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お尻から生えてた
あげたてのコロッケみたいないろの
太いしっぽを
あわてて隠しました。
あのひとが明日来るってさ。
油断して
わたし
ババシャツで毎晩寝てました。
かみの毛 ....
3歳の夏にわたしは赤ちゃんを産んだのだった
やわらかい栗毛を愛おしいと思った
乳母車はわたしの筋力のなさをあざ笑ったが
幸せな光はいつもわたしの頭上で放たれていた
母親になる幸せを誰に ....
{引用=
吹かした煙といっしょに、行っちゃうかと思いました
薄くなりましたね、背中
このビルが潤うたびに、課長さんは枯れてゆきますね
決して幸せを期待できない結末に ....
親父は定年退職し
母ちゃん専業主婦となり
息子のぼくは半人前
母ちゃん家計簿とにらめっこ
ばあちゃんが払う食費も1万ふえて
なんとかやりくりの日々であります
雨もりがあふれる床
....
金魚の尻尾を
一匹ずつ
親指と人差し指とで
摘まんで
西の空へかざして
流れる空に赤を重ね見た
どうでもいいような思い出が
西の空へ吸い込まれ行く金魚の
開いたり閉じたり
開いた ....
僕はスプートニク2号
地球初
気密室を搭載した
宇宙船
まもなく
僕は
他の兄弟と同じように
宇宙の塵となる
鉄の塊
その日
僕の部屋に来たのは
いつ ....
わたしは5万円です
と、うそをついた
ふさがったままのきずだから
ごまんえんごまんえんごまんえん
20歳処女
会うと言った30の男
なんか頭いいやさしさで近づくもんだから ....
うちのちかくのかわには
かっぱがすんでいます。
かっぱはきゅうりがすきなので
ぼくはうちのはたけから
まいにちにさんぼん、かっぱにきゅうりをとどけました。
かっぱはか ....
兄、あるいは姉と呼ぶべき
生まれなかった命にむけて
もしかしたらこの時代は
貴方たちの手で変えられたかもしれないと
そんな期待を寄せるわたしは
我が侭だとわかっています
....
ふと遠いところへ行きたくなる
通過電車に手をのばせば届きそうで届かない
本気で身を乗り出すと本当に連れ去られてしまうから
「危険ですから、黄色い線の内側までお下がりください」
というアナウ ....
愛しているよと素直に言える今が幸せ
きっときっと
いつか君が大きくなっていくにつれ
私との会話は減っていき
「愛してるよ」なんて言って
抱きしめることは出来なくなるんだよね
君 ....
奇跡は待つものじゃない
起こすものだ
先輩はいつもそう叫びながら
改札を出るといつも
マニエルの打球のように
球場にむかいましたね
でもね先輩
僕は待ってしまったんです
大切な ....
一冊の絵本のような生涯
浮遊するひとかけらの海
あれは君なんだろうか
思想のない森と夜の魚
そんな絵本だとしたら
月がちょうど半分 あとは少しの湿度
そんな海だとしたな ....
千の春をおまえに
父と母の願いどおり
千の春をもって生まれてきたのか
よわむしのあなたに ひとつ
じぶんかってなあなたに ひとつ
おこりんぼうのあなた ....
許される時知らず
流れ着く場所知らず
其の手の瓦礫
其の血の痛み
乗せたまま
時を越え
流れつづける浮船の
哀しみ
ぼくらの夏は
本田さんの庭の前の川淵に
どぼんと飛び込むことから始まる。
終業式のその日は
水泳パンツ持参で
通知票はほったらかしで
どぼんどぼんと
淵に飛び込む。
先生が
....
容赦ない夏の
どこかの軒下で
わずかな風を拾い集め
リンと鳴ったところで
気休めなのだろうけれど
気休めに救われる
瞬間もある
声にならない声が
遠くから鳴り ....
風に乗って越してきた次の日から
せっせ、せっせと
庭の草取りをはじめ
ごんごん、ごんごん
掘り起こして土作りをし、
次の次の日には
どこからか太陽の種を
仕入れてきて
ぱらぱらぱらぱら ....
++栄 光++
栄光が終わった日
あなたはそれを
さっさとアルバムに貼り付け
グラス片手にひと晩眺めて
あとは戸棚に置いたっきり
....
あの分かれ道
右へ流されてみることが
あの分かれ道
左へ巻かれてみることが
できずに
心のまま
選び進むほど
安息を諦めた者が
またひとり
雑踏に消えてゆ ....
しあわせは
すりぬける風
ひとときのやすらぎ
明日のことは
わからない
しあわせは
すくいあげた水
たやすくこぼれるけれど
歩けるぶんだけ
あればいい
....
荒木さんが
すっぽんが獲れたから
食べにおいでよ
と言うから
友達誘って
焼酎抱えて
出かけていった
すっぽんは
みごとに捌かれ
くつくつと
鍋の中でうまそうなすき焼き風味で
....
もう死ぬしかないってあなたが言った
だから絶対にあなたは死なないと私は言った
あなたは死ななかった
そして絶望に負けず今新しい道を歩き始めている
頑張れ
心の底からそう思った
あな ....
入院してる友達のために折ってるのと
その子はちょっと淋しそうに
鶴を折っていました
それを手伝おうと
わたしも折ったのですが
できあがった鶴の
羽を広げようとしたとき
その子 ....
無限大じゃないこと
見ないふりして
止められなかった
蛇口をひねり続けた
温かいものが注ぎ続けた
わたしが眠るとき
ひとり壊れて ....
そして何事も無かったように
日常は流れて行き
そこに何事も無かったように
あなたは立っていて
拍子抜けのふたりの間に
静寂だけが そっと
....
誰彼の
人生の一幕を引き受けながら
幾度の夜をくぐり
幾度の朝に停まり
巨大な車体は
物悲しくも
満足げにも
重々しい ....
仕事とわたし どちらが大事 って迫ったら
迷わず 仕事 って答えないでね
せめて3杯目のコーヒーまで
がんばって悩んでね
さんざん悩んだあげく
さも苦しげに 仕事 って答えてね
まちが ....
田圃に水が張られ
田植えもほとんど終わった。
これまでの鉄筋巣箱を捨て
庭付き一戸建て官舎に住んでいる。
職場まで車で5分
渋滞など無縁である。
田圃の上を
オハグロトンボがひよ ....
それをさせてくれるのは友人でも恋人でもなく
きみが生まれてから
したことのない努力をし
したことのない我慢を覚え
優しさについて 事あるごと考え
煩わしい毎日をどうにか越えて ....
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