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私が死んだらどうか
庭には一面青い花を植えてほしい

春にはシラーとアリウムが
夏にはマツムシソウとラベンダーが
秋にはクジャクソウとリンドウが
冬にはミスミソウとヒヤシンスが
それぞれ ....
「おーい 空くん
 今日はやけに機嫌がいいねえ」
「ほーい 機嫌がいいさ」
「どうだい 見てごらんよ
 君があんまり機嫌がいいから
 ほら 風が歌っているよ」
「ほほう そうさねえ
 風 ....
わたしのなかのうたが戻って来ないので
別の誰かのうたを飼うことにした
今はやりの詩人のうただ

アンティークの鳥籠の中で
はやりのうたは
毎日ひとつずつ違ううたを歌ってくれる

人を愛 ....
どこまでも果てしないブルー憧れは波の彼方に今も揺られて

水平線沈む夕日を背に受けて終わった恋を海に葬る

悲しみは寄せては返す波のよう真珠の涙{ルビ零=こぼ}れたままで

今もなお忘れら ....
哀しみという名の街で
二人 出会ったの
涙雨の降る街角
空も泣いていた午後

さびしがりやの恋人たち
ガラス細工の傘をさして
色褪せた通りを歩いていたの

心の傷跡なぞるように
冷 ....
ようやく僕の窓にも光が差して来て
暖かな日差しを感じるようになって来た
めいっぱい窓を全開にすれば
この病んだ部屋にも新鮮な空気が入って来て
まるで心が洗われるよう

しばらく窓辺で風に吹 ....
{引用=・・・私死ぬのね
はらはらと満開の桜が散る中
私死んで行くのね・・・}


最後まであなたの愛にすがって生きていたかった
少しは私に愛が残っていると思っていたのに
結局あなたは私 ....
朽ち果てた誰も訪れる者もいない廃園
寂れた石畳の道をひとり歩く
色褪せた花壇には花一輪すら咲いてはおらず
春を謳歌していた面影はどこにもなかった

かつてこの花園で一輪の花を摘んだことがあっ ....
「牡羊座」

恋したら猪突猛進どこまでもちょっと待ったは無しの恋なの

「牡牛座」

石橋を叩いて渡るこの恋をゆっくりそっと見守っていて

「双子座」

あの人も好きだけどこの人も ....
星が流れる夜明け前
二人は無口になって
遥かな水平線みつめてた
流星尾を引いて空を行く
永遠を信じてここまで来たけれど
夜明けのファンタジア
教えておくれ
二人の夜はいつ明ける

海 ....
{引用=走って
走って
狼に追いつかれないように

走って
走って
森の奥へ奥へと

走って
走って
走って!}

「森の奥へは決して行っちゃいけないよ
 おまえのような若い ....
道を歩いていたら
言葉が落ちていたので
拾いながら歩く

拾った言葉を並べてみたら
詩のようなものができたので
額縁に入れて飾っておく

紅葉が一枚
はらりと落ちて
そこからまた言 ....
ビルの向こう沈む夕日を見送ってまた来る夜に足を踏み出す

夕暮れに金木犀の匂いたちやさしい{ルビ時間=とき}をしばし楽しむ

つかの間の光の中でかいま見た妖精の翅どこへ消えたの?

かくれ ....
私がふたごだったとき
ずっと森で暮らしてた
ふたりおそろいの服を着て
毎晩同じベッドで夢を貪りあった
ふたり一緒にいること
それが当たり前の世界だった

私がふたごだったとき
世界はひ ....
ばくだんの解体
まるで私の心をいじくりまわして
夜空の花火になるのに似ている
そしてあるいはハイウェイ
灰色の街の一本道を
バイクのように飛ばす鼓動
棘のある私の心
もう少しロマンチック ....
マラカイト・グリーンの風を追い越して
夏の扉を開けようと私は急ぐ
白い教会を通り過ぎ
聞こえる賛美歌に心はずませて
私は急ぐ 風に追い越されないように
向日葵の花の中で
白い蝶たちが私をせ ....
夏休み前の教室で
ぼんやり先生の授業を聞いていた

教室の窓の外では
アブラゼミがうるさいくらいに鳴いていて
授業に集中できない僕の頭の中を
これでもかというほど占領していた

ジージ ....
シグナルを待つ間
雨の音ばかり聞いていた
せつなさが押し寄せて
あわててアクセルを踏めば
頬を伝わる涙に気付く

外はサイレントレイン
あなたの声も聞こえない
まるで逃げるように車を飛 ....
窓ガラス滴る雫数えては不実な愛を嘆き悲しむ

雨の中傘もささずに飛び出せば君に出会えるそんな気がした

レインボウ追いかけて行くよどこまでもいつか君にたどり着くまで

紫陽花の冷たい青は君 ....
薔薇をあなたに
五月の薔薇をあなたにあげたくて
私はひとり庭をさまよっている

ハーブの花畑を通って
クレマチスの花園へ
キングサリのアーチをくぐったら
そこはもう薔薇迷宮
色とりどり ....
夕暮れ

さびしんぼう

だあれもいない公園で

影踏み
かけっこ
かくれんぼう

風といっしょに遊ぼうよ

いつも泣いてる
あの子とふたり
遊びにおいで
またおいで
 ....
やわらかに色紙の花園で
子猫が蝶々を追って駆けて行く
{ルビ淡紅色=ときいろ}の薫りを放つ花たちは
自慢の花びらを踊らせることにいそがしく
まるでそれは雨のように降りしきり
この花園を埋め尽 ....
風の中で震えていた瞳
あの日突然奪ったくちびるを
二度と忘れはしない

美しい少女よ
一生分の愛を君に捧げよう

自分勝手な愛で
君を愛し続けることを許して欲しい

例え永遠にこの ....
春になったばかりの頃
白い帽子を追いかけて
春風の中を駆けて行った

草原の若い草からは
真新しい緑の匂い
南の方からは
温かい日差しがさして来る
空が青くて
眩しくて見れない

 ....
あなたがそばにいるだけで
まわりが海に変わる
ほんの少しだけ夜のような
ほんの少しだけミステリアスな海
このまま小さな魚になって
あなたのまわりを漂っていたい


あなたは私の梢を揺ら ....
世界中にあふれている
たくさんの言葉たち

きれいな言葉
やさしい言葉
愛にあふれた言葉

どれもみんな素敵だけれど
でもちがうのよ

私が探しているのは
胸にかちりとはまる
 ....
虹を見ていた
空に放物線を描く光の帯を
虹を見ていた
あの日君と眺めた七色の輝きを
虹を見ていた
ただ黙って見ていた
思い出は今も胸に消えない懐かしい橋をかける

あの日僕らは雨上がり ....
ひとひら手のひらに舞い落ちる雪
触れたら溶けて消えるはかない命

かたくなな君の心を溶かすために
僕は幾夜も眠れぬ夜を過ごした
その冷たいまなざしはまるで雪姫
誰も愛することはない

 ....
この窓を開けると
いつでも夕暮れを見ることができます
橙色の空と感傷的な思い出たち
それらのものがいつでも見ることができるのです

今真っ赤な夕日が
水平線の彼方に沈んで行きます
あれは ....
ナイチンゲール 
あの人のためなら
ナイチンゲール 
命など惜しくは無いわ

あの人に出会って心震えたの
高鳴る思いに初めて
人を愛すること知ったのよ
もしもあなたが望むなら
この胸 ....
夏嶋 真子さんの未有花さんおすすめリスト(31)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ブルーガーデン- 未有花自由詩20*10-10-5
9月- 未有花自由詩9*10-9-1
うたを飼う- 未有花自由詩11*10-8-4
海の夢- 未有花短歌8*10-7-1
哀しみという名の街で- 未有花自由詩10*10-6-3
五月の窓- 未有花自由詩14*10-5-6
桜の花の満開の下で〜いつか鬼になる日まで〜- 未有花自由詩10*10-4-5
廃園- 未有花自由詩11*10-3-3
恋占い- 未有花短歌16*10-2-2
夜明けのファンタジア- 未有花自由詩14*10-1-5
森へ_〜私が狼になった日〜- 未有花自由詩14*09-11-10
秋は詩人- 未有花自由詩27*09-10-14
黄昏遊戯Ⅱ- 未有花短歌10*09-9-28
私がふたごだったとき- 未有花自由詩24*09-9-3
ばくだんの解体- 未有花自由詩14*09-8-18
マラカイト・グリーンの風を追い越して_−サナトリウムへー- 未有花自由詩11*09-8-5
夏の魔法- 未有花自由詩23*09-7-15
サイレントレイン- 未有花自由詩11*09-7-1
六月の恋- 未有花短歌14*09-6-9
ガーデン- 未有花自由詩21*09-5-19
夕暮れ_橙_さびしんぼう- 未有花自由詩21*09-4-22
花の森にて- 未有花自由詩19*09-4-13
アネモネ- 未有花自由詩17*09-3-24
- 未有花自由詩16*09-3-11
イマジネーション- 未有花自由詩25*09-2-17
迷子- 未有花自由詩17+*09-2-3
虹を見ていた- 未有花自由詩17*08-2-18
雪姫- 未有花自由詩14*07-2-1
たそがれ窓- 未有花自由詩13*06-10-20
ナイチンゲール- 未有花自由詩9*06-9-10

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