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ひこうきが雲にとけてゆく
ひこうきの中
人が座っているのね
お茶をのんでいるのね
テレビをみてるのね
家の中のわたしとおんなじね
わたしは
まいにちまいにち
しっぱいや
べん ....
090226
キュウバンナンボということばを読んで
急場の堕落をイメージしたことはない
旧番は何だったんだろう
急な改革が続く ....
僕は切符を買うよ
いつもと同じ場所にむかう
日めくりをちぎるときに
忘れてしまうだろう、今日だから
僕は切符を買うよ
四十九枚の十円玉を投げ入れて
光るボタンで行ける場所
誰もが辿れ ....
昨日が、夜の中で解体されていく
肉体だけを、濡れた風がばらばらにして
過ぎ去り、それでもまだ鼓動は 宿る
わたしが必要としているものは
わたしの内部の、底辺にあって
....
スーパーカーより速く走りたいのさ
どんなメロディーよりも速く
鉄条網に寄りかかってジンジャーエールを飲みながら
セブンスターに火をつけてそんな事を考えたのさ
鈍色の錆びた鉄条網につかまりな ....
笑ってくれていたらいいな
そのほうが一日の変わり目
にじまないでいられるから
吠えるCALL
急いで階段等を
駆け降りるぼく
残した夜に進化
キャッチして明日の手
前後に揺れて ....
石積みの朝
陸橋はその歪んだ影を
路面に落とし
昨日までの工程を語り終えると
あなたは静かに
最後の生理を迎えるのだった
+
足音が擦り切れていく
あなたにとっ ....
きみが帰ってこないあの日から
砂時計の砂はさかさまにこぼれて、こぼれて、
しだいに、ちいさな子供になってしまう、夜
遠くで、つぶやくきみの言葉が、わたしの名前だといい
そんなふうにして ....
{引用=
吐き出したい、吐き出したい。
不安を全部、吐き出したい。
のに、あたしには口がない。
}
この口は、よく動く。
ほらね、
上下の唇が、くっついたり離れたりとせわしない。
よそ ....
生まれる数十年昔の、
日用品の、
生活の、
ごく普通の、
静かな生活の、
影に、
それに
出会いたい
....
とんぽとんぽ、とん
排水溝へおちてゆき
プールの中へおちてゆき
海水の中にまぎれてゆき
バラバラになりました
わたしは 雨です。
いいえ、雨でした、
ともだちも形をかえ
知らない所 ....
じわりじわりと 人の肩にそっと触れては
血をにじますように
わたしは、雨です。
ともだちは
長い針を射るはやさでおちていき
アスファルトにクラッシュしました
両親はずっとずっと厚い御空のふ ....
まったくおまえは屈託ない奴だ
食べたと思ったらもう笑っている
もう少し味わえばいいのに
笑い声、雲に吸い込まれ
雨が降ってきた
銀色の滴
みみずくの神様のお出ました
厳かに神 ....
ひき肉を買った
何だか退屈な日常を少し変えたくて
冬のわりには暖かく
スーパーは少し込んでいる時間帯で
特売ってわけでもなかったけれど
料理レシピのサイトでふいに思い立ち
ひき肉
....
口語の時代はさむいがその寒さの中に ※2
自分の裸をさらすほかない時代
ひとつの恐ろしい美が生まれた ※3
三角さん、錯覚しなければ ....
00/03/02
ダークグリーンのMTM三連が
ぐんぐん坂を登って行く
軽快なモーターの唸り
DT12Aの台車は得意げに
片意地張って揺るぎも見せず
堂 ....
あなたのライナスの毛布は
目には見えない形のない
責めることのない想い人
誰にだってある。あってほしい
毛布がわりに
こころからやすらぐもの
かぼちゃ大王を信じているライナス
母性をくす ....
霜が降りた
歩道の黒い縁石に
雲まで忍び寄る電柱の背中に
今朝のしるしが重なる
雲ひとつない冬空の下を
花嫁が歩いていく
黒地に赤い花を揺らして
うなじに笑顔の雫を落として
半月前 ....
すかすかで
ふっとんだ、ヨタ
しょっぱい木霊がかえる空気より
真空の宇宙のほうがいい
なにもかにもが
ちりぢりと
ぶちまけられて
なんにもどれも
だれもかれも
ひとつたりとも帰ってこ ....
堅い梢から
白い気泡がぷつぷつと生まれて
二月の空に立ちのぼる
それは
君の唇からもれる
小さな温度に似ていて
僕の尾ひれを
とくん、と春へかたむける
ふらりと現れて
はな先 ....
こおり
あたたかい
しらない
あたたかい
わからない
みんなつめたい
ならんでつめたい
あたたかいって
なに.
やさしい そのて
さわらせて
やさしい 、こと ....
母さん
今日僕は
洗濯板の下に
すごいもみあげを見つけました
ふさふさとした
最近めっきり見かけなくなった
天然ものです
しかも
もみあげをかき分けてみると
中に子もみあげもいました ....
ヘルシーな雨上がり
放牧地では羊たちが虚ろな目をして赤い紙を食んでいる
牧羊犬は発情して走り狂っていて
牧童は掘っ立て小屋のなかで下半身はだかのまま既に死んでいる
天使の梯子を伝って天から
....
二人の時間をはかるために
砂時計がほしい
と、君がいうので
硝子の器に閉じ込める砂を探し
砂丘に鳴き砂を求めてみたけど
どの砂もしょっぱく湿っていて
完成しないのです、砂時計は
....
同じ図書館は二つとないね
どの図書館も違う
引っ越したあとも使っていた
利用者カードの期限が来て
今度は更新できない
一度別れてしまった恋人の手や髪や唇には
二度と触れられないよう ....
白梅も微睡む夜明けに
あなたしか呼ばない呼びかたの、
わたしの名前が
幾度も鼓膜を揺さぶる
それは
何処か黄昏色を、
かなしみの予感を引き寄せるようで
嗚咽が止まらず
あなた、との ....
ふゆの匂いがする
ほわり、
冬のお喋りをしよう
たくさんのきらきらするものが
眠たそうに待っているのは、きみの春
あの頃の小さな息吹が
ほわり、と手さぐりしながら
追いかけてくる ....
「 いってきます 」
顔を覆う白い布を手に取り
もう瞳を開くことのない
祖母のきれいな顔に
一言を告げてから
玄関のドアを開き
七里ヶ浜へと続く
散歩日和の道を歩く
....
雨ふりさわさわ風の音
赤青黄色の傘揺れて
薄らぼんやりちぎり絵の
様な世界に変わります
から風びうびう冬の音
しぽしぽカポカポストオブに
魔法のヤカンがふき出して
あたしを夢へと誘い ....
悪戯がからだに忍び込む
その悪戯がうるさいのだよ
うるさいのは…なんというか
空を満たす透き通った布切れだとか
電気の波だとか
話し声
それらに押し流される私の意思
意思なんかカケラ ....
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