩れそうな橋を想定した
白線を辿る

鼻歌が頭蓋に響いては
鞄を持って耳から逃げてゆく
使い物にならない両手で耳を塞ぐと ....
回転を少し止めた朝は
おだやかな
エメラルドの生地で

ひとつの心臓もない
白い砂床に
波のつぶやきを聴く

貝の肉のような
とりとめのない柔らかさに憧れ
ギリギリと角質の擦れ合う ....
冬が背中のうしろまで来ている
今夜の雨は仄かにぬるく
地上のものの体温をすべて奪う雨ではない
むしろ
ささくれ立った地表を磨き
朝が来る前に
つるりとした球体に変えようとしている
古びた ....
フレデリカ、日々は
青い円筒のかたちをしている
耳栓をきつくしめて
きみのための水泳をつづける





硬質なつめたい水面にはじかれるのはよわいこころだ、よわいこころだときみが ....
{引用=死して尚も取引される彼
死を回避しながらも墓石に値をつける詐欺師の群れ
安らかな終焉にまだ続きがあったなら
それでも彼は穏やかに旅立っただろうか}

シャーマン達が今日も街中で炎を焚 ....
眠れない夜の窓際で
二重に映る折れそうな月
見つめるわたしの虚像が屈折して
見知らぬ冬をさがしている

ひときわ風の音が強く思える夜は
肩の震えが止まらないものだ
ハーパーを湯で割って
 ....
むらさき
むらさき
光の仕草へ
近づく空


歩いてわたる
歩いてわたる
うつぶせの鏡の群れが浮かぶ水
背から背へ 背から背へ


城壁の角
影が空を仰ぎ ....
好きなものを嫌いになろうとしながら
他に脱出法がないのかと考えてみる
しかしあくまでそれに固執することで
鎖が外れるのではという可能性も信じている
損得勘定に身を委ねてみたいのに
犯人が残し ....
蓮華座のまどろむ椅子に腰かけて


透明に降る雨の甘さ


宿命をバネに飛び上がり越える


新たな領土発見 どこにこの魂に


愛の支配言葉の力 物語の始まり


ドッ ....
{引用=交換日記始めました。それはそれは可愛らしい、テディベアのようなノートでした。チョコレート色したベルベットの表紙には、赤いリボンが掛けてあって、その佇まいを眺めるだけで、自然と暖かな気持ちになれ .... 最小限だ
最小限を選ばなくては
引越しを間近に控えて
私はあせる


本は捨てられない
音楽
ギターはデフォルト
CD
取り込んだけど
それでもやっぱり連れて行こう

決 ....
 
 
一人目の盗賊は目を瞑った
二人目の盗賊は葉の匂いをかいだ
三人目の盗賊は百本の口紅を盗んだ後アル中の妻に口紅を一本買って帰った
四人目の盗賊は人形の頭を終日かじり続けた
五人目の盗 ....
あなたがあたしの
ほっぺたかくちびるを
だまってさわるのは合図

あなたがあたしの
ふくらみやへこみを
さすさすするのは合図

あなたがあたしの
顔のとても近くで
ねたふりをするの ....
夏嶋 真子さんのおすすめリスト(2197)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
大雪- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...310-1-1
冬とけだもの- 木立 悟自由詩610-1-1
銀の砂場- within自由詩12*10-1-1
記憶の海から- 小川 葉自由詩809-12-30
_______- 石畑由紀 ...短歌6*09-12-29
星の授業- 佐野権太自由詩16*09-12-29
凪が終わる時- within散文(批評 ...5*09-12-28
- 銀猫自由詩11*09-12-28
手紙- 吉岡ペペ ...自由詩509-12-24
骨達- 瑠王自由詩8*09-12-24
即興09/12/18- 草野春心自由詩4*09-12-18
犬印のひと- 恋月 ぴ ...自由詩18*09-12-15
フランジ・シンドローム- たりぽん ...自由詩5*09-12-13
冬と咆哮- 木立 悟自由詩409-12-12
ピアニシモ- 佐野権太自由詩28*09-12-12
降り来る言葉__XLIV- 木立 悟自由詩509-11-30
石に芽吹く花- within自由詩10*09-11-27
獅子と兎、声- 瑠王自由詩6*09-11-27
貝夢想- 佐野権太自由詩16*09-11-27
手を離せば- 銀猫自由詩10*09-11-26
だいすきなフレデリカ- ねことら自由詩909-11-26
鳩の多い街- 瑠王自由詩4*09-11-26
冬空の埋火- たりぽん ...自由詩5*09-11-25
傷の広場- 木立 悟自由詩509-11-25
価値観と舞台- 中原 那 ...自由詩8*09-11-25
自由な乗り越え- アハウ俳句2*09-11-25
二ページ目に恋の一文字- 光井 新自由詩109-11-25
エレメント- umineko自由詩4*09-11-25
十人の盗賊- たもつ自由詩809-11-24
すいこまれる- はちはち ...自由詩7*09-11-24

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