誰もがきっと探してる
心の穴を埋める
たった一粒の薬を
誰もがきっと求めてる
この世の果ての薬局にいる
あの不思議な薬剤師を
群衆に紛れた君が
ビル風に飛ばされそう ....
青空
もういいかい
まあだだよ
雲さん かくれんぼ
鬼さん こちら
とう かぞえるよ
お日さま ひとりぼっち
あか鬼さん
夕がた 来たら
たき火もするよ
....
禍々しく106ミリ無反動砲を六門装備した
巨大な蟹のようなM50オントスの装軌式車両が一台、
まったく人気のない夜の街を過ぎて
ビルに潜んだ甘い夢を殺しに、兵士たちは散った
すべての忌わし ....
朝、目が覚めたら
右の手のひらがチクンとした
キップだった
日付はちょうど1年前の今日
行き先は書いていなかった
チクン
今度は胸が痛かった
その日付を忘れるはずがない
忘れら ....
ひかりたからか
からか からか
穂の息ひそめ
言の火ふらす
窓のふくらみ
煉瓦の道
こだまする影
屋根に立つ影
風のなか揺るがぬ星や星
足の指がつ ....
皐月の緑は
翡翠のパレット
雨のひと粒ひと粒が
瞬間の王冠を
レインクラウンを飾ります
まだ淡い若葉は
ペリドットのピリオド
春はもう終わりです
ものみな落ち着きを取り戻しなさい
....
090509
偶然が作用する瞬間がある
偶然が蓋然となり
グーの音も言わせない
事実としての認識が
孤立感を深めて
コロッケを揚げさ ....
フワフワと寝息をたてる5時間目 首もすわっていない高3
文化祭のゆらめく熱気に泣きそうだ グリーン・デイに流されている
八月の涼しき図書館にて友のくれたるシュシュの複雑な柄
....
バスドラムも叩けない
自分を応援して
くれた皆
エレクトーンは習ったのに
もちろん指揮者にはなれない
拍子も数え間違え
シンバルの音で演奏停止
人数合わせの為にいる
演奏会は晴 ....
すべてはこのバスの中で完結している
ふとそんな言葉が頭を横切る
雨はもうじきあがるだろう
そうして所在無さげに
手すりの傘だけが残るのだろう
老人は窓と小説を交互に眺める
後ろのどこか ....
注ぐべきグラスに冷水 愛 流出
鉱物へ降りゆく叡智シリコン結晶す
理性の手 物質変容 地の満潮
菜の花に四十億度の御来光
手のひらの眼に写るガリレオの虹
しずけさや全天を闇に吸われ
瞳に果てなく青いコビトの花
土星へ渡る秘密ねむる夕凪
タンポポと数年前の冗談
天敵などいな ....
ゆびさきで
おそるおそるふれた
ぎんいろのフルートにうつる
じぶんがはずかしくて
おと
おとをかなでるなんて
ぼくにはできないだろうとおもった
くちびるをあてても
....
小さく咳をして
教室に吸い込まれる
革靴だけが吸い込まれずに
僕のいない廊下に取り残される
「大学の勉強などいったい何になるか」
これは本質的な問いなので歓迎されない
チョークで汚れた ....
れんあいが
そねえに大切なものでありますか
れんあい、恋をしてないのは
ひにんげん的といいたいのでありますか
おれはきみとマウントスラントしてみたい ....
*こどもは見ちゃダメの回だよ
「 エロ小説 」 作 えんぴつくん
アアン やめて ○×さん、エロ小説なんて言うの!
....
詩の生まれ方にもいろいろある
卵生
胎生
卵胎生
生きている詩ならば
生まれて生きる詩であるならば
金太郎飴をちょんちょん切って
毎日数だけ増やしてくってわけにはいかないだろう
....
春が来て
世の中が明るくなり
手をたたこう
声を呼ぼう
鼻歌歌って
口笛吹いて
首を振って
リズムに乗ろう
夕陽に向って
両手を広げよう
うたた寝したら
夕飯だー!
....
{引用=角川の「俳句」5月号の金子兜太氏の揮ごう「土」を見て。}
一歩二歩耕す土に歩み寄る
苗木植え土に会話の汗 清く
長靴を履いて水まく耕作地
緑色の風が薫る農道から
また少し小さくなった背中に
懐かしさと見馴れなさがやって来て
目頭を抑えることも忘れ
あてがわれた離れ屋に駆け込んだ
何で報いる事ができるのか
口に出そうとする ....
買ったばかり
ミルク色の
ぶ厚いカップをベッドにして
眠りたい
夕暮れには
もも色に染まるでしょう
鳥の羽が落ちたら
おふとんになるでしょう
静かに夜のカーテンひかれたら
星屑は
....
九十まで生きたいとか言っていた姉が
今は七十でいいみたいだ
介護を受けれるか受けれないか
ボーダーラインの老人たちの調査をするのが姉の仕事だ
老人は環境をかえるとすぐにボケてしまうらしい
だ ....
風のぬくもりが
わたしの瞼を閉ざす
風のぬくもりが
髪を掬う指先を早める
風のぬくもりが
昨日の足音 響かせる
風のぬくもりが
終わらぬ唄を 呼び覚ます
風のぬくもりが ....
090506
蜜柑箱の中に詰まった
蜜柑を食べ尽くした
60人が
つぎつぎと坐ったので
潰れてしまい
バラバラにされて
燃やされた
蜜柑箱の中に ....
人生の軽さを言いながら人生の重みを感じさ
せる。
そんな境地に僕もいつか辿り着けるの
だろうか。
ノイズとスクラッチとギターとピ
アノと正弦波とドラムとベースとライムのよ
....
一人の人間の内の
最も奥深い処に
遥かな昔
全ての大事な人が流された
あの大洪水の悲劇がある
全てが流れ去った
広い空の下の荒地に
たった一人取り遺された
遠いあの ....
見分けのつかない昨日と今日の間に
安物の叫びをはさんで
思いっきり口に押し込むのが
朝の儀式
律義なレタスと陽気なマスタードの間に
上品に叫びをはさんで
耳まで残さずに食べるのが
....
上澄みをそっとすくう
余分なものはなく
柔らかくしなやかで
手のひらからさらさらとこぼれる
太陽の光で酸素を作り
葉は濃緑を強める
表面の細い産毛には
小さな雫が張り付いている
....
猫がのびをするように
舌を出して
髪を風に翳して
眠るうちに
世界の大半が嘘に染まって
太陽さえもイミテーションになってしまう
午後に於ける
2時00分と云うものは
ひときわ ....
小さな巻貝の奥に
灯りがともる
小さな海の人が
書き物をしている
波から聞いた話を
青いインクでしたためる
書き終えると
小さくてごく薄い紙片を
丁寧にたたみ
小さな封筒に入れて
....
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