すべてのおすすめ
早朝に
誰もいない公園で
一人タバコを吸う
涙が出た
ブランコに乗り
高くこぐ
猫がいる
水飲み場
鐘の音
朝霧
空気がやけに冷たい
大木に抱きつく
かわつらさんの奥さんは
精神を病んでいるそうだ
深夜
誰も居ないキチンで
皿を一枚ずつ割るそうだ
あの夫婦は
せっくすれす
だから
ってすずきさんが言ってた
そういうすずきさんに ....
この土地が
湖や海のやうに
青空や星や月を
映さないからといつて
卑しめてはならない
何といつても
この土地には
{ルビ人間=**}が住んでゐる
夜の闇しか映さない
....
「最初で最後の、黙礼を交す」
いまはむかし
(この{ルビ宇宙=そら}もなかったころ)
それは無としかいいようのない、事象でした
そんな折に私は、
星占いをゆめゆめ零さぬようにと、 ....
失恋は感傷に浸るためにある
そんな捨て台詞
あなたは残し
ひとり、わたしは取り残されて
遠く過ぎ行く機帆船の陰に
絶望の甘い涙を流す
(白い砂浜で貝殻ひとつ拾った
身体の隅々にまで刻まれ ....
夜道で
目の前を歩いている女性の存在に耐えられず
追い抜こうと早歩きをはじめた瞬間に
その女性が早歩きをはじめたので
追い抜こうと走り出したら
その女の人も走り出して
誰か助けてといった
....
おばあちゃん
亡くなる何ヶ月か前に
ぼくのアパートにやってきた
外車に乗りたかったので
おばさんの買ったヴォルヴォ
だけどぼくんちなんか来たって
そりゃやることもないので
縁側から外 ....
・
林檎は何時でも
小気味よい音を立てて
裸になってくれる
こんな女の人がいたらいいなと思う
十月の昼間は少し暑くて
隣家から
おもいっきりテレビの音声が聞こえる
シンクには
小腸み ....
カフェに行きてえ お茶が飲みティー
でも代官山や三宿あたりのオッシャレーなカフェは
俺たちには高すぎる 精神的に高すぎる
お似合いのカフェを求めて 恥をかかない場所を求めて
俺たちは旅をした ....
きょとんと首をかしげる
(鬼サンコチラ)
木の実をついばんで
天気雨とかくれんぼ
*
二羽がくちばし
頰よせあって
(フレンチキスっていう ....
列車を降りて
たどりついたのは
ごく細い町
雨は熟しているのに
建物はアイス・バーみたいなんだ
ホテルのベッドで
ゆっくりとくたばっていく
眠ればプール
....
今朝
露にかがやいて
咲いた朝顔が
のこらず
消えてしまつた
―小鳥が来て
食べてしまつたわ―
と
その家の母親は
呆れ返つたが
真実は
その ....
君の寝ている隙に
本を開いてしまったよ
手のひらと同じくらいの大きさの
くたびれた表紙
真ん中より後に挟まれた栞
海の色をしている
波の音が聞こえそうで
耳を澄ませば
君の静かな寝息
....
たとえばおまえがいっちょまえに
人生の壁などにぶち当たったとき
母親なんて無力なもので
ああでもないこうでもないと気をもみながら
弁当のおかずを一品増やしてやれるのが関の山
....
◇コスモス
炭鉱の閉山跡を
コスモスが埋め尽くして
炭鉱夫の青春が還つてきた
背景はあまねく
コスモスと青空
◇金魚
金魚は
いくら ....
覚えているでしょうか
始まりはとても深い海の底
それよりも少しだけ明るい窓辺の椅子
の上に、小さい体を完璧な球体に近づけようとして
息を止めていた、午後の
そこでは、君と出会った
....
ラップの上に海苔をしいて
ご飯をのせて
梅干をいれて
また ご飯をのせて
そっと 両手で包んで
おむすびをにぎる
まあるくまあるく
はい できあがり
そして はっと 気 ....
ラジオをつけると
聞いたことのある曲が流れていて
愛とか希望とか自由とか
そういったことを叫んでいた
壁に掛けてある絵は
何の絵であるのか解らなかった
右下の隅に小さな文字で
ユリネ ....
ばぁさま、知っとるけ?
ゆんべ、あの知事さぁ、んとこで
大立ち回りがあったんよ
知っとるも何も、あんた
村中大騒ぎで
駐在さんが猟友会に電話をするは
マタギの権蔵じいさんまで叩き起 ....
湿った土を踏みしめて
森の奥へと道をゆけば
森の出来立ての酸素と
自分の使い果てた二酸化炭素は
ここで交換されてゆく
時折り光る木漏れ日を
泉のように手ですくい
そこに生まれる光と
....
うたたね ひつじたち
はる の あったかさ
ひるさがりに
まくらのしたから うまれて
ばんごはんのじかんに
また かえってくる
みどりのにおいの かぜに のって
ふうけいを ....
学校の校舎に
雨が流れてゆく
自然のままに
上から下へ
黙って教室から
外を眺める
雨は
流れるままに流れ
一日が終わる
自然は自然のままだから
自然がそうあるべきことが
正 ....
さくらがみたいのと
おまえは呟く
けれども
おまえの為に
こんな時期に
桜は咲いてくれないのです
ようちえんにいきたいの
とおまえは呟く
しかし幼稚園は日曜日に ....
泥棒のような前傾姿勢で
妹の洋服を
箪笥から引っ張りだして纏った
ふわわ、と甘いにおいが漂った
わたしは服を持って居なくて
だから何時も裸で暮らして居るのだが
この頃はとみに寒く
や ....
眠れない夜を
いくつも乗り越えてきた
思い出と傷を抱えて
何度も足元をすくわれなかがら
それでも乗り越えてきた
救われることなんか
ちゃんと願えないくせに
夜明けが来ることに
涙が ....
酔っ払い
どこまでも寂しくなる夜
赤くほてった顔でふらふら歩き
電信柱に額をあてて寄りかかる
辿り着いた
バス停のベンチにへたりこみ
夢に見る
愛しき君 ....
マリンちゃんの話
きいてほしい
マリンちゃんはジョニーの腹違いのいもうとで
ジョニーとは似ても似つかないほどの美少女だ
めったに笑わないとゆうか
笑った顔を見たことがない
でも笑っ ....
砂をつかんで はなつ男がいる
砂はどれも 鳥のかたちになり
おちて こわれる前に
風がすくって せっせと
雲の巣へ はこんでいる
世界の端っこのようなところで
僕と牛とがシーソーをしている
ぎったん、ばっこん、する度に
審判の人が紅白の旗を挙げて
正誤を判定する
あまりにも長すぎたね
どっちがどっちなのか
....
{引用=
沈黙するノートに。
わたしは魚。銀色の鱗をいちまい、はがして
秋の流れにそっと放つ。の。
ぐらぐらする、まっかな秋だから。
つないだあなたの手は、はなさない。
あ ....
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