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このアパートに住み着いている猫の話では
世界はすでに終わってしまったらしい
猫は目を細めて悲しそうにしているが
世界がいつ始まったのかまでは教えてくれなかった
仕方がないさ、と猫は言う
....
ぼくは正義の味方だから
曲がりなりにも
今日できることは
今日やっておこう
と
向かいの大家さん宅に新聞を借りに行く
朝ごはんは?すませてきました
と
いつもの嘘をついて
縁 ....
りんろ
りんろ
あなたが はなしてくれた
ちいちゃいころ
りんろ
りんろって
云ってたって
かわいいな
りんろ
すてきだな
りんろ
....
ジョニーが迷子になってしまった
どうでもよいメールがくる
どうしても洞窟から出られないらしい
RPGとゆうやつだ
いまどき
子供ですら余裕のロールプレイングゲームが
クリヤーできない大 ....
Ⅰ
小さな日だまり きらきらと
光のカーテン揺れている
小さな日だまり ゆらゆらと
そこだけ光の輪ができた
誰にも内緒教えない
あれは妖精の輪なんだよ
妖精たちが踊っている ....
{引用=
一、ヘヴンズ・ヒル
枯れることなく
花の咲きみだれても
それは
開くことをしない
閉じられたままの
かなしみの
すそ
風が
つねに優しいならば
怯えるこ ....
あらしの余波だろうか
はたまた 世間のしがらみだろうか
木枯らしが 落ち葉といっしょに
チリと涙 芥とおもいまで まきあげて
足早に歩いていくコートをくすぐっていった
そして 今 スコー ....
1 追憶の街
(そこを曲がると目的地だ。
(たくさんのヒヤシンスの花が僕たちを見ている。
(そう、あの青い塔のある丘まで競争だ。
(君の長い髪がそよかぜにのって
(春を歌っている ....
春まだ浅い朝に摘んできた
ルビー色の甘酸っぱい宝石
籠をいっぱいにするより先に
ちっちゃな指と口の周りを
真っ赤にしてた
そんな美味しい歓声に
真っ白な砂糖をたっぷりかぶせて
ホウロ ....
{引用=山里に出会ふ少女はひたすらに
坂下り行き{ルビ畠=はた}のトマト赤し}
D展に出す絵のモチーフを探して
山地を旅していた
山里の道を歩いていくと
籠一杯のトマト ....
俺はコーナーを曲がりきれない
俺はコーナーを曲がりきれないでいる
第三コーナーから第四コーナーへ
俺は外壁を破壊しながら走っている
スポンサーの名前が書いてある看板を壊しながら ....
雨が降り続く秋の中で
公園のベンチは
誰も腰かけないまま
しっとりと濡れてゆく
何もない無の空間に
わずか一瞬だけ
背もたれにスズメが立ち止まる
雨が降り続く秋の中で
公園のブラン ....
きみはキリン
別に首が長いわけでもないけどさ
肩甲骨の辺りがキリン
きみはキリン
特に無口じゃないけどさ
答えの前にちょっと間が空く
電話の向こうでキリン
きみはキリン
....
雨の日は車走らせ
竹崎の港近くに
暮らす人に
会いに行きたい
有明の海の色が
変わる岬を教えてくれた人
晴れ渡る野上海岸
目をほそめ沖を見詰めて
夢を 夢を 夢を
語った
....
毬栗が黄緑色に膨らんで
山の稜線を彩つてゐる
棘の一本一本は張りつめても
刺々しさはなく
光と風と大気に丸く包み込まれて
和んでさへゐる
さうしてなほも ....
わたしの家に来るときは
あなたは私を心から
好きだと言わなければなりません
そしてその後二人して
円い机で二人して
花瓶の花に浮かんでる
水滴について語り合いたい
窓の外はもう薄暗くて
....
どんなに難しい本を読んでいたとしても
喜怒哀楽
たった4文字に人のこころは捕われて
(それってほんとだよ
いつになったら大人になれるのかな
つまらないことに腹を立て
投げつけたことばの痛み ....
なんだか、さ
時々ね、息苦しさ
感じるんだ
生きにくいのかな
何が悪かったかな
この手じゃ、上手く
人に触れられない
差し出した手が、すれ違って
この手は何のためにあるのか?
....
雨が来る
雨は去る
屋根は
何も変わらない
陰の色の石があり
誰も通らぬ道があり
雲がひとつもない日にも
常に陰のままでいる
花は風に放られて
雨をつかま ....
風が吹いている
この胸をくすぐるように
どこか時の蒼い彼方から
やわらかなレースのカーテンを抜けて
あなたは夜へと駆け出してゆく
裸のつま先で踊るピエレット
夜露に濡れた草を踏みしめて
....
この窓を開けると
いつでも夕暮れを見ることができます
橙色の空と感傷的な思い出たち
それらのものがいつでも見ることができるのです
今真っ赤な夕日が
水平線の彼方に沈んで行きます
あれは ....
紅葉が近づく{ルビ樗谿=おうちだに}は
とうめいなたくさんの蛍が
言葉だけつまった
名前だけの思い出を
夕暮れにかえそうとする
いろだけになってしまう
ぬくもりを失うと
とうめいにな ....
インドの山奥
謎の動物が現れ
胸を叩き威嚇して
おお暴れ
シタールの音
線香の匂いがキツイ
7年風呂に入っていない
河という物を知らない。
多様性の保持には
中規模の撹乱が必 ....
◇寒い日
世界を圧縮したものが
新聞だ
さう信じてきた浮浪者が
新聞紙を丸めて火をつけた
世界よ
大きな顔をして
人を舐めるな
おまへは俺の手を
暖めることさへ ....
{引用=
花の種を撒くように
あなたはゆっくりと回転する
スカートが揺らめき
微かな銀色が
しなやかな指先から
こぼれる
それが
遥かに
風花のように
わたしに ....
ただそこにいる
それが許されない存在は
どこにも存在しない
どこにも存在してはならない
存在を否定される存在は
どこにも存在せず
どこにも存在してはならない
存在を否定する存在もまた ....
高邁な思想なんていらないの。
私は明日もカナエちゃんと遊べたらいいし
三輪車が今日みたいに滑らかに走ってくれたら
それでいいの。
壮大な言い訳なんていらないの。
私は明日も幼稚園に行けた ....
秋風に揺られ
無数に実りゆく
夜の小さい太陽達
今にも落ちそうな実に
枝はしなる
自分らしく熟れるのを待つ
世界中の人々のように
ぶら下がる無数の実が
枝から離れる ....
私にとって最大の敵は
近所の回転寿司屋である
あの店はいつもネタが豊富だから
私は妬んでいる
だが私はこの妬みをネタにして
あの店に倍返ししてやろうと思っている
あの店は「新鮮な海の幸」と ....
いつもそう、決まってそれは冬だ。
今年も真っ黒な服を纏って冬に泣く。
明日は、カラスが、泣く。
いかないで。しなないで。なんでもいいから、いきていて。
とほうもないね、ノンシュガーの茶 ....
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