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丸みの無い水平線の向こう、
空と海の境界が
白く曖昧になるあたりで
春、が転寝している
寒気から噴き出した風が止み
陽の降り注ぐ砂浜には
くろい鳥のような人影が
水面に微笑み ....
ある休日
ちょっとしたことがきっかけで
僕らはモデルハウスを見学した
床暖房完備なので
ストーブは不要と説明された
あたたかたったのは
春のせいだと勘違いしていた
外はまだ少し寒かったの ....
現代の死よりも
近代の死に存在感があったのは
そこに大きな背景があったからだ
記号のように識別され
消費されるように過ぎていく
現代の死にも
大きな背景があるとしても
誰 ....
おもいでの形見
私にとってこれは
変わらないことのひとつ
ここには風は吹いてこないけれど
ほがらかなひだまりがぽうっとしている
いつまでも
微笑する宇宙のふちで。
私の子午線 ....
きみへ
ぼくは今日でおわるんだ
なんて言わないで
わたしはとりあえず
自分の今まである全てのきおくや経験から
とりあえずどうしていいのか
(おちついて/おちついて/)
かん ....
見て
母さんがいるよ
君は
よろこんで
ハンカチをさがす
涙を拭くと
母さんは
消えてしまう
見て
母さんがいるよ
母さんは
いつも
涙の向こうにいる
瞼に
羽毛が触れ
小説がひらいては
落丁を
集める
白く、集める
からすもきえてしまう
昼
窓を
ひらくように
さようならを
後にするなら
部屋の中には
もう誰もいは ....
電車の好きな少年だった
窓のそとを
いつも景色を走らせていた
乗客はいなかった
やがて彼は
景色のなかを走った
走りつづけた
いくつかの景色をつなぐと
電車にな ....
あんまり朝の色が
キチキチしているものだから
僕はヒトと争わなくていいものを
競争と勘違いしてしまう
まるで競歩 ふまれないよに
キチキチバッタは要領よく頭上を跨って
朝ごはん食べ ....
らいおんは
つかれ切ったのか満たされたのか
あまいかおをして寝ている
ぐるるる
かみをかきあげながら
はにかむ
{引用=Honey come?}
じょう舌になるほど
な ....
皿の上に不恰好な卵焼き
違うようホットケーキだようと
いもうとがきゃんきゃん吠え立てている
味は悪くないぞいもうとよ
頭を撫でてやると
子供じゃないんだからと言って
手をぽんと払われた ....
昼夜を問わず、働いているあたしたちは
お天道様と一緒に
寝起きしているおさるさんより
少しだけ不幸せなのかな
凍えるような寒さが緩み
やっとぽかぽかしてきたら
今度は花粉症が猛威を ....
すみませんが部長、
しばらくの間、雷オヤジになってもいいですか?
ドリフの雷様じゃなくてドラえもんの神成さんみたいにさせて下さい
今この場だけで構いません あなたに向かって怒鳴らせて下さい
コ ....
新宿駅のホームで
母親が呼んだ駅員は
先っぽがクワ型の棒で
線路から何かをつまみあげた
猫の死体か何か?と
恐れおののき見ていたが
つまみあげたのは
桜色の靴だった
....
かべにいつまでも描く手をやめない
(やさしさまでこすり付けないで)
夢のなかで きみは
何もない荒れた家
かまわず境をなくし触れてきた
少しだけある地下室
何もないと思わせる、 ....
明日の4時には新宿であきと待ち合わせをする
それから昨日買ったワンピースを着て
エナメルの靴を鳴らしながらあきと会う
夜、吸わない煙草を吸うフリをして東京タワーに恋をする
ベランダでいつも ....
夢の中に落とし物をした日の朝
猫になっていた
仕方がないので
夫を会社に送り出してから
家事は明日にしようと決め
日向ぼっこをして過ごし
夜になったので眠った
明日はせめて、猿になりたい ....
月、外側にある言葉 照らされて空にある
蒼夜の路地裏で僕は 影を必要としている
月光は誰を求めるか
太陽、秘めた声
心灼きながら
生まれ続ける
聞いて、聞いて、
....
母さんと
船に乗ったことがある
遠ざかる港を見てるうちに
母さんはいなくなって
そこにいたはずなのに
かもめが一羽止まってる
少し辺りを見まわして
ふたたび見ると
遠ざかっていく
か ....
どこでもない場所へ
行くの
持っていかれて
この世は
きれいだわ
白亜の神殿が
炎に包まれて
沈む
武器をちょうだい?
三つに分かれて
沈んで行くわ
わた ....
リネンの隅に
残された匂いは
何を恋しく思わせる
布地の波の
泳いだあとの曲線に
躯を添わせ
ぬくもりを懐かしみ
満たされた想いと
満たされなかった願いと
抱きしめ夜を往くのだろう
....
なあなあ、あんたなー
じゃれ合うのもいい加減にしてーな
目の前で二人で嬉しそうに
こっちは涙こらえて必死に笑ってるのに
きついわー
ほんま
きついわ
なあ
好きや言うたやん ....
泣きたいのに
年齢が邪魔をして泣けない
大人顔
友人の電話に
声が滲む
人はいつをもって
大人と言うのだろう
まだわからないなんて
子どもみたい
また眠れなく ....
できれば曇り空の日がいいでしょう。
まわりに高い建物や木などがない場所を選んでください。
慣れない方は、あまり雑音のない、
出来るだけ静かな場所の方がいいかも知れません。
服装は気軽なもので構 ....
芽吹きの季節とはいえ
冷たい風が菜の花を揺らし
川面を颯爽と走る
光が流れていくのを
ただぼんやりと見ていた私は
纏わりついた髪をすき
静かに歩み始める
荷物は案外少なかった
....
気づいたら
いろんなひとが
両手で込めて
差し入れてくれた
おにぎり
箸もつかえないくらいに
元気なくなったとき
たべるといいよ、って
おにぎり
すかすかの ....
無垢なるいのちをみつめる光は
かげることのない心臓だ
だからそのいのちの影は
しずむことなく
みちるばかりで
月の亡霊のように 果てしがない海原をひっぱる
陸地の無い水平線上に ....
いつか見た景色
輝く野原
「君も見たことがあるだろう?」と
耳元で聞こえたような誰かの声
「もう戻らない?」
疑問の声を心の片隅に留めたまま
今日も作業する
星はひとつでも
じっこ ....
喫茶店で読む
本を閉じて
顔を上げると
昨日の散歩中
ふたり並んで覗く
川の水面の鴨達に
袋から餌を蒔いていた
夫と車椅子の妻が
僕の前の席に座り
テーブルに置か ....
夢の終わりから
はじまる今日は
いつもその夢をひき
ずって
きみの
夢をみた朝は
なけちゃうの
だけど
ずっと
し、
あわせ
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