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まよう
微熱の手があつい
触ったらもっとあつい
空のひかり
せなかを刺す
紙袋の、持ち手の、こより
くたびれあって
よれてよりそっている
細くてがんじょうな
線を
ただ、じっと ....
081008
ちょっとものたりないんだよね
くうかんのちからが
たりないんだよ
気短な君が
でんぐり返しをする旅に
僕たちの家計は
火の車 ....
白を描くための黒 何百色の黒
透明を描くための濁り 変幻自在の濁り
林檎がひとつ
赤い林檎を描くために
赤が要る、それから黒、白、緑、黄、きりがない、
球体に映りこむ ....
人を生きる、という行為について
その明滅をとらえることは
まるでひとつの灯火のようだ
どうしようもないくらいに
淡くて
美しい感情は
もう消せなくなって
僕らはいつの間に ....
朝、窓際じゃなきゃなんもしない
はっはっはっはっはっはっはっはっ
走る走る できなかった ぜんそく
1時間30分先の 空飛んで
また会おうね新宿 5キロやせるから
はっはっ
走る走 ....
斜面を切り分けて
父の家が建つ
小さな
直方体を
重ねただけの
たぶん
遠い質量の
かたちのないたましいを
とどめおくために
ほっとした表情で
母は告げる
これで
....
父のポケットに
ときどき手を入れてみたくなる
そんな子どもだった
なにもないのに
なにかを探してしまう
いくら背伸びしても届かない
指の先がやっと届きそうになって
そこには父はいなか ....
自転車を漕いでる
全速力で
ふみきりまで
息子を荷台にのせて
遠くから汽笛の音が聞こえる
蒸気機関車だ!
夢をみていた
眠りにつくまで
SLを夢みる
少年だったはずなのに
....
昔からの友人が
タバコをやめることにして
最後の一本を吸った
けむりだ
僕は朝方のベランダで
でたらめなCMソングを歌い
世界のはじまりを祝福した
....
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砂浜の風が
朝夕に向きを変えるように
君は気分で風を変える
冷めている空気が
暁の光に変色する時
君は急に大人びた表情を見せ
自足の笑 ....
枯れてしまった花を詰め込んだ
荷物を背負って
帰るんだ
うちへ 帰るんだ
野生の花が咲くまちへ
いつか大切だった本が
ホコリの中に埋もれてる
無為に費やした
たくさんの
愛しさと
....
見つかっても
怒られることはもうなくなった
飾り気のないドアが壁となる
十五時からの十分
煙草二本のあいだ
椅子に浅く腰かけて
窓枠に肘ついて
外に目をやりながら紫煙を燻らす
そん ....
奪われないので
今日もひとり分を生きた
果てのない風船の暗闇で
惑星の君が手をふっている
伸びる道は無限に存在し
いつでも繋がっていると同時に
いつでも一定の隔たりがあり
謎 ....
夜道帰り道
いえまでの道のまんなかで
ねこか犬か、なにか抱えたまましゃがんでいる人がいたから
こわかった
今までわたしが言ってきたこと
も何も
きみは君の生きていく道に
なんら交 ....
ほどなく
空は なだめるように
いくどかのまばたきをした
何度目かの夏
もうすぐ花柄の猫たちが
砂丘のほしに
帰ってゆく
波の音
水平にひろがる
君のこきゅうと 両腕
ほど ....
胸の想いは、
薔薇色の珊瑚だよ
だから貧乏だなんて
口が裂けても
絶対に、
言ってはいけないよ
こんなふうに、
今は。
志のある人なら誰でも
・・・・とても
苦しい、時代だ ....
今夜も
アオガエルのなき声のする田園を眠る
庭で白い芍薬が
ほのかに浮き上がる
視線の静かなまなざしで
満天のせせらぎの
おもい出のひかり
帰れない真夜中のいっそう暗闇をます
アオガエ ....
静けさを呼吸して
ふくらんだ悲しみをはく
そんな自分を少し可哀想だと思う
今日も一日、雨だったから
なんて、理由にもならない
何となく電源を入れた
パソコンがウィーンっていいながら ....
寒いね
さむーい
しんけいつう、になった
肋間神経痛だって
(初恋の痛みだと思いこんでた)
しんけいつう、に(も)付ける薬はないんだよ
あはは
おばーちゃんみたい
あはは、おばーちゃん ....
森の色 珠海の色
巻きつけた雨の紐
せせらぎは水の路
跳ね上げる声 鐘の号泣
旅立ちだったお昼前 思い出してるようで
明確には 戻ってこない
ほうっておいたりしてごめんね
左手が ....
すなはまにたたずむ
なもなきとり
どこにゆけずとも
りんとしていたい
でもときおりくずれ
すなになる
よるはひとこえ
ろろろ、となく
しずかなうみに
くるふねはない
....
・
一か月が
余りに速く過ぎ去るような気がして
どうしようもない
服を着替える間もなく
あっという間に秋である
外ではまるで軍隊のように
流行なのか
同じ型の服を身につけた女子が
勇 ....
シーツは空気を切る音を響かせながら秋空にひろがった。
わたしはそれを物干し竿にかけ、
丁寧に皺を伸ばした。
子ども達は一面に広がる秋桜畑で笑い声を上げている。
家の中からはラジオの音が漏れ ....
今夜の月は
半分しかないのに
風力発電の三枚羽根に
砕かれている
居場所がなくて
ぐるぐると、さまようものも
照らし出されれば美しいのだろう
今日も祈っている
風車越しに月を掴もう ....
冷たいお堀の水の上に
桜の花びらが落ちていく
無音
しとしと
これは雨
影に
とじこめられる
鬱蒼と茂る木々のあいだに
用水路が流れている
ベンチに ....
私の
私の良さを
文字にして
巨大なテロップで
渋谷の
新宿の
オーロラビジョンの隅々を
流れろ
流れゆけ
白地に赤の
強い文字で
意味よ
私の知らない
生きる価 ....
君の手に護られている
悲しい音楽が聞こえないように
僕と君は互いが反存在で
触れると世界もろとも消し飛ぶ
だからいつも“ワタシ”という
紙一重の嘘を隔てて
互いのカタチを確かめ合うんだ ....
駅のホームで
乗り換えの汽車を待つ
少し味の濃い
月見そばを食べながら
かけそばにしようと思って
左ポケットを探したら
小銭が思ったより入ってたので
長い線路を
そばのよ ....
ラピスラズリは、青い。
惑星に似た丸い石は、原石のまま磨かれずにいて、
濡れてもいないのにいつも冷たい。
時々、水脈を聞く。
明かりを知らない水の奏でる音楽を。
明かりの届かない ....
眠る前に
くちびるの形だけで
あなたのなまえ
を呟いてみたら
ほろほろと
星が生まれてく
夜は
思ったよりも深くて
あしたの方向で
あなたのなまえの星が揺れてる
不器用にしか進 ....
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