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波が波に描く絵が
次々と現われては消えてゆく
海を覆う点描が
鳥を照らし点滅する
蒼い光のひとがいて
歌い舞う花のうしろで
草に沈む岩を見ている
海からも声のなかから ....
{引用=(どうか、ユーエフオーと発音してください。)}
光
光る
夜の光
それは星でも 月でも 街の灯りでもなければ
眠る人々の心に点る
ささやかな光でもない
それはやってく ....
夜のアンモナイトは仄かに蒼く光る。
海の恋人を想い出し、蒼くさめざめと光る。
遙か遙か白亜の海の底、アンモナイトの恋人達は。
手をつなぎ、心をつなぎ、ちゅらと散歩。
....
種もつ闇の
ちらかる 真昼
夜から じっと
はりめぐらせた
たんたん ひとつぶ あまい 夢
たんとん ひとなみ ふるい 風
かすれた なきごえ
かみきる したあご
....
俺は仕合わせだ
今日も煙草がおいしい
俺は不仕合わせだ
マッチがそろそろ無くなる
俺は仕合わせだ
一緒に電車に揺られている
俺は不仕合わせだ
身近な人を愛せない
俺は仕合わせだ ....
郵便受けに溜まった新聞が日焼けしていた
古い日付は、風に晒されて
更に風化した遠いあなたの
背中に張り付いて
帰ってこない のに
201号室の、窓から入る西日を受けながら
忘れて ....
落っこちたのに
僕は生きていた
確かめるものはなく
暗い陥没点から深く
上空
光の一点を見つめていた
ねじれない空気
透き通る闇
すすけた壁
恐いのにただぼんやりしている
....
アルマジロな午後。
僕は転がる。
あるまじき僕は正午。
ごろごろとアルマジロと転がり、
ヒジキを食べている。
ヒジキはあるまじき美味しさで、
もぐもぐとアル ....
玉ねぎが自分で自分の皮をむいている
オレハ ドコニイルノダロウ
いくらむいても自分は出てこない
それでも玉ねぎは自分をむき続ける
オレハ イッタイ ドコニイルンダ
その間 ....
まるで森の中にいるみたいにいい匂い
なんて君が言ってくれるから
僕は手を木のようにひろげて
君を抱きしめてみたのだけれど
そうやって抱きしめるほど包まれる
くらくらとする君の匂いのほ ....
誰からも好かれるような
人間になりなさい
ごめんなさい
それは
私には無理でした
約束も破ったし
嘘だってついた
できもしないことを
できるっていった
ことばより先に
キス ....
長い眠り
そして夢
彼は水の底で 海の底で
静かに
雌伏の時を過ごしていた
そして眠り
またも眠り
心地良い水のゆらぎの中で
彼は際限なく眠りつづけていた
動乱の前の
不気 ....
ザクセンの皇帝は狩りがお好み
きらびやかなダイヤのボタン
精密な測量機械
それらに混じって
皇帝の
狩猟用具一式がある
獰猛なナイフ
鋭利なスティック
そしてダイヤをちりばめた ....
気が付けば、漂流している目覚め
手を伸ばすその先
十センチメートルで
落ちるばかりになっていて
とりあえずここに、漂っている
どうやら
世界の端は滝になっているらしい
落ちてしま ....
Mは転校生
Mの洒落たジャンパー
田舎の小学生にとって
それは
恰好の標的
休みの日になると
僕らは誰かの家に集まる
あるいはグラウンド
僕らの遊びには際限がない
野球にも飽 ....
双子の兄弟が天秤の右と左に乗った
同じものを食べ同じものを着ているのに
右にのった弟の方が重かった
弟が髪の毛を数本抜いて
ようやく天秤は釣りあった
天秤から降りると
母親は二人の ....
街の上で
朝を 投げている
小さな 丸い 飛沫が
きらきら ころがりながら
あふれかえる
夜よ
よき 友人よ
くりひろげられる
問いの多くを 吸い取り
泣きな ....
雨が降る日曜日の午後
雨宿りをした金木犀の木の下で
電線に連なって揺れる雫を見ていた
耐えるように震えながら
世界を逆さまに映した雫が静かに落ちる
君はその小 ....
夜闇。暗さに光線、たとえばただアスファルトの隆起したひとかけらを照らしている。点は(このままだよ)とささやき、いつしか光の粉をまいて。すふすふと積もり、埃のようにけむりながら少 ....
夜、
その背後で扉が閉ざされる
いまこそ人は
謎に踏みこむ
謎は 古の道として人の前に開ける
道はいくつもの曲り角を持っていて
靴先がそれらにさしかかる度に
人の眼は 閉じたり 開いたり ....
満天の星の下で
優雅に飛び交う蛍たち
手のひらに降りてきた光
そっと抱きしめる
静と動!
遠と近!
悠久と一瞬!
異質の小さな光たちは
それでも絶妙のコラボレーションで
....
走り書きした
唇 の 上
冷めないうちに
耳を塞ぐ
儲からない 話
でも
いい の ?
部屋の中で素振りをしていると
外は激しい雨が降っていて
どこかとても遠いところから
僕の知らない動物の鳴き声が聞こえる
シマウマはたてがみも縞模様なのだと
テレビ番組でやっていた ....
暗い
宇宙の夜に中に
最初の人間が現われる
途端に 宇宙の空は晴れ渡る
ように見えるが それだけだ
相変らず
宇宙は 際限のない夜に包まれている
最初の人間はぼんやりと坐りこみ
すべる ....
さじ の中
盛られた 私の
腕に とどかない
ひくい
止めた 前髪
痛くて はずす
ヘアピン
月明かり まばらな カーテン
さえぎる
みたくないと
あわれむ ....
火の舌
鉄の舌を持ち
語ることを持たない子がいて
その語ることの無さゆえに
ただ疲れ果てては眠りにつく
眠りはしばしば覚まされる
幾つかの鏡が子のそばにあり
何も映 ....
今までの僕は
美味しそうな料理を画用紙に描いては
「夢」という文字を隅に添えて
誰も訪れないギャラリーの壁に飾り
寂しい腹時計を鳴らす空っぽの胃袋を
満たしたつもりになっていた
見上 ....
抹茶クリームあんみつ 白玉添え
でまちやなぎで待ち合わせした あのこのお口にイチゴミルク
ま行の言葉に絡まって 甘ったるいのさ とろけそうだよ
都電の ....
田中君は今日も元気
弧を描くよな風が 短い場所でおおらかに吹いていた
湿度の低い 午後3時
フレアスカート プリーツスカート ふくらんだりして
白桃や北 ....
星砂ヶ浜
夜 月光のまぶしさに
まばたき出来ない お魚が
目に焼き付ける 星のまたたき
しばしば するので 砂で洗った
こそこそ するので 飛び跳ね回っ ....
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