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坂道の途中にある小さな花屋で
何度か花束を買った
買わない日の方が多いのに
そのことはあまり覚えてない
上り終えるあたりから見えてくるピアノがあって
軟式野球部員のカヂさんがよく曲を ....
まっさらなノートを買った
でも
それだけでは
所有にならない
光のようなシャツを買った
でも
それだけでは
所有にならない
汚さなければならない
涙が出るほどに
渾身の力で ....
人はみな
いずれかの地に 生きる場所を求めるもの
山に
野に
海に
ここで生きてゆくと 決め
その地を愛するもの
それが
国を愛するということなら
その土を愛せよ
丁寧に耕し
....
社長なのオマエ? しばらく見ないうちにエロくなったなー
大きい玉手箱か小さい玉手箱か、好きなほうをエロびなさい
乗ってみたい車? んー、ロータス エロン
原子番号69? んー、エロジウム
好き ....
森のかなたへ
碧をたどる
濡れた黒髪
指でなぞる
空をそのまま
うつしたような
蒼のしずく
ぽとり
ぽとりと
堕ちてゆく
ふかい水路へ
そこから生 ....
バスルームの飾り棚に
置き去りにされていた
JAZZの香
蓋を開けた刹那に
よみがえる記憶
ああそれは
一年も前のことで
そういえば私は
まだ泣いてもいなかった
3歳の{ルビ姪=めい}が
遠視矯正めがねを初めてかけて
鏡に映る見慣れない顔とにらめっこ
「似合うよ」
後ろから見守るママが言うと
にっ と{ルビ微笑=ほほえ}む君の目は
人よりも ....
夏休み
街から人はいなくなった
窓という窓
木陰という木陰
ベンチというベンチ
そのいたるところから
少しの匂いと
体温を残して
静寂、というには
まだわずかばかりの音 ....
久しぶりに家に帰ったら
家が他人行儀な素振りを見せた。
玄関の扉は
「いらっしゃい」
と、言い掛けて
「おかえりなさい」
と言い、
ベッドは
「ごゆっくり」
と ....
そんな恋は、落雷みたいなもんだ。遠くのほうでピカリ、と、気づいた頃には、サングリアのワインと果物のような関係でいたい。それで、ぼくらは届かない空も君も何もかもを見上げて仰ぎ、ピース、と言って逃げる。平 ....
裏側を見る
裏側に 目をこらす
物事の
すべての裏表
人の中の
すべての裏表
目に見える
太陽にその目を灼かれる
明るい光のもとでは
目に見えるものしか見えない
目に見えない
....
イーサ・ダラワの七月の浜辺には
遠い国の浜辺から
いつのまにやら波が攫った
いくつもの言葉が流れ着く
嵐の後にそれを集めて歩くのが
灯台守のワロの ....
いかつい アスファルトに
息のように 降り続けていた
電柱の 灯
夜の空に おしかえされた
雨に 流されている
かきん と ついてる
ガラス の 冷たさ
なじまない ....
久しぶりに実家に戻ると
父はまた少し小さくなっていた
質量保存の法則というものを
信じるのであれば
生真面目に生きることを止めようとしない父は
きっと
何処かで
何かを
与 ....
もともと
あてになる眼ではないけれど
それでも
夕陽の色彩くらいは
心得ている
川辺は 減速を始めている
木立は 瞑想を始めている
鳥達は 安息を始めている
あきらかに夕陽の時 ....
老人ホームの送迎車から
半身{ルビ麻痺=まひ}で細身の体を
僕に支えられて降りたお婆ちゃんは
動く片手で手押し車のとってを握る
傍らに立つ僕は
宙ぶらりんの麻痺した腕と脇の間に ....
毛むくじゃらの家猫が出かけて行ったきり
帰って来ないものだから
庭の木で啼くスズメの声が
遠慮なく鳴る目覚まし時計で
最近は、誰よりも早く窓を開けて
新しい風を味わう
あめ色の古机の上 ....
宴もたけなわに ぬけだして
トイレで もどすのは
ふつうです 血へどを
吐いては飲みなおすのが
基本ですので
どうしようもないくらいの
空の返還が
わたしに帰ってきた
わたしの唇は青いことでいっぱいになる
空に着歴がある
それは長い長い数列
雲は遠くの蒸気と会話したりするけど
やがて話が尽き ....
「いらっしゃいませ、ありがとうございます。
商品5点で、お会計は1265円となります。」
僕はコンビニスター
誰にも負けないコンビニスター
真っ昼間の盗賊団コンビニスター
誰もが僕を必要 ....
り りく
蝶 の 足は
おもくなり
つかまっていた 草葉
そっと 目を 開ける
大きな杉の木 のてっぺん
見る間に越えて
生まれたすべてを かけて
のぼり ....
紫外線浴びまくって躁?ようっ!つってトカレフでパンっ!ってな抗争状態だってNo 賞ぜんぶちょうだいや
どこまでも広がる海のスレイブ これはすべて塩分?きみがこれまで流したなみだの分 迎えに行くよ
....
透明はいよいよ流線型に歪み
ところで季節も
そろそろ夜がいいではないですか
やさしさの
形は何かと尋ねたら
君は丸だと答えたね
金柑蜜柑夏蜜柑
すこやかに香り
夕暮れの
色は何かと尋ねたら
君はまっすぐ指差して
....
あなたの
遠くを見やるまなざしの
その先に
コロン と
僕を置いてきたい
夜を飲む
悲しみから
夜を飲む
とてつもない失敗から
失敗などないのかもしれないが
粗末にしてはならないものがある
ぎりぎりに追い詰められる毎日でもそれは勝手な僕の事情で
ゆるやかな ....
あの頃 夢の方角が記された地図を胸に抱いて
光る線路の上を閃く流星の姿で走り抜けた若人よ
気まぐれな強風に振り落とされた君は
いつしか線路上から姿を消してしまった
「腐った瞳の大人にならぬ ....
「・・・・何にもないね・・・・」
「・・・・うん、何にもないね・・・・」
枯れ果てる直前の海はただ広いだけで
船も浮かんでいなければ、海水浴の子供たちもなく
鴎の鳴き声も聞こえなければ ....
私は今まで通り過ぎて来た
広大な荒地の上に黒い血を吐いた
無数の遺体の傍らを
倒れかけた木造の家の
ベランダに干されたシャツが
突風に身をよじらせ
空に飛んでいく様を見ては
鈍い心 ....
玄関のドアを引く
駆け込むようにして進入してくる朝は
少しだけ暗い白
今日も天辺まで積み上がった世界で
濡れたままの人たちが歩いていく
傘を忘れたわけでもなく
濡れることに気付かないわ ....
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