すべてのおすすめ
ねこを見てると眠くなる
ねむねむねむねむおねむのまほう
ふわふわの
お腹のお毛毛をなめている
おねむの国に行く前の
おねむの前の身だしなみ
あたしはそんな風だって、頭をひと振りするだ ....
公園の水たまりに小さな魚が一匹いた
海水魚のようだった
昨晩の雨に迷って
ここまで泳いできたのかもしれない
このままでは水が干上がってしまう
魚は少しずつ弱っているように見える
....
ミンミンと鳴くこともなく
たまたま出会ったセミは
コンクリートの駐車場に
ただ しがみついていた
生きているのか死んでいるのか
さわったら ジ っと鳴いた
逃げることもしないので
ひどく ....
夕立に西日がさす
顕れた私の表皮のように
小さな個室にて
スチールと硝子の板が
点と点で結ばれてゆくのを聴いている
白いシャツの青年が
自転車で脇をゆく
ずぶ濡れの帰り道には
明日 ....
「織姫、彦星」
一、
年に一度の逢瀬の日だと地上が先に盛り上がってしまい、天上の二人は今ひとつ盛り上がれない。
二、
毎年「あの時の子よ」と織姫は子供を連れて来るが、ど ....
湿った風 追い風 まとわる
体中すいこんだ わたしたち
早足で 砂浜のような 濡れた アスファルト
バスを 待つ余裕も なく
霧雨は 小さく崩れて 銀色 とけあう熱気
あ ....
明るい空から
さわさわと緑の雨が降るから
おまえの誕生日は
いつも濡れている
水色の
ローラーブレード
畳の上で
肘あてや膝あての
具合を確かめている
それは
おまえを守るため ....
ナギと呼んで空に心をのばす
心は手になり私になり
ナギに届くと思うのだ
思うのだと思うほど信じてはいない
チチチ と鳴きながら近くを飛ぶのは
警戒の意味もあるのだと
私は警戒にあたいす ....
{引用=――わらべうた}
空は晴れていました。それはもう、
実にみごとに晴れわたっていまし
た。僕(子供)は逆上がりができ
なくて、学校でみんなから笑われ
て、からかわれて、そのせい ....
雨が花の形を整えていく
わたしたちは共通の言葉で話し
共通の言葉で
触れるべき場所に触れる
民家の前にぽつりと置かれたバス停で
傘を差してバスを待つあの二人は
親と子なのだろ ....
幾つかと問われればただ指を折る
頃を過ぎてもただ指を折る
背伸びをし過ぎた私の深い爪から
こぼれ落ちる魚
夜の底の青
水面をすくう
静かに、丁寧に
どんなに気を配っても
波紋は広がる、 ....
牛です私決めました出産ですお立ち会いのもと牛です私牛です出産です決めましたお立ち会いのもと出産します牛ました私です決めました私牛を出産します。
産まれました
白と黒の牛は仔牛と呼ば ....
お前の母ちゃんの子宮にはアリゾナの青い空があって
乾いたハイウェイ沿いにただ1軒あるガソリンスタンドで
お前の父ちゃんが働いていたんだよ。
ただお前は地下に埋設されたガソリンタンクからではなく
....
ぱらぱらと降りそそぐ
オレンジ色の十字星 / ジュウジボシ
軽やかに土を跳ね
思い思いの居場所に
身を委ねる
....
身体とこころが、一番遠い日
時計はひとつだけではない
空腹を知らせてくれるのも
まぶたに重みを加えるのも
呼吸を始めるのも終えるのも
全部がばらばらに針を向けていて
アラームはそれ ....
・
衣替えが近いので
冬服を夏服に入れ替えることにした
天袋の奥にしまいこんでおいた段ボール箱をおろし
夏服を一枚ずつ箪笥の引出しにおさめてゆく
最後に
去年の夏によく着ていた
さくらん ....
難破船が、出港する。船であるからには。海が。あるからには。心優しい、友人たちよ。惜しまないでくれ。わたしは。幸福とひきかえに、世界を。手にするのだから。
※
棒のようなものを、ふりまわす。 ....
光は動き
樹は見つめる
はざまの前に立っている夜
はざまは風になってゆく
双子の夜の片方が
先に朝を知ったので
昼はななめ
夕はななめ
光が変える絵 ....
ゆびでそっとふれる
ふかふかしたものが
やがてしぼんで
くたびれて横たわる
むなしさをむねにしまう
かなしさを昇華する
垂直にいきたものは
ささえあってこそでしょう
あなたの ....
清水には時々出掛けた
中学から高校を卒業する頃までは
静岡に最も近い隣の市(し)だったから
中学の時 清水港線や静鉄清水市内線に一人で乗りに出掛けた
母親の買ってくれたコニカのカメラに
怪し ....
薄暗い放課後の理科実験室で
やさしさの裏側を顕微鏡で覗いている
数名の男子が抱く女子への幻想があるかもしれなくて
もしくはどこか悲観的に
いくばくもない生命のおわりが映るような気もして
....
頭をなくした こどもの魚が遊泳する
それをお母さん魚は どこかと捜す
綿毛のせんぱいは空の上 雲にうまく混じれただろうか
たんぽぽは そう考えながら自身の旅立ちを予定する
おいおい ....
えっちな牛乳
というタイトルの牛乳を買った
1本300円するのだ
飲んだ
なんだ 普通の牛乳と
何も 変わらないじゃないか
....
Englishman in New York が聞こえる
懐かしい香水の匂いが通り過ぎる
地下へもぐる階段で
地下鉄の隣の席で
自分の左手を見つめる
指輪がひとつ
そのほかはヌード
....
つい今しがたTVニュースを観始めるまえまで
いくぶん柔らかめなカールのブリーチトブロンドの女は
薄切りのハニートーストと生ハムと桃を食べていた
その唇は鮮やかに紅く、甘い蜜に濡れている
花 ....
あなたの周りをがりがりと回る
そしてにたいのぬいぐるみ
あなたの惑星になっている
太陽オア月
かすめ取ることさえできているのかな
クンズホグレツ
プレーンオムレツ
わたしはうすい血の ....
ももの花 すいせんの花 ビオラ、すみれ
春が咲いて、歩いてる
じぶんのちからで
背がひくいから、ぼうしだけ見えたよ
花の散歩 よいしょ、よいしょ あるけ、あるけ
あさのくうきが
ぱちぱち
して
うもれていた
気分の芽を
生やす
てぃりてぃりりり
しまっていました
ゆびとてを
まげて穴にかくれていました
くるぶしのさき
かー ....
シナプスたちのように、うごきあい、点滅する
地上の生きた星たち
今日もどんなかんきょうにあろうと
かなで合っている
それを聴き入ったのは
目をとじれば
誰もが知らない顔の乗る移動の
車窓 ....
連続するシグナルが流れ込み
激しく流れ込み
とりとめのない水圧に
胸を押される
匂いのない夕暮れが満ち
眼球の裏側に満ち
屹立する剥製のように
赤光を反射させる
{引用=
僕 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152