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アライグマに石鹸をわたしたら
小さな手をちょこちょこ動かして
とても楽しそうにしていた

まるまるとした石鹸は
みるみるうちに小さくなり
無数の泡だけを残して
アライグマの視 ....
ういうい ういうい
あひゃー ばれたか
はずかしい あひゃー あひゃー
どうしようかな
そうだ おどろう
ういういダンスを
ういうい ういうい
やった おどったぜ
ういういダンス
理科教室のカーテンの陰
ビーカーに入れられた
子供の悪戯とクロッカスの球根
こっそりと 育つ日々



昼の太陽 夜の月
揺れる隙間から漏れる
光りの栄養を貪りながら
薄情な薄明か ....
驚くほどのことはない
わたしは、空中に髪をほどき
視線を結着させている
あこがれは、あこがれ

先天的な太陽は、この時
肺の浮沈までも漂白して
果ての分裂を結晶化している
わたしは、今 ....
先輩が威勢良く{ルビ梯子=はしご}を駆け上がり
天井近くの狭い{ルビ頂=いただき}に腹を乗せ
{ルビ扇子=せんす}を指に挟んだ両手・両足を広げて

「 {ルビ鷹=たか}・・・! 」 

と ....
大阪駅
十一番線

遠い目をした
電気機関車

  彼方への思いだけで
  切符を買いはしなかったか?
  帰るという意味を
  部屋に忘れてこなかったか?

いつもどこかに
 ....
美しいものを見るとき
ドキンとからだのどこかで音がして
ぼくはハッとふりかえる
遠い昔のあるときに
捨て去ってしまった故郷がそこにあるかのような気がして
なぜだろう

美しい人を見るとき ....
悲しみをことばにするとき
そのことばを捧げる人の顔が浮かんできて
切なくて 
からだがひきさかれるような痛みの中で
しょぼくれた顔をする私にむかって
彼女は静かに話してくれる
ただ何も言わ ....
ポストがあんまり赤く誘うから
こっそり仕組んだ悪戯めかして
宛名にきみの名前を書いた


雪があんまりひっきりなしに
きみの傍に寄り添うから
水晶の珠を割って
ちいさな虹で
憂欝の左 ....
花に触れるとき

手のひらは
香りにも触れている

手のひらでは
匂い
感じられないけれども


花に触れるとき

手のひらは
色にも触れているのかどうか

手のひらで
 ....
つめたい指をしている 
と あなたは言って
ふたまわりほど大きな掌で
包みこんでくれた

ゆきうさぎの見る夢は
ほのかに甘い想い出ばかりで
わたしは人のぬくもりに
慣れていないから ....
このはれた
けれどもとてもさむいひに
うみにあらわれたはまべで
きみというこどもは
いたずらをくりかえす

うみねこたちがなきながら
きみのいたずらをみている



きみがした ....
何かをめざして
のそりのそりと
地面をはいつくばり
首を寝違えでもしたのか
大空を見上げるそぶりを
見せることもなく
のしりのしりと
あるときはあぶら汗をにじませながら
あるときはうれ ....
「終わりなき日常」という言葉。ぼくが東京で学生をしていた
10年ほど前によく聞いた言葉。
ゆうべ見た映画の中で貧しさの中で生きるママさんが
生きてるってことが夢みたいなの
なにが現実かもうわか ....
私が時に冷たくなるのは
今が永遠であると
錯覚しているからだと思う

病室の父は
1月は忙しいのだ寄り合いも
たくさんあるのだといって駄々をこねる

ただのねんざが長引き
故郷が豪雪 ....
空と空をつなぎながら
連なる交差に溶け残り
雪は火傷を伝えてゆく
遊びを終えた子らの声
原をわたる風のひと粒
熱と痛みが照らす脇道


埋もれかけた細い木のそば
真新しい ....
重さ、とは
預かること
預かる、とは
許すこと
許されること

必然的に張り巡らされた
偶然によって
僕の細胞は君の細胞と出会い
やがてまたひとつの
重さとなった

雨が降って ....
のっぺりとした暗闇の水面を
一筋の線が ぴいっと走る
ひたひたと音もたてずに
波がゆっくりとひとつ
またひとつ走って
のびやかに肢体を伸ばす女の姿のように
ひろがっていく

繰り返しく ....
  一等星を結んだ
  三角形ではなく
  二等星を結んだ
  五角形ではなく

涙を流すとき
いつもどうして
届かないのだろう

  やっぱり私は
  祈らない

いっそ
 ....
空にたくさんの綻びができて
あとからあとから雪が落ちてくるので
裁縫上手な婆さんに
縫ってくれ とお願いした

ひさしぶりの大仕事に
婆さんは大喜びで
せっせと針を動かして
つ ....
中学校の図書室で
詩の書き方という 本をひろげた

文芸部に入りたてで
それなりに 真面目だった
そこで 出会ったのが
高村光太郎様作 火星がでている である

ひと読み惚れという言葉 ....
邪魔な清いものから葬る
熟れた憎しみは
やさしい殺し方を知っている

刺すかわりに 微笑み
逃げられないように 思いやる

決して ひどいなどと 回りにはみせない
とどめは 自 ....
でもね
ショッカーにもママがいるのよ
って教えてくれた
幼稚園のさゆり先生が
交通事故でびっこになってしまったと
ママが教えてくれた

ボーイフレンドのバイクで事故ったのだ
ランドセル ....
鎌倉に住む私は
古びた寺の庭園の水の滴で岩を掘る
{ルビ水琴窟=すいきんくつ}の{ルビ音=ね}を忘れ
日々グレーのスーツに身をまとい
コンクリートの街並みに染まる石像群の一人として
朝の川の ....
ソーダ水で出来た犬が
門扉に挟まり痛がっていた
放っておけばどこまでも
転がって行きそうな僕の身体は
僕の心の中でまだ眠り続けてる

橋を渡る
腐食した金属のようなものが落ちてい ....
夜が好き

塗り重ねた紺碧が
恥ずかしい輪郭を
消してくれるから
たやすく嘘がつける
夜が好き

冬が好き

穢れのない雪は
{ルビ男=ひと}を疑う心黒さを
隠してくれるか ....
少しづつ 咲く花も
少しづつ 枯れる花も

同じ時の中で 生を流れる

めざめて
めばえて
よりそい

続かなくなる息なのに
止める事に こだわり

いつまで夢をみるの
 ....
あなたの黒髪を
巻き付けて
どんな電流を流せば
私は磁石になるのか


あなたのコイルで
包まれて
熱が生まれると
それは法則だ


磁場の中で
迷子になり
熱が冷めても
 ....
               ─佐々木好に捧げる

象が飛んでゆく
キリンが飛んでゆく
バオバブの木や やわらかな色合いのにんじんもとんで

ねえ、
どれもこれも飛んでゆくものたちはまる ....
  真夜中に、
  嵐の音が怖くて目を閉じたジーナ
  だけど嵐の音じゃなかったみたい
  目を閉じている間に、
  季節が変わってしまって
  途方に暮れてる小さなジーナ
  ふれる ....
ふるるさんの自由詩おすすめリスト(4548)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
アライグマと石鹸- ベンジャ ...自由詩11*06-1-14
ういういダンス- けんご自由詩406-1-14
花監禁- 千月 話 ...自由詩14+*06-1-14
偽りなき髪- こしごえ自由詩10*06-1-13
穴の中_〜冬眠の詩〜- 服部 剛自由詩9*06-1-13
駅・十一番線- たりぽん ...自由詩12*06-1-12
感情をことばにすることの圧力がぼくを押し殺してしまってからも ...- 七尾きよ ...自由詩5*06-1-12
家族を失った君へ- 七尾きよ ...自由詩2*06-1-12
プリズム- 銀猫自由詩17*06-1-12
花と手のひら- 小池房枝自由詩1206-1-11
ゆきうさぎ- 落合朱美自由詩23*06-1-10
このはれた_さむいひに- 岡部淳太 ...自由詩13*06-1-10
はいまわり- 七尾きよ ...自由詩2*06-1-10
終わりなき日常- 七尾きよ ...自由詩6*06-1-10
永遠- umineko自由詩8*06-1-9
冬とてのひら- 木立 悟自由詩8*06-1-9
誕生- たもつ自由詩1806-1-9
- 七尾きよ ...自由詩2*06-1-9
冬空の数直線- たりぽん ...自由詩706-1-9
奇跡の日- 落合朱美自由詩18*06-1-9
拝啓_高村光太郎様へ- 砂木自由詩16*06-1-8
陽射しに- 砂木自由詩9*06-1-8
ショッカーにもママが- ZUZU自由詩2706-1-7
空の色- 服部 剛自由詩10*06-1-7
真夏- たもつ自由詩606-1-7
雪夜- 落合朱美自由詩20*06-1-7
閉じて- 砂木自由詩9*06-1-6
フレミングという方法- たりぽん ...自由詩14*06-1-6
ドライブ- 「ま」の ...自由詩3*06-1-5
ジーナの一月- 嘉野千尋自由詩13*06-1-5

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