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滑車の前で 光を背に
腕をひろげて 動けずに
崩れ重なる門の残骸
霧を貫く鉄の橋から
したたる滴を聴きつづけていた
霊はいて
雪の地に立ち
応えを受ける
....
「お先に失礼します」
の言葉を交わしあう金曜の夜
今週もなんとか無事に働けた自分に
「おつかれさん」と一人つぶやいても いい
自分の肉を
飢えた{ルビ乞食=こじき}に食べさせ ....
雨の日はしずかでいいな
洗濯物が乾かないよ
晴れの日は気持ちが清々するな
日焼けするよ
夕暮れは優しくて
忙しいのに
夜は静かで
ふー、全部いいんだね
と言うから
全部嫌 ....
よんどころない事情があって
きりんはタクシーに乗ろうとするけれど
長い首がひっかかり
ああしたり、こうしたりしても
乗ることができない
もうどうしようもないから
きりんが運転手のお ....
青い目のカモメが鳴く
口をこぅと飽けて
喉を震わせず
声もたてず
静かに
海の音を拾い
岸壁にならぶポプラを
透きとおった舌液に映し
カモメは鳴く
初めて砂をにぎった足の感 ....
クウェーティーは路肩を歩く/
クウェーティーは路肩を歩く/
クウェーティーは携帯ゲーム機をやりながら路肩を歩く/
qwerty walks in the shoulder of road/
q ....
冬の間に完成された景色は
硝子瓶に詰められてきらきらしていた
細やかなバランスをとって
その中を動くものはなかった二月
桜は荘厳に咲いて
壮麗に散って
始まる年ごと ....
彼女はびしょびしょに濡れた服を着て
この服いいでしょ
といった
ぼくは濡れてるから着替えた方がいいって
いったけど
彼女はそのうち乾くから平気だよと
まったく気にしていなかった
....
地下鉄で
あなたは手首だけの幽霊と手をつないでいる。
もうさびしくないね、よかった。
あなたを慰めるためだけにこの世界に生えているてのひら。
それはまるで、
薔薇のよう。
わたし、どこやらに極楽があるとおもう
春の山道で
垂れ下がって咲いている藤の花と
それを咲かせている木が
じぶんの花も
たっぷりと咲かせているのを見ると
山藤はがむしゃらに這いのぼ ....
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