空き部屋になって久しい一階奥の角部屋
いっこうに入居の気配感じられなくて
郵便受けはチラシとかで溢れている
ポスティングするのが仕事なんだろうけど
声をかけたとしても臆すること無く
ほん ....
鉛色の岸辺
蒼い木馬が燃えている
塩辛く 蝕まれた 薄い身体を 震わせて
揺れている
錫色に泡立った 波頭の拍子を 執りながら
砂の一粒一粒は 鋭く ....
先天的な性質
どんなに抗おうとも
それはシーツの上での舞踏に過ぎない
反響する命の別名を半分だけ受け継ぎ
残りの半分は空気との親和にくれてやる
後天的な性質
魂である影を捨ててまで欲す ....
先生はもう液状になって
黒板の海を
白墨で汚している
本当は海の生き物たちが
みんな住んでいたはずなのに
僕の皮膚には朝から
いろいろなものが刺さって
痛くはないけど
....
ようやく僕の窓にも光が差して来て
暖かな日差しを感じるようになって来た
めいっぱい窓を全開にすれば
この病んだ部屋にも新鮮な空気が入って来て
まるで心が洗われるよう
しばらく窓辺で風に吹 ....
芽吹きは全ての緑
やがて水蒸気をまとい雲を作る
わずかな五月晴れも次に来る者たちのため
散る花を惜しむ心は
手をかざす真夏の太陽を待つことの言い訳
あるいは
また訪れる静寂の時への
....
青ざめた薔薇の横貌
月を相手にパントマイムするアルルカン
時計塔の溜息
幾重にも自己複製する記憶
仄昏いカルテ
見えない翼の天使
森の浮遊
虚空を音もなく走る硝子の列車
白い小鳥が描か ....
果物ナイフをきみは忘れたの
ドラマの星空が歌を歌うように
ベランダの一人の女を照らしている
それは街明かりなのかも知れない
次の日の公園で
ぼくは他の女とキスをし ....
速められたリズムは
濃紫の草むらへと
向かわせる
込み上げてくるものは
体内の水源
飲み込まれたものは
いつしか蒸発し
すり替わる
虫を殺してしまったら
かたつむりを踵で ....
エスカレーターに乗ったらAKB48の特大ポスターだらけ
メンバーそれぞれがアイドルらしさ決めている
化粧品でもと立ち寄っただけなのに
ちょっとびっくしだよね
私かわいいでしょって屈託の ....
世界の果てに
ベッドがひとつ
ぽつんとある
父が横になっている
わがままばかり言って困る、と
母から連絡を受けた僕が
その隣に立って
父を怒鳴りつけている
親に向かって ....
イマジンや
マインド・ゲームも
楽しんでいただろうし
たまにはポンコツのスバルで
真夜中を突っ走っていただろうけど
「ひ」なのか「し」なのか
最後まで分からなかった父親
女は世界の奴隷でないことも ....
生まれ育った
広い平野と
中部を仕切る
大きな 雪をかぶった山脈
初めてその山脈を目にしたとき
なんて 綺麗なのかと思った
だが
次第にその山脈は
あたしのココロに迫り
のし ....
見慣れない電車を
何度も乗り継いで
見知らぬ人達に
何度も道を尋ねて
見惚れた造花で
何度も指を切って
見損なった夕焼けを
何度も何度も許して
やっと辿り着いた
近所のコンビニで
アイスクリ ....
手が五股に分かれているのって、本当はとても気持ちが悪いことじゃないかってことに気付いたのは小学4年生くらいのときで、
「人はもともとみんなサカナだったんだよ」
って先生が言ったりしたからどうして指 ....
静かに蒸発するためには
まず、皮膚を脱ぐことが必要らしい
触れることが楽しいのは
まだ溶け込むことを知らないから
お互いの、もっと内側に近いところで
それでもふれあっているだけの
傍に ....
君は落ちながら音もなく
決して誰も音楽などではないのだと
落ちてゆく場所が君の望んだ場所なのか
光はひかりであってそれ以外の何ものでもない
誰かの願いをその身に受けながら否定も肯定もしない
....
わたしは海に潜れないだろう
だって、
こんなに小さな雨粒たちにも
頭痛がする
空も飛べないわたしは
地球の肌を
舐めるようにして
生きている
ナメクジに塩をかけた
あの頃は
....
巨きすぎる絵を
照らす拍手
また
照らす拍手
葉の影が
頬から動かない
音なでる指
なでる指
縦の水に沿い
三つの魂が立っている
渦の音 見えぬ ....
あなたは拾う。石を。躓いて、はじめて出血した記念に。いつか青い星の降る夜。額にのせて眠ると、夢のなかで恋が成就する。
※
空が割れて、水が落ちてくる。あなたはいつも、とつぜん訪れる。ウィザ ....
{引用=ふらっと車に乗って家を出たら
振り返ることを忘れてしまった
何処に向かうでもなく走って
走って走って走っていた
気の向くままに曲がったりして
まるで人生みたいだと思った
い ....
別に空が切り取られた訳じゃない
むしろ高層ビルの群れは空を望んだ形だろう
人が地上に建設した願望の手
その指先に立って手を伸ばしてもまだ届かない
屋上でも地上でも
見上げることしかできない
....
この世でいちばん寿命が永いのは宇宙だ
地球でいちばん寿命が永いのは
たぶん木ではないだろうか
だから木は地球で
宇宙のものまねをしているとも言えるのではないか
初出:2000年「詩人専用シナプス」
ヒマな時によく、詩のサイト巡りをする。ちょっと前まではwebringの営業のために、投稿コーナーのあるサイトを見て回ってた。Googleという検索サイ ....
{引用=
用してください。
の代わりに使用しないでく
薄めた中性洗剤を
確認し、緩みが
アルデヒド)が残
す事がありますの
い。
組み込んだ潮、飲み
新月の細胞が混ざっ
しなさ ....
”かあちゃん、ゆきを、さわりたいよ”
腕の中の子が囁く
”ゆきで、ぎゅっぎゅって、やりたいんだ”
蚊の泣くような小さな声で
お医者様に、冷たいものに触っては、駄目と言われている ....
なつかしい音
なつかしい音
なつかしい音
結局 わかんなかったな
なつかしい首
なつかしい首
なつかしい首
めんどくさいん ....
100417
並が、7
並が、8
並が良いと、
3が、
吠える朝
狼
大神
オオカミ
おおがみ
頬白が通り過ぎる海原に日が照る
....
そらのかわに
さかなが泳いで
さくら色のねこが
まえあしを伸ばす
ゆるゆると
はるは
僕の街にもやって来て
雲間のあおに流れていた
ひとつ花のアンビバレンス
嫉妬を誘うアマリリス
物憂気なアピアランス
砂漠のようなアンビエンス
夜に潜むアンタレス
群れる羊はアクイエス
耳打ちしたのはアスタロス
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74