すべてのおすすめ
男は皆短パンになって
庭をうろつく
日に焼けた肌
ヒゲづらの顔
何も知らない
3才の男の子
足にまとわりつく
奥から三味の音
体に炎が立ち
暑い
生きている
力がみなぎる ....
#61
驚異的な安定感と正確さをもって
一本の真っ直ぐな線を
真っ白な紙に引く
その限りなく単純な美しさ
全く無駄のない澄み切った一瞬
そんな生き方が欲しいのだ
....
{引用=
無性に
ミルク飲みたいよね
あほらしいほど 真っ白な
照れちまうほど 優しい それを
大人やってると
無性に飲みたくなる よね
飲んだところで
あたしのなかの灰色は
や ....
水銀が染みでて狭い空のせいで
ここは今にも崩れおちそうなのですが
きれいに舗装された道の真ん中に
ま白いチョークで丸を描く
チョークの白い粉は毒であるから
すぐに洗いながしなさいと教わり ....
どうでもいい
そぱっらもったら
どうでもいい
ろうれもいい
しょうでしょう
そうでしょ
どうでもいいの
やったらめったら
みったらしったら
ほうでもひい
....
空っぽの僕を捨てたら
誰かがやってきて
僕のかわりに僕を生きてくれるのだろうか
2丁目のさんちゃんがやってきて
僕の顔で笑うんだろか
それとも
僕だったはずのモノは
さんちゃんの ....
夏の涼しい夕暮れに
恋の病にうつむく友と
噴水前の石段に腰掛けていた
( 左手の薬指に指輪をした
( 女に惚れた友が
( 気づかぬうちにかけている
( 魔法の眼鏡は外せない ....
さびれた歩道橋の上で
夏を見上げると
空、空
本当に海まで続いているのだろうか
この橋の下を流れる車の群れが
緩やかな河口付近の川だったらいい
時折陽射しに煌めくヘルメットが
....
濡れた月は、
この上ない美味である。
薄く雲のかかった、
十六夜月の、
あの豊穣さといったら、
想い出しただけで、
灰色の大脳が蕩けてしまう。
満月の ....
雲しうみへ
おそいひるのひ
おちていくかけ
ひと
めしあげないで
干しのさなかに
えりのひかりに
しすた
えんじん
むし、き
命めくこと
ろめんにかせ ....
あの子の瞳は遠くの方を見つめていた
見つめ合ってはいたけれど
その黒は、星が流れる広大な虚空よりも深く
氷に閉じ込められたまま、燃え上がるような黒だった…
その炎に触れてしまったら ....
【その1】
基本は10として
8 でよい場合
5 で足りる場合
いやいや
0.1に砕く必要もあったりするが
0.001だともはや諦めたがよさそう
さらに
....
このようにして
夏を取り巻く呼吸は
やがて薄れていくのです
擦り剥いてしまった、膝のような
削られていく私たちを
夏空はどんなふうに
抱いてくれるでしょう
グラスの中の氷は
き ....
ほおずきの
鉢植えをもらった。
育てたことなどないけれど、
そんな夏も
いいかな と思った。
一緒にもらった
朱い風鈴は
ベランダ側の窓。
チリン カラン
カラ ....
そういえば
一昨日から何も喋ってない
と
美味くも不味くもない中華そば屋で
気付いてしまった
食べ終えてアパートに帰るまでは
気持ち抑えておこう
と思った先から
残り半分の麺の量が全然 ....
色あせてゆく
その言葉に
偽りの色のせぬよう
くちびるよ
痛みに目を覚ませ
熱をもてあますな
気持ちを厭うな
私の中の陽は
言葉でしか燃えぬ
それしか知らぬ
ど ....
八月。
私たちの街は。少し空気が、変わる。
街宣車が増える。黒塗りの車。スピーカーから、流れるテープ。
ツーリストが増える。大型バイクが空気を、揺らして。
外国人が、増える。たいていは年輩 ....
夜を乗り越える呪文
古いノートの落書きから思い出す
詠み方を忘れた大人には
雑踏に落ちている足音に似て
あどけなく残酷な
季節を乗り越える呪文
変色した写真の束から探し出す
今日しか ....
パソコンの印刷のインクリボンが足りなくなると
いつものことだが
インクリボンを逆巻きにして
その場しのぎで印刷する
なにせカシオの共通インクリボンタイプSは
品数が少ないのだ
カタコト ....
バザールは活気に満ち溢れていた
女たちは色鮮やかな衣装を身に纏い
自慢の品々を並べて
旅人たちに朗らかな笑みを投げかける
すべては明日の命の糧の
マナトを稼ぐための軽妙な話術
....
あ、お帰りなさい
お疲れさま
シ、静かにね、うちの天使は夢の中です
あ、汗臭い手で起こしちゃダ、メ
今日は久しぶりに水遊びしたから
ミホちゃんはもうぐっすりなの
ほら、早くお風呂入っち ....
泣きたいほど
貴方に伝えたい言葉が有ります
私ごときが
貴方に言えた義理では無いのですけれど
どうか笑って許して下さい
一歩前に進んで
貴方に声をかける
呼吸が
止まっ ....
先生 にんげんとは
さびしい、本当にさびしい生き物だと私はきいたのです
世界にはパンのひとかけらや真水のひとしずくを
ひびわれた皿のような目をして待っているうちに
そのパンやその水の代償になっ ....
星を落とした人がいて
その人は盲目だったから
何を探しているのかもわからなかった
それは悲しみによく似ていて
遠い世界の出来事だった
僕は君を知らないし
君は僕の事を知らない
この光景を目に焼き付けよう
柔らかに
無垢に
向けられた笑顔
夕日が雲を照らす背景の中
地球は美しく緑を湛え
平和に感謝する心が湧き出す
緑の声
風の優しさ
愛は近くに
....
川の上流で
洗いおとした
顔が いくつも
よどみに
たまっている
日没にはまだ少し早い
真昼の太陽で暖まった道は
この足どりを重たくする
ふうと
ため息に似て
諦めともつかない
息を吐きかけたとき
風が首のあたりを
掠めていく
この道の
....
ひとは 時を 生きる 旅人
もう 生きてるのも嫌で
死ぬのも 嫌で
生まれてこなければ良かった
なんて 思うのは
誰もが 同じ だろうか・・・
そんな時でも
心は ....
日が暮れたあとの海岸は
月に映える波とまだ暖かい砂
泡立つ波がレースのように
波打ち際を白く飾る
肩越しに見えた打ち上げ花火
風に乗って来た歓声と
建物から漏れる無数の明かり
夜 ....
道端に捨てられた子猫も
捨てられても なお
呼吸を{ルビ止=や}めない
それは命の止め方を知らないから
生きることがすべてだと知っているから
それでも{ルビ人間=ひと}は命を止めてい ....
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