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コンクリートの舗道から
唐突にはみ出してしまった
名も知らぬ草

引き千切られても
踏みにじられても
へらへらと風に揺れている

雑草になりたい

生えることだけを
考えたい
 ....
花は花で
咲き競い
至福の種子を枝に結ぶ

鳥は鳥で
鳴き集い
矢印となって季節を指し示す

川は川で
せめぎ合い
未だ見ぬ海へと殺到する

雲は雲で
逃げ惑い
苦し紛れに ....
明け方に夢を見た
ミントゼリーを張ったプールに
頭から突き刺さる夢

飛板から身を投げ出した時
迫る水面は
まだ薄青く揺らいでいた

伸びきった指先が
水面を割る直前に
プール ....
たっぷりの熱湯の中に
捨て台詞を少々加えて
マカロニを入れる

いつまでも未練がましく
くっつかないように
十分注意しながら
再び立ち直れるまで
何回か掻き混ぜる

アルデンテ ....
柔らかな光の筆先で
なぞられた街並は
おぼつかない輪郭から
あどけなくはみ出す
水彩絵具の色合い

目の前を行き交う人々の
心なしか和らいだ眼差しは
古いアルバムの内側で
セピア ....
唇は
春だった

柔らかくて
惨たらしかった

前髪は
夏だった

煩わしくて
あてどなかった

耳たぶは
秋だった

満ち足りて
素っ気なかった

鎖骨は
 ....
東から西へ
クリークのような商店街の上を
滑空する

コンビニの角を南に曲って
コソコソとパチンコ屋へ向かう
八百屋の若旦那を左目で見ながら

西から北へ
生易しい北風を切り裂く ....
枕返し


枕は魂を夢の入り江へ運ぶ舟
夢と現の狭間に横たわる
とろんとした浅瀬を行き来する
僕は腕利きの一等航海士
大抵の鼾や歯軋りには動じないけれど
獏の襲来にはかなり手を ....
カトレア (優美な女性)


含み笑いの訳すら読ませてはくれずに

まろやかな眼差しで僕を押しとどめて

あなたは沈黙の端に句読点を置いた

微かな痛みを伴った午後が紫に薫っ ....
てっぽうゆり (純潔)


迷うことのない指先が夜を滑って

僕が吐いた言葉を花に変えていく

闇にも溶けないひたむきさを透かして

仄見える君の純潔が僕を温かくする

 ....
パンジー (ものおもい)


青空の端にぼんやり頬杖をついて

ほつれた飛行機雲を指先で丸めながら

色とりどりの想いを散らかしっぱなし

冬風が口笛で呼んでも君はうわの空
 ....
ウメ (忠実)


天神様の細道で大事な人を

繋ぎ止めようとしただけなのに

どうしていつまでも付き纏うのか

やたらと匂い過ぎる言葉達よ




スイセン ( ....
すばしっこい背びれを追い回して
生ぬるい用水路を濁らせた
髪の毛の先から滴り落ちた汗
泥だらけの顔を笑い合った毬栗頭

ねばっこいフェーンの熱波を掻き回して
力任せに錆びたペダルを漕い ....
いっそのこと
壊れてやろうかと思ったのです

午前8時20分 正確には午前8時19分49秒
あなたは怖いものでも見るような目つきで
私を見ると言葉でない何かを叫びました
それから物凄い ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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花言葉四行詩_<3>- nonya自由詩9*08-12-4
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