すべてのおすすめ
さいきん身体がやわらかくなったので
じめんにも両手がつきます
ふくらはぎの辺りを覗きこむように
ダイブする寸前の
ポーズ
*
夏に向けて
競りあうように
伸びてゆく
ふぞ ....
れんあいが
そねえに大切なものでありますか
れんあい、恋をしてないのは
ひにんげん的といいたいのでありますか
おれはきみとマウントスラントしてみたい ....
詩の生まれ方にもいろいろある
卵生
胎生
卵胎生
生きている詩ならば
生まれて生きる詩であるならば
金太郎飴をちょんちょん切って
毎日数だけ増やしてくってわけにはいかないだろう
....
筆先に
少しついた水を
ふりはらえば
雨もあがった
かならずそこに
たどりつける
ゆびがいたくても
ほほがしくしくしても
なんて濁った川
を体は流れている
発信しつづけ ....
090506
蜜柑箱の中に詰まった
蜜柑を食べ尽くした
60人が
つぎつぎと坐ったので
潰れてしまい
バラバラにされて
燃やされた
蜜柑箱の中に ....
見分けのつかない昨日と今日の間に
安物の叫びをはさんで
思いっきり口に押し込むのが
朝の儀式
律義なレタスと陽気なマスタードの間に
上品に叫びをはさんで
耳まで残さずに食べるのが
....
旦那がトラクターで田んぼを掘るというので
いつもは義父がおもにやっているわけで
田んぼの段差や道々のカーブなど
あぶないんじゃないかと思い 付き添い
一緒に行って 掘った後にでてきた
石を拾 ....
鉄棒に細い両腕とあごを重ねて
校庭の向こう岸に
風が波になって集まるのを
見ていた
帰り道の友達は
黒い袖をはためかせ
くるくると帽子を回しながら
林の陰へ消えていった
頼りな ....
090502
試合最中にさぼると叱られる
罰の指導を受ける前に
注意されて
もっとがんばれと奮起を促される
勝ちたいと願わない選手はいない ....
野良猫を叱るために
名前をつけた
せっかく咲いた花の匂いを
ふるびたさかなの骨で
台無しにしたからね
眠れるはずの夜は
色が薄くて
もう愛想が尽きた
昨日歩いた川べりで
....
世界地図を定規で測ると
あなたとわたしを遠ざける
この距離は五センチにも満たない
この地球には海があって
広い広いそのどこかに
憧れているあなたの町が
浮かんでいる
上空に照らす ....
090501
回転木馬を回す
裏側では
大変なことが起きているのも知らずに
木馬から落馬して
笑われたりしている子らの歓声
ねじが外れた
早く停止しない ....
大草原に寝転んで空を見ていた
頭の後ろで組んだ手のうち
右手をそっと外し
空へと伸ばすと
一枚のトランプが掌に現れた
飛ばしてみる
一度にぎって
....
090430
ギョッとして振り返ると
魚の目をした人たちが
疲れた顔をして
ロムを焼いたり
ICを差し込んだり
コネクターを差したり
抜 ....
落ちた数を数えるよりも
水滴の生まれた場所が知りたかった
ささやき声も空気を振動させるような
ぎりぎり均衡を保っているこの小さな空間で
破裂する寸前の風船みたいな緊張感の中
今、きみが生 ....
そのひとが指した
暗闇に
また星座ができる
夜空の不確かさに
うなずきながら
長い髪が揺れると
それは五等星ぐらい
小さく笑うと
三等星ぐらい
月影を手に入れるために
なにもか ....
君にまかせて 風は吹くよ
ままに まに まに
ここに にここに
おいてけぼり なの でも
ままに まに まに
ふくよ
*
ときおり 吹く風はまかせまかせ ....
花がいままさに
ひらかれようとしていて
うたが人知れず
うたわれていても
読みかけの本の
頁がひらかれて
そのつづきが
つづかれてある言葉が
読まれようとしていても
なおもひ ....
{引用=嬰子の褥
闇のひとつ奥に蠢動する白光体がたしかにあった
血に焼かれた嬰子が視えない手のひらに止まって
私の身体に続いている
いやへその緒はぜんまい状に闇に溶けて
それはもうわ ....
明るい朝の空を
塊ごとに雨雲が飛んでいく
傾いた雨粒が頬を叩き
差すまでもない傘は
左手の中で踊っている
明るい朝だ
明るい雨だ
叩かれた頬は目を覚まし
スカートを風に押し付け走り ....
実家の外に片付けられていた
三十年近く前 他界した祖母の鉢植えの鉢達
捨てようと思っているが
欲しいか と母に聞かれ
年々 花作りに目覚めていく夫へ
古いものだが 洗って綺麗にすれば
買わ ....
死ぬのが怖いなんて錯覚だ
誰かに死なれることの方が
よっぽど怖いじゃない
ブランコに腰をおろした
背もたれのない背によりかかり
ブランコはあたしごとひっくり返る
....
傾いた傘はあんまりにも遠くて、わたしは濡れていた。ふたりとも濡れていた、の。つまり傘なんて役たたずで、わたしはあんまりにもしあわせで、しあわせな濡れかた。の、降りしきる、雨がさくらを散らすのです。零れ ....
赦してくれる君の そんな君のまなざしに
ただ ボクの昔話を
触れれば 溶かしてしまえば 切り刻まれる
決して誇らしくはないけど それでも ボクの真実
たとえば十年の昔 ボクには
君で ....
メモ
あまり記憶がないので
自分の子供時代の話を母から聞く
3つで小児喘息がはじまったのであまりスポーツに熱中した覚えが無い
水泳とクラシックバレエをやっていた
小学校に上がる前から本読みだ ....
夏の日が薄紫色に
透けて近いので
君になにかを書きます
花が開いては
落ち
黒い道路を汚しては
それをふまないよう
ふまないよう
すこし飛ぶように
歩き
振り向いたなら
....
わたしの
話が終わる前に
あの方は去って
いかれました
あの、途中なんだけど
と言いかけて
わたしの話に終わりなんか
ないだろう
でもね
もしかしたら
勝手に
うまく終われた
かもしれぬよ
....
春の川のほとりには
ようかいももあらい侍が
やさしい男が
ひとり
きせつを憂いていました
そこでは
なにもしらないだけの
赤ちゃんももばかり
むじゃきに
きゅっきゅとながれて
ゆき ....
角砂糖をひとつ
昨日の夕焼けに落とした
レモンだけじゃ
辛すぎるかもしれないし
ただなんとなく
作り笑いをひとつ
一昨日の捨て台詞に添えた
当って砕けただけじゃ
苦すぎるかもし ....
ボディの色が気に入ったので
エレキギターが欲しくなった
メーカーの最上位機種
カラー名はアバロンとある
「AVALON」は
イギリスの何処かにある伝説の島
アーサー王の遺体の眠ると ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152