朝の庭は
淡い彩り
甘い匂いを
ほのかな空に
夢見る花は
微風に揺れ
ふわり
ゆらり
羽ばたいて
蝶よ
....
土煙りの中から少年と大男と若い女が現れた
少年と大男は同じ鳩と繋がっていた
若い女はこの世界の法則の例外を
そんなこともあるのかな、程度にしか気にとめていなかった
大男の右頬か ....
改090603
宇宙を旅する
きみの悲しみを
微惑星が消し
抑えがたい憂いは
彗星の尾が運ぶ
激情は、爆発誘発溶融
火球を吹き飛ばす勢いの
遊 ....
火に話しかけて
(夜の原のうつせみ)
応えはなく
空は硬く鳴る
花が降りてきては飛び去る
鳥は川を下る
無言がかがやき
鳥のあとを追う
花の楽器 ....
(序の刻)
ああ
そこにあるのは
あれは虹であって
虹ではないのです
天に昇ることを許されなかった
屍たちの描いた
放物線なのです
無残にも
灼熱地獄に照らされた
残尿の
....
美しい赤紫色の旋律弾けて
夕日が沈んでいく
幕が下り
紅潮した顔も
明日になれば澄んだ瞳で朝を迎えるのだろう
*
終わりなき道程も
休息を交えながら進むように
....
泣きたかったあの時
笑いたい毎日
作り笑いが上手さ
フェイクの自分
意志の塊
思いが千里をかける
メンフィスは再び{ルビ蘇=よみがえ}る
{ルビ古=いにしえ}の精神が今宵再び...
....
ガーベラが咲いていた、君の白い腕に。
色香を凌ぐ緋色の神秘は、
{引用="祖母が好きだったの"}
という一言で、とても優しい香りがした。
名前をもたない、雨 ....
いったい僕らはなぜ
神によって地球になげこまれたのか
惨めなまでに世界は醜くなる
いくら注ぎ込めば
人類はこんなにもおろかになるのか
直流する稲妻に乗って
いばらの ....
あんさん、覚えておきなはれ
京都のおんな、みんながみんな
はんなりしてるおもたらあきません
御着物似合うおもたらあきません
夜の先斗町はえらいにぎやか
酔っ払った兄さんたちがふらふらと
....
元々
私はワタシという
貴方はアナタという
混じり得ない表層
どうでもいいような
どうしようもないような
有象無象に惑わされるくらいなら
纏わりつくような煩わしさに浸かった日 ....
光 求め緑透けるほど見詰めている
海の音に誘われてゆく雲の先
読書して拾う言葉は貝の殻
泣きじゃくり終わったような青空だ
月青く遠回りした道照らす
時 ....
北極星が動かないのは
何故だろうかと考えている頃
地球は静かに回転している
北極星が動かないのは
地軸の延長上にあるからだと気づいた頃
地球はやはり静かに回転している
動いて見える ....
夏という字が
憂鬱の憂の字に見えてしょうがなかった
僕にとって夏はまさに憂鬱の季節だった
小・中・高と、ずっと水泳の授業が嫌だった
僕は無類のかなづちなのだ
小学校の時、テストで無理矢理25 ....
こないよ
こないよ
このまま
こないひとになるのかな
って
ぶつぶつ頭蓋骨の中でつぶやきながら
階段を下り
上り電車の風を見送る
制服の女の子が柱によりかかって
携帯を耳にあてる ....
蜂の巣の体で回す日傘の柄
訪れたここそこで我が骨拾う
ミゾオチにポッカリ開く風の穴
私とはひとつ違いだった
先生の評判を聞きつけて遠方から通ってくる
いわばミーハーな生徒さん同士
どちらからともなく話しかけると
すぐに古くからの友だちみたいに親しくなって
いわゆる「気の ....
森羅万象 欠けてはならぬ我影なきゆえ
完璧の形状であるこのコップ
欠け茶碗 愛おしさに白湯すする
白熊が死んじゃう、と言って
つけっぱなしの電気を
消してまわる君は
将来、かがくしゃになりたい
という
撒き散らかされた
鳥の餌のシードを片づけていると
芽がでればいいのに、なんて
....
君らが私の年輪を見遣る時には、すでに私は切り倒された後だろう。
残された私の上で、手を合わせるのは誰だろう。
そこから見える東雲は、成功と報酬に溢れているだろうか。
それとも人間らし ....
早い朝の淡い光線に君は濡れながらそれでも整然とした様子でそこに生きていた、俺は喉に突っかかるような痛みを覚えながら君の名前を呼ぼうとしたが、記憶に栓をされているみたいにそれはままならなかっ ....
生地を回して
伸ばして
カッコイイ
俺も作りたい!
トマトの乗った
ピッツァパイ
チーズたっぷり
サラミを乗せて
できあがり
ワイン飲んで
至福のひと時
仕事は午前で終わ ....
夏がとうとう力尽きた日
あおぞら渦巻いてぐるぐる
しおれた向日葵うずくまる
落とした蜜に蟻がたかる
タイのお面をつけてみる
ストレンジ・デイ、今日はストレンジ・デイ
七ツ頭のハイドラも今日 ....
近くのミニコープで向かいの奥さんが食料品を買いだめしていた
奥さんはミニコープのレジにかごを二つのせ
あしもとにはさらに四つのかごを置いていた
お子さんはお菓子を握りしめていた
インフルエンザ ....
雨音の創意は多分、
創痍に似た額装
明日以前を水平移動する
僕の為に
背中から
刺してくれ
部屋に
飴色を敷きつめ
古いレコードに
針をおとして
ベビーカーに寝かされて
泣いている赤ちゃんを
若い母が覗きこみ
「痛いの痛い飛んでいけ」と囁けば
不思議と笑みが浮かびます
産声を上げた誕生の日から
幾十年の月日は流れ
....
「コチラハ廃品回収車デス
御家庭デ不用ニナリマシタ
テレビ・エアコン・冷蔵庫等
壊レテイテモ、構イマセン 」
夕暮れ時に
2階の窓から眺めると
我家の前の川沿いの道を ....
影のない喪失感や葉の緑
樹の思想 地割り上昇スパイラル
ビルの谷 光渦巻く矩形の空
雑踏で一人影置く寂しさよ
出来そこないのヒラメキが余計な希望を与えるモンだから
無駄に盛り上がって今夜も明日への後悔の始まりだ。
心地のいいメロディーがやたらとステップ鳴らすから
思いもしないことを心に誓ってしま ....
二人で引いたおみくじは
その元旦の初詣の甲斐があったのか
二人とも大吉だった
大吉にも中身が色々あって
満点の大吉もあれば
赤点の大吉もあるということを
同時に ....
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