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ロング・ディスタンス・コールだから
お金がかかるよねと
姉は一人、つぶやいて
マスカラを重ね塗りする

だけど長い、長い、電話線の先に
つながるものは、もうないのだと
本当は確信して ....
明け方に夢を見た
ミントゼリーを張ったプールに
頭から突き刺さる夢

飛板から身を投げ出した時
迫る水面は
まだ薄青く揺らいでいた

伸びきった指先が
水面を割る直前に
プール ....
空の背中に
茜色の翼が生えて
夜が終わる
オーケストラの余韻のように
薄れゆく星たち

ああおはよう
今朝のミルクはいつもより冷えて
そんなことが
秋へと読み進むセンテンス

明 ....
夏至間近
ニョロニョロを蒔くなら用意しないと

あなたのところのJAには
10kg袋がありますか
シロツメクサやレンゲのタネみたいに

おりしも父の日を控えて
裏庭にはオトウサンモドキ ....
ゴフォごふぉ
ぜろジェロ
苦しさがせき込む深夜

隣にいるからね

と、おでこにキスすると
にっこりして
ふうーっと瞳をとじる



朝日の射すベットのうえで
光のように輝く ....
雨の日の電車はさながら異空間である
外からは紫色の魚がプランクトンをつつくように群れ
中には放心状態になったぼやけた人々がずぶ濡れになった四肢を
無言で時折ぶるりと震わしている

そんな静寂 ....
父の死んだかたわらで
妹をあやす姉


こどもを亡くした朝に
家族のためにあくせく働く母


ぼくたちの町


生活が
続くところまで続いていき


夜の暗い背中を
 ....
萌え、

奴らには判らない
のだ。

ホストを囲んでドンペリが最高だと信じている
煌くシャンパンタワーを前にした
派手やかに着飾った色カノ、
そして何を隠そう・・・・この俺だって
 ....
騒ぎたてるのは

今世紀最大の大泥棒

月夜にのこるのは

二つの影と不気味な笑い声だけで

あとは宝がなくなっただけだった

ポーカーでの手札は

いつもロイヤルストレートフ ....
遠くばかりを探していたら
いつの間にか目の前に立っていた
思わず向けてしまった人差し指

音楽の授業でピアノのテスト
弾けないわたしは放課後まで練習
ミの位置にはいつも中指

教えてく ....
線路の脇に咲いている菜の花の細い列
誰のものだろう止められている自転車
真新しい制服の群れからこぼれる音楽
まだ来ない電車を待っている春の駅の

たゆたう人々の視線の高さを蝶が飛ぶ
過去か ....
無限にもなるだろうが
赤外線を溶かした空のどこかで
忘れてしまわないかね
帰宅しようとして私たちは
点々と席を立つ
窓からのぞく市街地では交通が縦横に操縦され
ビルディングが夕陽をニジュウ ....
岸辺だ。鳥のとまった街灯は。飛び立つしかないのだ。
自転車に乗る作業着姿の若者たちのように、世界を無視して

ぼくは車内から意識する。
隙あらば道路に飛び出してくるあいつらのように、かつては
 ....
扉が
壁になった
観音開きの合わせ目には一ミリの窪みもなく
錠前も、蝶番もなく
光も、ざわめきも、向こう側の気配はなく
ひた駆けてきたあなたの
汗と、一千万秒が
消散した その静寂で
 ....
{引用=わたしの家は 田んぼの田の字の真ん中にたっていて 画家が住んでいます
誰も彼の姿をみたことはないのですが 彼は確かにいるのです
どの故郷にも どの町にも どの家にも 彼は必ずいるのです}
 ....
*ごうんごうん

彼は
何も口にすることはないままに
色々を咀嚼して
そのほとんどを
無かったことにしてしまう

勿論、その中には
わたしの使用済みだとか
出し忘れたテ ....
つながった穴のおくからきみが、ゆるやかに伝ってくる
しろいしろい救済に掴まれなかったのに
掌がほえたとおもったら
気がついたらきみはねむっていた、とおくに

ふかいふかい迷路のおくで
 ....
君が頭を撫でてくれるから


私は幸せに浸れる


浅い幸せ


どんどん沈んで


キラキラ揺れる水面の光を深海から眺めるんだ


君がボソボソっと何かを囁くから

 ....
ワードを開いたがカーソルがない
右クリック、右クリック
真っ白なのでマウスを叩きつける
「使わせろや」

ノートを引っ張り出す
ボールペンを滑らせても
色が出ない、
こすってみても
 ....
旅人は{ルビ叢=くさむら}に埋れて 
横たわり  
いちめんの空に 
浮雲の群を見ていた 

それぞれに{ルビ流離=さすら}う雲は 
違った形の膨らみで 
西から東へ流れゆく 

自 ....
道路わきに
手足の長い虫
細い翅を斜め上にひらき
まさに離陸の準備

あの流れ行く白い雲へも
あのぽわぽわした仔猫の耳の上へも
行けるんだよね
いやいや恋人と
あの素敵な青葉の陰で
 ....
薫風の影
清冽な馬達の
人待ち顔で休む、横顔
串刺しの、それでも
彩(いろとりどり)の絶佳の肌
白馬に黄馬、緑馬と紅馬
雑踏の人波、截然、いななき
誰も足を止めない
そっか
白馬は馬 ....
洗濯していると
泡がモコモコ
もりあがってくる洗剤がほしい
その泡をすくいとって
吹きとばすのが楽しみ
だったのに

二層式洗濯機

でっかい箱の洗剤を
わたしにプレゼントしてく ....
水の精霊にフロントチョークかまして、
扉を開けるとそこは上空。
俺は水色の空にけたたましく赤いペンキをゴボゴボ吐きながら
そうや、自分の接客態度を今一度見直そう、
と、鏡の前で気色悪い笑顔を作 ....
風のバラ
とはわたしの愛した詩人
の五月
をうたう冒頭のことばだ
しかし
肉厚の花びらをかさね
内部へ密度を増す花は
きみに似合っていない
むしろもろい花弁に
あざやかな色彩で
緑 ....
両手でふたつ
チョキを作って
横に寝かせて
ハンカチをおさえてみる
真ん中がふくらんできて
光る球体がしみ出してきたなら
これは夢
真ん中がしずまったまんまで
外ではせわしく青 ....
つめを噛む
黙っていてものびてくる
そのつめを噛む

噛み切ったぎざぎざの切り口を頬にあて
自らを削ぐように滑らせるとき
痛みとともに描かれる白い線には
まるで罪などないのだ ....
小学校から帰ったぼくに
「今夜はお母さんの店で夕食だぞ」
と微笑みながら次兄がいう
長兄が帰ってきたところで
兄弟三人で冬の夕方の千住の町を
母の店に向かった

今夜は母と一緒の夕食だ
 ....
                 改090603


宇宙を旅する
きみの悲しみを
微惑星が消し
抑えがたい憂いは
彗星の尾が運ぶ
激情は、爆発誘発溶融
火球を吹き飛ばす勢いの
遊 ....
許さないから
与えない
見捨てるために
置き去りにする
そのために
口を捨てる

老人のように聴衆の中に立つ
彼らと同じ土の中から生え出た
私の体はいったいいつ
老人になるのだ ....
佐野権太さんの自由詩おすすめリスト(4554)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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